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ダンジョンの歌姫  作者: アン
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二十曲目 森の終わり

アルケットがここを去って何日、何週間、何ヶ月………

どれだけ経ったかは私には分からない。


周囲の景色があまり変わらないからな。

日の光をふさぐ曇天。

周囲は荒地の広場。

昼か夜かも分からない。

時間の感覚が麻痺するのは当然だ。


常に曇り空な上を眺めながら今も森の開拓を進める。

ダンジョンを広げ、広げた際に折れた樹々や草、石、なにもかもをDPに変換し、さらにダンジョンを広げる。


すでに地平線までが荒地の広場へと変わった。

心のどこかでこの世界も地球のように丸い星なんだと思った。

ゾンビも様々な奴が広場に入っては(サタン)が倒している。


能力値は上がるし少量ではあるがDPも増える。


しかし、あのソウルイーターとやらを筆頭に魔物を見かけない。

アルケットのような人もまだ見かけない。


SPが回復すれば歌を歌った。

複数のスキルを同時に使うため、前よりも少ない数しか歌えていないが歌の出来は素晴らしいの一言だ。

この頃はスキルが音響設備のような物に感じる。


しかし、スキルを使わねば歌を歌えない事には不便だと感じてはいる。

早く口に関するパーツが欲しいものだ。


この世界での歌による影響も少しづつだが把握できてきた。


そして、私が歌を歌いながら分析した結果、ある事が推測できた。


それは地球の時よりも過激に、過剰に影響を与える歌が多い。

これは地球に存在しないであろう魔力というエネルギーが関係しているのではないかという推測。


しかし、地球では多くの歌をハミングでしか歌っていなかったからはっきりと断言する事はできない。


それでも数は少ないが地球で歌を本気で歌った事はあるにはあるのだ。


多くは動揺だが。

幼い頃に動揺を口ずさんでいたからな。


もしくは激昂した私が敵意を持って歌った時だな。

人を悪魔だの、邪神だのと罵倒して来た神父に地獄に関係した歌を歌った時が最初だったか。


最後に能力を人に向けたのは正当防衛の時だ。

銃を突きつけられたのだからひ弱なお嬢様が自身の持てる力で反撃したのだ。

正当防衛が通用するだろう。


なんやかんや遭った後。

結果、首を斬られて殺されたのだが。


話を戻すとしてだ。

例えば動揺の『森のくまさん』。

地球では途中までしか歌わなかったが歌うと白い貝殻のイヤリングを持ったクマの人形が出るだけだった。


しかし、この世界では違った。


全ての歌を歌うと広場は樹々が生え、耳に白いイヤリングをした大きいクマが二本立ちで現れた。


クマは雄叫びをあげようとしてたのか口を開けようとしていたが(サタン)がクマの鼻を殴り、そのまま殴り飛ばした。

もちろん、もうDPに変わっている。


そう、生命さえも私は創り出せた。

それは神の領域だとあの神父も叫んでいたがようやく、理解できた。


植物をどこからともなく生やしているのだからこの話もいまさらかもしれないが。


お、樹が少なくなってきてるな。

森もそろそろ終わりか。


すぐ近くに町があるといいのだがな。


森が開けたという事はこれ以上、ダンジョンを広げるにはDPが足りなくなるという事か。


ならばこの際、新たなスキル、アビリティを得るとしよう。

SPの最大量を増やしても良いかもしれない。


それと、最近になって知ったことなのだが、DPを消費すればSPを完全に回復する事ができる。


未だにやった事はないがいつかはするだろう。


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