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用務員さんの同棲相手は学園で聖女と呼ばれる幼馴染みでした。  作者: あゆう亞悠


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「巨乳のカン」

 とりあえず今日の仕事は、力仕事以外をする事になった。ってわけで俺の手には竹ぼうき。場所は校舎周り。つまり……掃除だ。

 立ち続けるのもしゃがみ続けるのもまだキツいから、休憩を挟みながら落ち葉を集めていく。

 集めた後は生徒が昼の清掃時にまとめて捨ててくれるらしく、俺はひたすらに集めるだけ。今日は風が無くてよかったや。


 そして今は体育館裏の隅で、そこに置いてある廃タイヤの上に座って休憩中。なんで学校って色んなとこに廃タイヤおいてあるんだ? 俺が通ってた学校にもあったんだよな……。

 まぁいいか。それにしても久しぶりに動いてかく汗は少し気持ち良かった。ただ、すぐ疲れるけど。

 しばらくボーッとしていると、体育館の影から人の姿が見えた。何かキョロキョロしているみたいだけど……って柚か。どうしたんだ?


 やがて俺の方を見ると、一直線にこっちに向かってきた。そして俺の目の前に立つと手に持っていたスポーツドリンクを差し出しながら口を開いた。


「お、おつかれ。どう? 体は」

「サンキュー。まぁ久しぶりだからしんどいな。どうしたんだ? 授業は?」


 俺はそう言うと、貰ったスポーツドリンクを開けて一気に半分程飲む。冷たいのが喉を通っていくのが気持ちよかった。


「校長にね、次の授業無いなら晃太の事見てこいって言われたのよ。ただそれだけ」

「なるほどね」

「うん。まぁ、無理しないのよ? 今夜結が帰ってくるんだから、また腰痛めたりしたら怒られるわよ?」

「おう。そこは気をつけてる」

「そっか。もうすっかり……ん~ん、やっぱりなんでもない」

「尻に敷かれてるとでも言いたいのか?」

「それもだけど……まぁいいじゃん。気にしないで」

「ふぅん」


 気にしないで、って一番気になる言い方だよなぁ。まぁ言いそうにないから聞かないけどさ。


「それじゃ私行くね。準備あるし」

「あぁ、コレ、サンキューな」


 俺は貰ったドリンクを振りながら答える。

 それに対して柚は、「高いわよ」っといつも通りに答えて校舎に戻って行った。

 さて、もう少し作業したら昼飯だな。



 ◇



 昼休みのチャイムが鳴り、倉庫に戻って弁当を出してるとノックの音と一緒に扉を開く音がして、そちらを向くとそこには弁当が入ってると思われる巾着を持った秋沢がいた。


「えへっ、来ちゃった!」

「いや、来ちゃった! じゃねえよ、何キャラだよ」

「中々素直になれないけど好意丸出しな妹系幼馴染み。どう?」

「そういうのはラノベの中だけだろ」

「そんなことより食べよう」


 いつの間にかソファーに座って弁当を広げていた。はえぇよ。はぁ……。


「そういえば今日は先生来ない。ケンカ?」

「ん? いや、ケンカしてないぞ? まぁ、あいつも忙しいんだろ」

「ふぅん」


 その後は二人とも特に会話も無く箸を進める。

 つーか、この状況もマズイよなぁ。秋沢にもちゃんと言わないとだな。よし……


「なぁ、秋沢……」


 俺がそう口に出した瞬間だった。


「ごちそうさま。じゃ、戻る」

「んを? どうしたいきなり。ちょっと話があったんだが……」


 ホントいきなりだな。なんか用事でもあったのか? 俺が聞くと、扉に向かっていた秋沢がこちらを振り向いてこう言った。


「何もないけど、その話は聞かない」

「ないんかい! ならなんで?」

「巨乳のカン」

「……そんなカン、初耳だぞ」

「これは選ばれた巨乳オブ巨乳にしか使えない」

「そ、そうなのか……」


 そんな事を言いながら秋沢が自分の胸を持ち上げる。

 だからそれ止めろっての。おい、ゆっさゆっさと揺らすな!

 つーかそんなの聞いたこともないわ!

 にしてもコレは……


「今ガン見してた」

「見てない」

「揺れと一緒に目線も動いてた」

「お前はどこの剣豪だ」

「ふふふ。ではさらば」

「あっ! ちょっとおい!」


 俺が止める声も聞かずにゆっさゆっさとさせながら秋沢が扉から出ていく。

 ……いや、外に出たらやめろよ。


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