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用務員さんの同棲相手は学園で聖女と呼ばれる幼馴染みでした。  作者: あゆう亞悠


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「宣戦布告」

おはよえございますっ!タイトル変更しましたっ!

 小さくなってしまった柚の肩を叩き、その場に立たせる。が、決して俺と目を合わせないであっちこっち見ている。自分の長い髪をいじって髭みたいに持ってきたり、耳みたいに伸ばしたりと落ち着きがない。

 校門の前で話すのも人目があるから、とりあえず柚の腕を掴んで歩くように促した。


「あっ……もぅ……ホント、簡単に掴んできたりするんだから……」


 ん? なんて? まぁいいか。


「で、なんで今日は避けてたんだ? 比奈になんか言われた? 結構飲んでたけど、飲み会のは全部覚えるのか?」

「……………わよ」

「は?」

「だーかーらー! 全部覚えてるわよっ! 帰ってからはすぐに寝ちゃったから、比奈にも次の日起きてすぐに散々言われたわよっ! だから逃げてたんじゃない! お酒の勢いであんな昔の事言うなんて……失態だわ……」

「そんな事はないだろ。少なくとも俺はちゃんとお前の話を聞けて良かったと思ってる。例え昔の事だとしてもな」

「そう……それならいいけど……。っていつまで腕掴んでるのよ! それにしても今日はグイグイ来るわね。後! ちょっと近いわよ。汗臭いんだからもう少し離れなさいよね」

「お? あぁ、すまんすまん。ってグイグイって言われてもな。お前や隼人にも色々言われたから俺なりに変わってみようと思ったんだがな。それと……」


 言われて気付いたけど、歩き出してから柚の腕を掴んだままだったな。いかんいかん。

 それにしても俺の相手への踏み込み方はちょっと違うのか……。怒れてしまった。

 この辺はもっと考えないとダメだな。

 てか、汗臭い? あれ? 確か前に……。


「限度ってもんがあるでしょうが……。で、それとって?」

「飲み会から帰る時に、俺の汗の匂い好きって言ってなかったか?」

「………え?」


 柚の足が止まった。振り返って見てみるが、俯いてて顔が見えない。


「それ、いつ?」

「帰りにタクシー乗るときに。近くに隼人と比奈もいたぞ」

「あぁぁぁぁっ! 覚えてないぃぃぃ! 絶対二人にも聞かれてるー! 恥ずかしすぎる! 」

「おい、大丈夫か? いや、そんな気にしなくてもいいだろ。ほら! 世の中には匂いフェチの人とかもいるんだし……」


 俺がそう言うと、柚が俺の顔をみて固まる。口はポカーンと開いたままだ。

 そのまましばらく経つと、なにやら考え込むように顎に手をあててブツブツ言い始める。全然聞こえない。

 そしてもう一度俺の目を見ると、真剣な顔をして口を開いた。


「……ねぇ、ちょっといい?」

「なんだ?」

「飲み会での私の話と帰りの匂いがどうとかってを聞いてどう思ったの?」

「どうって……。あの頃はそう思ってたんだな。悪いことしたなって。匂いに関しては、最初は俺の事かと思ったけど、匂いかぁ〜って」

「そう。《《あの頃は》》か……。鈍感なのか素直なのか、ホント相変わらずだなぁ……。なんか元カノも怪しいし……うん、決めた」

「決めたって?」

「今はまだナイショ。まずは結に謝らないとね」


 そう言いながら再び歩きだす柚。

 結にあやまる? 何をだ!?


「なんでそこで結の名前が?」


 俺が聞き返すと、柚は振り返りながらこう言った。


「宣戦布告! ってやつかな♪」



いつも読んでくれてありがとうございます。

 面白いよ! もっと読みたいよ!って思っていただけましたら幸いです。

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