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用務員さんの同棲相手は学園で聖女と呼ばれる幼馴染みでした。  作者: あゆう亞悠


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「またね」

久しぶりの更新です!


 ちょっと待て! 香澄に妹がいたなんて聞いたことないぞ!? 香澄が今住んでる(引っ越してなければ)アパートを借りる前までは父親と二人で祖父母の家にいたはずだ。父親に会ったこともあるけど、再婚した話も聞いたことない。どういうことだ……。


 いや、それよりも今の状況だ。 一体何しをにきた。彼氏は? まさか一緒にきたんじゃないだろうな。

 そしてなぜここにいる……いや、それはわかってる。

 視線だけを横に向けると、そこには秋沢がいる。何故かはわからないが、妹って言ってたからな。秋沢が言ったのだろう。


 俺の事はいつ知った? いつから聞いている? 最初から? 倉庫に来るようになった頃から知っていたのか? だとしたらどういうつもりで? そういえば前に運命がどうとか言ってたな……それはこの事を言っていたのか?


 ダメだ。さっぱりわからない。全然頭がまわらない。

 その時柚が俺の腕を掴み、揺さぶって小声で話しかけてくる。日中の態度とはまるで別だ。


「(ねぇ、ちょっと! この人あんたの知り合いなの? 校門から出たらいきなり声かけられて「真峠さんはまだですか?」って聞かれたんだけど! てかこうちゃんってなに!? しかも秋沢さんのお姉さんってどういうこと?)」

「(あ、いや……その……)」


 なんて答えればいいんだ。俺にもよくわかってないんだ。それなのに……。


「こうちゃん、なにコソコソ話してるの?」

「あ、いや……」

「さっきから「あ」とか「あぁ」とかばっかり。変なの〜」


 な、なんでこんなに普通に話しかけてこれるんだ? 俺はお前にフラれたんだぞ……。


「ちょっと、 あなたは一体誰ですか? 晃太の知り合いみたいですけど」

「え?」


 俺と香澄の間に柚が入ってくる。しかもなんか怒ってるような感じがする。


「晃太、困ってるじゃないですか。あなた、晃太のなんなんです?」

「えっと、なんていうか……ね?」

「姉さんはその人の元カノ」


 柚の問いに対して、俺に言わせようとして視線を送ってくる香澄。だが秋沢が横から入ってきて柚にそう告げる。


「え、元カノ? ってあの!?」

「……あぁ」


 それを聞いた柚は驚いたように俺を振り返る。

 俺はそれに簡単に返事をするだけ。それしか出来なかった。

 すると柚は香澄の方に再び振り返る。


「で、その元カノさんは今頃何しに来たの?」

「えっと、真澄からこうちゃんがここにいるって聞いたから、ちょっと様子を見に来ただけですよ? お姉さんは? もしかして新しい彼女?」

「なっ! ち、違うわよ! こいつとはただの幼馴染みよ!」

「そうですか。よかったぁ……。じゃあ失礼しますね。 へへ、こうちゃん今日《《は》》もう帰るよ。《《またね》》。じゃあ真澄、ご飯でも食べにいこ? 」

「ん、うちで食べない?」

「……いくわけないでしょ」

「っ! うん……」


 そう一方的に話すと、香澄と秋沢は二人で歩いていってしまった。

 秋沢が誘った時の断る低い声。俺は聞いたことない声だ……。

 それにしても様子見って一体なんなんだ?


「ねぇ晃太。あの人何しに来たと思う?」

「わからねぇ……。なんなんだ一体」

「あの……さ、ヨリを戻しに来たとかかな?」

「まさか。俺、フラれたんだぞ? それに向こうは新しい男だって出来たばっかりなんだ。そんなわけないだろ」

「けど……」

「わりぃ、その話はやめてくれ。今は考えたくない」

「あ、うん。そうだよね……。そ、そいえば用事はなんだったの? 仕事?」

「え? あぁ、飲み会の事があったからだと思うけど、今日ずっと俺の事避けてたろ? だから普通に話したくてな。けど今はちゃんと話せてるから用事はもういいかな」

「っ! お、お、お…… 」

「お?」


 なんだ?


「思い出させないでよぉぉぉ……」


 そう叫ぶと柚は小さくなってしまった。



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