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用務員さんの同棲相手は学園で聖女と呼ばれる幼馴染みでした。  作者: あゆう亞悠


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「ん……だめ……」

おはよーございますっ!


 えーっと結さん? 迷わず向かったってことは、今日は最初から俺のベッドで寝てましたね?


 さて、どうしようか。

 結はもう俺に背を向けて寝てしまった。さすがに一緒に寝るわけにもいかないし、だからと言って俺が結のベッドで寝るわけにもいかない。さっき鍵開けるので起こしてしまったから、また起こすのもな……。


 しょうがないので、俺は押し入れから厚手の毛布とタオルケットを出して、音をたてないようにベッド脇のテーブルをどかすとそこに毛布を敷いた。その上にタオルケット。枕も使われているため、バスタオルを折り畳んで枕かわりにする。

 これでよし。

 寝床の確保が終わってからいつものジャージに着替えて、酒を一缶だけ開ける。つまみは……今度だな。ガサガサうるさくなるし。これ一本だけ飲んだら俺も寝よう。

 ベッドの縁によりかかり、スマホをいじりながらチビチビ飲んでいく。


 と、その時、後ろから白く細い足が俺のすぐ横ににゅっと伸びてきた。


「っ!」


 ゆっくり振り向いて確認すると、どうやら結が寝返りをうったみたいだ。こちらに背中を向けていたはずが今は顔がこっちを向いている。

 スースーと寝息こそ可愛いが、足は投げ出され、布団は壁側に追いやられてしまっていた。更に、パジャマの裾は少しめくれてお腹が見えてしまっている。


 もしかして……結構寝相悪い?

 とりあえず布団かけ直してやるか。腹冷やすとまずいしな。

 そう思って結の向こう側にある布団に手を伸ばす。だが、少し届かずにベッドに手をついてしまう。その時に、ベッドの上に広がっていた結の髪の上に手を置いてしまった為に、少し髪を引っ張る感じになってしまった。


 パチッと結の目が開く。

 その目と俺の目が合う。ちがうぞ? 襲おうなんて思ってないからな!?


「あ、えと、起こしちゃったか?」


 そう語りかけるが、返事はなくジッと俺をみてくるだけ。すると急に結の腕が二本とも伸びてくる。その手は俺の頭をしっかり掴むと、すごい力で自分の胸元に抱き寄せた。


「んぷっ!」


 ものすごく柔らかいものに顔が包まれる。

 これ、ノーブラか!? じゃなくてこれはマズイだろ! なんとか抜け出そうとするが、思ったより結の力が強いのと、あまり動くわけにもいかないのもあってか中々抜け出せない。手を使おうにも、うっかり胸に触ってしまいそうでどうにもこうにも……。

 それでもなんとか頭だけつかって逃げようとするが……


「ん……ダメ……」


 そう言いながら更に強くしがみつかれる。そして更に俺の顔が埋まる。結は寝たままだ。


 ダメだこりゃ。力が弱くなるまで待って、そしたら抜け出そう。それまで耐えてくれ俺の理性。

 だが健闘むなしく、謎の安心感によって俺の意識は薄れていった……。




「おはようございます。晃太さん」


 そんな結の声で意識が覚醒する。いつのまにか寝てたんだな。にしても体が痛い……。

 あぁ、そうか。昨日は床に寝たんだった。体がちゃんと横になってるって事は、途中で結の手から解放されたんだろう。


「あの、ごめんなさい。ベッド使っちゃって」


 声がするほうに顔を向けると、結がベッドの上から顔だけ出していた。


「あぁ、別にいいよ。にしてもなんで俺のベッドで?」


 俺は体を起こしながら尋ねる。


「ちょっと寂しくなっちゃいまして、ベッドに潜ったら晃太さんの匂いに安心して寝ちゃってました……へへ」


 ちょ、おま……それはさすがに照れるわ……。


「そ、そうか……」

「はい。でも晃太さんはなんで床で? 私の部屋のベッド空いてたのに」

「あーそれはなんか……な?」

「残念です。今夜また晃太さんの匂いと一緒に寝れると思ったのに」

「ちょっとそれはハズイから勘弁してくれ……」

「えー、私も恥ずかしいですよ? 目が覚めたら晃太さんってば私の胸を枕にして寝てるんですもん」

「んなっ!? まじか? それは……すまん」

「はい。私はそのままでも良かったんですけど、体勢が辛そうだったのですぐに横にしました。ホントはベッドに上げたかったんですけど、私の力では無理でした」

「そ、そうか……」


 そうか、俺が動いたんじゃなくて動かされていたのか……。


「さ、起きましょうか。もう九時ですし」

「もうそんな時間だったのか」

「はい、私も寝すぎちゃいました」


 結はそう言いながらベッドから立つ。少しパジャマが着崩れていて、目のやり場に困った。

 その事を伝えようとしたその時、俺の方の玄関のベルが鳴った。

 休みの日のこんな早くに誰だ?


 俺も起きてインターホンの通話ボタンを押す。


「はい」

「こっち帰ってきてから全然構ってくれないはくじょーもんのおにぃのとこに可愛い妹が遊びにきたよ! このやろー!」


 え?




なんと!日間ランキングで27にまであがってました!

これもみなさんのおかげ!

ありがとうございます!!

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