ほとんどの大人が、一度は包丁を使用したことがあるのに、人気作家様が包丁の使い勝手を知らないのは、なぜなんだろう?
前回の「炭素鋼」からの刃物の話です。
こんどは、難くせに近い内容だから、倫理規定に反するかな~
いよいよ削除かな~
読者のみなさんに質問ですが、今までに包丁を使用したことが一度もないという方はいますか?
筆者の間違いだったら訂正しますが、ほとんどの方は家庭科の授業等で一度は包丁を手にして野菜等を切ったことがあると思います。
中には自炊生活で毎日使用している方もいると思います。
(筆者は自炊派なので、包丁はよく使用している)
ところがある人気作家様は、包丁をほとんど使用したことがないようなのです。
気づいたのは、ある作品で主人公が動物の解体と取った肉で料理をしている場面の描写に、例のごとく「包丁に関するうんちく」をぶっ込んでいました。
「包丁の中でも、中華包丁は万能だ。切る、叩く、潰すなどあらゆる用途に使用できる」とうんちくを入れながら、動物の解体と調理シーンを書き続けていました。
このうんちくを読んだ筆者の感想は、「中華包丁なんかでよく肉が捌けるもんだ。おそらくこの人気作家様、包丁を使ったことがほとんどないな」でした。
中華包丁は、世界各国の包丁の話で「中華料理は中華包丁一種類で、すべての調理を行っている」という説明がなされることが多いのです。
人気作家様は、この説明をそのまま引用したと推測されるのです。
ですが、実際に中華包丁を持ってみると、すべての調理どころか、野菜を切るだけでも大変だと言うことが分かります。
なぜなら、大きく、重く、かさばる中華包丁は、極めて扱いにくいのです。
中華包丁は広い調理場で男性が使用するのに適しており、手の小さい女性や小柄な男性が中華包丁を扱おうとすると、かさばるため台所での取り回しに苦労するし、重くて野菜を切るのも大変です。
さらに、魚をさばくのに極めて不便です。
魚をさばくためには、刀身の先端が鋭角にとがっていないと、骨と肉の間にうまく刃が入っていかないのです。
中華包丁でもできないことはないですが、かなりの熟練が必要になると思います。
日本では、魚をさばくのに出刃包丁を使用することが多いようです。
動物の解体も、骨と肉を切り分けるために、先端がとがった形状のナイフが使い勝手がよいはずです。
中華包丁が「万能包丁」でないことは、包丁はほとんど使ったことがないという読者の方でも簡単に確認できます。
近くの大きなスーパーやDIY店に出かけて、包丁の販売コーナーに陳列されている品物を確認するだけです。
もし、中華包丁が誰もが使いやすい「万能包丁」ならば、どこのスーパーでも販売しているはずです。ですが、実際は陳列されている店がほとんどありません。
日常、包丁を扱っていなくても、スーパの品揃えでどの包丁が使いやすいのか簡単に確認できます。
(スーパーは売れる商品しか置かない)
ましてや、週に一回程度でも包丁を使用していると、どのような包丁が使いやすいかすぐ理解できます。
大きく重く取り回しに苦労する中華包丁は欲しいとは誰も思いません。
(大きいため、台所に設置されてる「包丁置き場(かけ場?)」におけない欠点もある)
さんざん、人気作家様をけなしてきましたが、では、この人気作家様はどのような包丁を主人公に持たせれば、筆者のようなアホな批判屋の矛先をかわすことができたのか?
それは、主人公に牛刀か三徳包丁(文化包丁)を持たせればよかったのです。
日本人が一番使いやすいのは三徳包丁ですが、市販品は刃渡り180mm程度が最大の大きさなので、鹿などの動物解体にはあまり向いていません。
動物解体をさせる設定ならば、牛刀の方が適しています。牛刀の刃渡りは180mmが最小で、ネットショップ等で販売されている主要サイズは、210~300mm程度のものが多いです。
(300mmを超えると長すぎて扱いにくい)
実際、世界各国のさまざまな包丁を使ってきた料理研究家の著書には、「いろんな包丁の中で、どれか一本だけ選ぶとすれば、牛刀を選ぶ」とも書いてありました。
余談ですが、筆者が持っている「穴あき万能包丁」も刀身の形状を見ると、牛刀と似た形状なのです。
「穴あき万能包丁」は、先端が丸いので、魚をさばく作業はややしづらいのですが、それ以外では、野菜や肉も簡単に切れます。
(もちろん、切れ味の維持のため、時々研いでいます)
結論を言うと、人気作家様が包丁を日常的に使っていれば、中華包丁万能論を疑っていたはずなのですが、使ってなかったため、ネットや本の情報に振り回されて、トンデモうんちくを披露してしまったと思われます。
ホント、だれかこの人気作家様の考証担当をしれくれませんか?
削除されなければ、
内燃機関の話か銃の話、それとも刃物の話、一体どれを書こうかな~