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用務員さんの同棲相手は学園で聖女と呼ばれる幼馴染みでした。  作者: あゆう亞悠


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「ライバルですね!」

 えーっと、なんでここに結がいるんだ? いや、ここは喫茶店だから別にいてもおかしくないか。さすがに一人でくるとは思えないから、さっきの後ろ姿は柚か。あいつなんで結を置いて帰ったんだ?

 

 う〜んわからん。とりあえず今は結の誤解を解かねば。おそらく俺達の会話を断片的に盗み聞きして、話の前後がわかってないんだろう。


 言いたいことを言って立ち去っていった香澄の事は……もういいか。ここで追いかけてズルズルなるのはダメだと思う。秋沢の姉ちゃんだからどこかで会うことはあるかもしれないが、もはや関係がどうにかなることはないだろう。

 まずは現状の打開が先だ。


「結、何を誤解してるのか知らないが秋沢とは付き合わないぞ? あのな……」


 そうして俺はさっきの会話を簡単に説明した。

 ちなみに、結はいつの間にか俺達と同じ席の秋沢の隣に腰を下ろしている。


「そうだったんですか。よく聞こえなかった部分がやっと理解できました」

「やっぱ盗み聞きしてたんじゃねぇか」

「けど本当に偶然ですよ? 私達の方が先に来てましたし」

「まぁいいけどさ」

「それに……おまじないが効いたみたいですし♪」

「っっ! やかましい……」


 それを思い出させるなよ。なんか恥ずかしいだほうが。

 それにしても……さっきから秋沢が一言も喋らないし、俯いたままで動かない。香澄の言葉でショックを受けてるんだろうか?


「なぁ秋沢、大丈夫か?」

「……ん、大丈夫。あの人はそういう人だから。けど……」

「けど?」


 いまだに顔をあげない秋沢。


「今は……恥ずかしくて無理……」


 そ、そっちでかぁぁぁぁ!!

 それは俺は何も言えないぞ!? 後、胸を隠すな! 見てないから! 隣の結の視線がちょっと恐いから見れないから!

 ……ちょっと結さん? 腕を組んで強調しないの。対抗しなくていいから……。


 三人とも無言になり、少しの間静かな時間が流れる。そんな中、最初に口を開いたのは結にだった。


「そういえば秋沢さんとは殆んど初めましてですよね? 私は二年の天音 結です。晃太さんの将来のお嫁さんになる予定です」


 ……はぁっ!? いや、お前いきなり何言ってんのぉ!? 俺はびっくりしすぎて声が出ない。

 そこで秋沢もやっと顔を上げた。


「一年の秋沢 真澄。……お嫁さん?」

「はい。《《私も》》晃太さんの事が大好きなんです。秋沢さんもですよね?」

「……さっきわかった。ボクも好き」

「では私達はライバルですね! 負けません!」

「ボクも負けない。胸ならボクの方が大きいし」


 そう言いながら胸を張る秋沢。

 いや、さっきから二人ともなんなの? 俺が置いてけぼりになってんだけど……。それにそんな胸胸言わないでくれないかね? 別に胸で決めたりしないからね?


 そんな二人を見てると今度は仲良くメッセIDを交換し始めた。え? ライバルとか言ってなかった? しかもほとんど初対面でしょ? なんでいきなり仲良くなってんの? 最近の子がわからない……。しかも、ボソボソと[情報]だとか[他の影]とか[報告]とか不穏な言葉ばっかり聞こえてくるんだが……。


「晃太さん不思議そうな顔してますね?」

「んぁ? 展開の早さについていけてないんだよ……」

「晃太さんは気にしなくても大丈夫ですよ♪」

「ん、気にしなくてもいい」


 な、仲間外れだ……。


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