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専門知識をもとに書いてあると思い読んでいたが、基本情報から間違いだった事に気づいてしまった。

う~ん、今回はかなり突っ込んで書いたから、例の作者様が運営に通報するかも知れない。


削除されるのかな~。


 前回取り上げた日本の石油史に関するエッセイですが、このエッセイに書かれている基本的な情報も間違いまたは勘違いが極めて多いことに気づきました。


 最初は、「こんな説もあるのかな?」と思っていたのですが、ある程度読み進めると「どこで入手したんだこんな珍説?」という内容が


 きっかけは、このエッセイを読む前に「太平洋戦争終戦までの石油行政」書かれている書籍を入手したことでした。


 内容はうんちく系エッセイとまったく違うことが書いてあり、どちらが信用できるのか疑問におもい、図書館に行って「大正から昭和の石油行政」「旧陸海軍と石油」とに関する本を探して何冊も読みました。


 読み比べた結果、うんちく系エッセイの情報はテキトーな情報(ネットか誰かのほら話)を基に作者様の妄想を加えたものだと判断しました。


 問題点を作者様に指摘すると、プライドを傷つけられた作者様が逆上して、「誹謗中傷を行う輩」と運営に通報されるだろうから、感想欄やレビューに書き込むことはやめました。


 それでは、どのようなところが問題なのか。例を挙げてみましょう。


 たとえば、「日本はきちんと石油の代金を支払うから、メジャーの王立貝殻は日本を信用していた」という話ですが、 王立貝殻は「王立」と「貝殻」が合併するとき、「王立」の経営者が経営主導権を持つことになりました。


 この経営者は「利益が見込めるなら、誰にでも売る」という方針だと書かれていました。ということは、日本どころかナチスドイツにも石油を売りかねない会社にだったと言うことです。

 ちなみにうんちく系エッセイ作者様は、「貝殻」経営者が経営主導権を持っていると誤解される記述です。


 それだけでなく、「王立貝殻は民需用限定で石油製品を日本に販売していた」「イギリス船籍だからアメリカ軍も攻撃できなかった」などと書いていますが、太平洋戦争の勃発で日本とイギリスは交戦状態になっています。交戦国に戦略物資を運ぶ船舶は、問答無用で拿捕されます。逃げれば撃沈されてしまいます。

 日本の軍部も民間が石油を保有していれば戦争遂行のために徴発するでしょう。

(戦前、日本陸軍は商工省保有の石油を自分たちのものにした事実がある)


 うんちく系エッセイの作者様が主張するような脳天気なことを、冷徹なアメリカ海軍が許すはずがありません。


 さらに、昭和二十年八月十六日に占守島の近くに「王立貝殻」のタンカーが停泊していたと書いていますが、日本軍が「自衛を含む戦闘停止命令」を各部隊に通達したのが八月二十二日なので、この時期に外国籍のタンカーが日本近海に浮いているなどと言うことはありえないのです。

 

 一般には終戦が八月十五日と思われているが、この日はポツダム宣言の受諾を発表しただけであって、日本軍の自衛的戦闘は樺太や満州で継続されていた。

 占守島に至っては、開戦が八月十七日と完全にソビエトの侵略行為である。

 

 なお、日本が降伏文書に調印した九月二日が、第二次世界大戦の終結した日と国際社会では認識されている。


 しかし、王立貝殻のタンカーは、よくアメリカ潜水艦の攻撃を振り切ったもんだ。うんちく系エッセイの作者様の精神力(大和魂)で突破できたのかな?


 ましてや、100オクタンのガソリンや高品質の潤滑油を大量に積んでいるなら、第5軍(北海道、千島、樺太防衛を担当)や陸軍省が本土までの移送を命じるでしょう

 

 ほかにも、「日本陸軍は日中戦争当初高オクタンのガソリンを大量に用意していた」と書いていますが、これは、高速爆撃機の迎撃用にやむを得ず、アメリカ購入からしていただけの話です。


 陸軍が石油の重要性に気づいたのは大正十四年の「航空兵力の整備」計画以降であり、昭和15年当時の燃料局(商工省外局)の回想録では「陸軍は燃料の「ね」の字も知らない。サーベルをガチャつかせるだけ」と揶揄しており、うんちく系エッセイの作者様が書いていることと全く逆のことが書いてある資料が次々と見つかりました。


 日章丸事件もイギリスの中東支配を快く思わない国が裏で動いたから、うまくいったという話であって、出光興産が持ったイランの石油購入権益は、イランの政権を転覆させるという禁じ手で潰したということです。


でたらめな情報が多すぎて、これ以上あげつらうのはめんどくさいので、このくらいでやめておきます。


 一応断っておきますが、筆者が見つけた資料は、総合商社石油部門の元部長クラスや、エネルギー総合推進委員会の元職員など、私やうんちく系エッセイの作者様と違い、良質の資料を閲覧できる立場の方なんですよね。


 うんちく系エッセイの作者様は、どこから珍説を聞いたのでしょうね?

 なんちゃらライター、自称石油アナリスト、自称軍事アナリストあたりかな?

 

 この作者様は家柄自慢とテキトーな情報を、「らしい」文章にまとめることしか考えていないようです。

 (家柄自慢だけは一流で、先祖は藤原北家の○○流だそうな)


 いちばんかわいそうなのは、感想欄に「今回も濃い情報を教えていただきありがとうございました」「すごい情報ですね」などととかいている、読者たちですね。

 

 とまあ、一通り書いてみました。


 ここまで読まれた方は、「なろう」に書かれている情報は一度疑ってみましょうね。

 小説の考証もいい加減な作品が多いですし。

 うっかり信じると大変ですよ。


あの作者様の別のエッセイに、「大麦酵母」なる謎微生物の特許のことが書いてあったので、「特許番号を教えてください、特許庁のサイトで検索して調べます」と書いたら、シカトされましたね。


もし、削除されていなければ、なろう小説と考証の問題も書いていこうと思います。


肥薩スペシャルのD51の話は先になりそうです。

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