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用務員さんの同棲相手は学園で聖女と呼ばれる幼馴染みでした。  作者: あゆう亞悠


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「卑怯ですズルいです」

 朝だ! 目覚めはバッチリ!

 スマホのアラームを止めてすぐに起き上がると、すぐに着替える。今日の準備も終わった。後は朝飯食って歯磨きして行くだけだ。


「こ、晃太さーん。ご飯準備できましたよ」

「わかった。今いく」


 ちょうど結から声もかかったし、カーテンを開いて隣の部屋へ。


「おはようさん」

「はい、おはようござ……い……ます……うぅ」


 はっはー。ちょっと結さんや、なんで視線が下向きなのかね? 挨拶は顔を見てしようね?

 晃太さんはいきなり心臓がバクバクしてきたよ。えっ? 昨日寝てたよね? 大丈夫だよね? ね? とりあえず話題を逸らしたい!


「おっ、おう……。あーえっと、そのあれだ。今日の髪型はお下げにしてるんだな? 似合ってるぞ」


 今日の結の髪型はお下げにして、それを前に流していた。文学少女って感じで昨夜あんな大胆な行動にでた女の子とは思えなかった。


「あ、ありがとうございます。 今朝はちょっと時間がなくて簡単にしか出来なかったんですけど、そう言ってくれて嬉しいです♪︎ こういうのも好きなんですか?」

「ん? まぁ、好き……かな?」

「じゃあ……晃太さんの好きな髪型リストにメモしときますね?」

「え? そんなのあんの!?」

「はいっ! 頭の中にですけど♪︎ 他にも好きな食べ物リストとか、好きな色リストもあったりするのですっ!」


 そう言いながらムフんっ! と胸を張る結。なんつーか……健気だ。未だに答えを出せずにいる俺の事をこんなに想って待ち続けてくれているなんてなぁ。

 かと言って、今《《ソレ》》を決めたとしても、色香に流されて言ってるみたいだし……。

 よし決めた。せめて結が修学旅行から帰って来るまでにちゃんと自分の気持ちの整理を付けよう。

 そして帰って来たらその答えを伝えよう。うん。さて、そうと決まったら目の前でキョトンとしている結に返事を返すか。


「それは……嬉しいな。俺の好きなの色々と覚えててくれてたのか。ありがとな」

「…………」


 ちゃんと感謝の気持ちを伝えたのだが、結は俺を見上げたまま固まって返事がない。


「どうした?」

「……にゃ……」

「ちょっ! 結!?」


 結がいきなり膝から崩れ落ちた。何故!? そして何故に猫!?


「ひ、卑怯ですズルいですほんとにありがとうございます」

「は、はぁ?」

「もうホントに晃太さんはまったく……油断も隙もないですね……。じゃあ朝ご飯用意するので座っててくださいね。あっ、今夜は晃太さんの好きなハンバーグにしましょう。デザートも作らなきゃ! 付け合せのも今日はちょっと良いのを帰りに買ってこないと。後は……」


 立ち上がりながらそんな事を呟くと、鼻歌を歌いながらキッチンへと消えていった。

 お、おーい結さんやーい。俺の声聞こえてる?


 ……俺、そんな機嫌良くなるような事、なんかしたか? さっぱり検討がつかんのだが。

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