第2話 勇者の復活
題名からネタバレしている気がする。
前回を呼んでない人向けに1行でわかるあらすじ
勇者を殺しました。
「勇者よ。死ぬ定めではありません」
美しき女神は祈りを捧げる。
すると、何もない空間から雫が落ちて、落ちた場所から波紋が広がり、光が集束する。
光が消えると同時に、数分前に無残な死に方をした勇者たちが現れる。
「……俺は死んだのか。そして、また……あいつに負けたのか」
「はい」
慈愛の笑みを浮かべ女神は答える。
「……そうか」
勇者は悔しそうに下を向いた。どうやって殺されたか覚えてない。ただ、ぼんやりと無残に殺された記憶と憎しみだけが残っていた。
それは女神による意図的による記憶の操作である。
そして、勇者に寄り添う美女たち。彼女たちは女神の血から生まれた者たちである。出自はどうであれ、勇者たちに寄り添うように作られた女神の駒である。
「力を欲するならば、失われた都“エデルス”を探しなさい」
女神の言うことに勇者は決意を秘めた瞳でこう言う。
「ああ、こんどこそ。あいつに勝ってやる。どうして、同じ世界から来たのに」
「……あなた達に、幸あれ。さぁ、行きなさい」
「はい」
勇者は、一例すると仲間とともに失われた都“エデルス”へと向かう。そこにある力が何なのかを知らずに……。
女神は、勇者たちを慈愛な笑みで見送る。だが、真実を知るものはいない。女神の意思によって、狂わされる運命に、誰も気が付くことはない。一部の例外を除き。それを知る者はいないのであった。
読んでいただき、ありがとうございます。