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用務員さんの同棲相手は学園で聖女と呼ばれる幼馴染みでした。  作者: あゆう亞悠


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【真澄の独白】

雨ですねー。嫌ですねー。

 ボクには姉がいる。

 というより【《《姉がいることを知った》》】が正しいのかもしれない。


 姉の名前は【森口 香澄】歳は八つ離れてる。

 名字がボクの【秋沢】と違うのにはちゃんと理由がある。


 両親は恋愛結婚だったようで、しかも母は美人でスタイルも良く、非常にモテたみたい。それを父がしっかり射止めて結婚して、すぐに姉が産まれたんだって。

 そこまでは普通の家庭だったみたい。


 だけど、姉が産まれてから変わっていったんだって。

 母は元々、恋多き女っていうか恋愛依存体質だったみたいで、父が娘に構うと自分の娘にも嫉妬するようになったとか。


 父もそれを知り、二人に平等に愛情を注いでくれていたみたい。

 だけど母はそれだけでは満足出来なくなり、自分だけを必要としてほしくて浮気を繰り返した。

 その結果が離婚。姉は父が引き取り父の実家へ、母は一人になってからは苗字も旧姓にもどして、祖母のいるこの街に引っ越してきた。

 しかし、離婚後にボクを妊娠していることがわかって祖母以外の誰にも言わずに一人で産むことに。ちなみに父親は浮気相手じゃない。

 その後の母は、離婚が効いたのとボクを一人で育てなくてはならない為に、離婚前のような悪癖はなくなった。

 そしてボクが大きくなった今では、住んでる所の下の階にあるコンビニの雇われ店長をしながら再婚を考えてる人と真剣に付き合っている。


 そしてボクが姉の事や今の状況の理由を知ったのは中学二年の時。

 急に真剣な顔をした母に呼ばれて聞いた話が、実は姉がいるということ。そして離婚の理由。


 黙っているつもりだったみたいだけど、せっかくの姉妹だからちゃんと会わせたくて話したみたい。それから母はいろんなツテを使ってなんとか父と連絡を取って何度も謝罪を繰り返し、ボクと会わせる許可を取ったみたい。


 それから半年程して、なんとか会う日程が決まった。けど、姉は母のことを毛嫌いしているため、ボク一人で父と姉に会うことになった。


 そして約束の日。

 待ち合わせ場所のレストランに向かう。顔もわからないのにどうやって会えば良いのかと思ったけど、席を予約していたみたいで名前を告げるとすぐに案内された。


 二人の待つ席に来て思ったことが二つ。

 それはボクがこの、わりとクールっぽいイケメンな父親似だと言うことと、姉は可愛い感じの母親似だということ。その為、ボクと姉はよく見れば似ている場所はあるけど、タイプが違う為パッと見では姉妹だとは気付かれないと思う。


 対面と挨拶後の食事は、特に何事もなく進んだと思う。

 元々口数の少ないボクに対して、二人は色々と話しかけてくれた。

 特に姉は、妹がいることが相当嬉しかったらしく、ずっと話しっぱなしの構いっぱなしだった。

 少し気圧されはしたけど、二人ともボクが自分の事をボクって言うことも気にしないでいてくれて、それを認めてくれたのは嬉しかった。

 中学ではその事で周囲に距離を取られているから。

 それは高校に入ってからも同じで、だから【私】に変えた。ホントは嫌だったけど。


 別に【ボク】と言ってるからって男の子になりたいとか女の子が好きなわけじゃない。

 ただ、この言い方が好きなだけなのに……。




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