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ダンジョンの歌姫  作者: アン
1/32

零曲目 奇跡を

『ダンジョンの歌姫』


楽しんで下さい。

むかし むかし


ひと の じだい より も むかし


かみ さま の じだい が あり ました


かみ さま たち は たくさん の


きせき を つかい ました


あるひ ひとり の かみ さま が いい ました


「きせき に つかう ちから が たりない」


ほか の かみ さま は あわて ました


べんり な きせき が つかえ なくなる と


かみ さま たち が こまる から です


そこ で ある かみ さま が かんがえ ました


ある きせき を つかい きせき に つかう


ちから を ふやそう と かんがえ ました


その きせき は せいこう しました


きせき に つかう ちから が ふえ ました


ほか の かみ さま も まね しました


そして その きせき は おおく の


かみ さま が つかい ました


また きせき を じゆう に


つかえる よう に なりました


しかし その きせき には ある もの を


ぎせい に して いました


かみ さま たち が き が ついた とき には


ておくれ でした


かみ さま の じだい は おわり ました


* * * * * * * * * * *


「くそっ!


またあいつの手駒に王を落とされちまった!


くそっくそっくそっ!!!


どれだけ強くしても王を落とされちまう!


最高に最悪な手を使ったのに!


あいつに、あいつには・・・


・・・ニィ!


なら、また作ればいい!

いや、新たに作ろう!


邪法を使えば形勢逆転だ!

俺の全力をぶち込んでやるっ!!


は、はは、はははははは!!!」


* * * * * * * * * * *


「やっと、倒せましたか。

段々と敵も強くなってきていますね。


彼は・・・もう戦えないでしょう。

時間がかかり過ぎました。


新たに育てるには時間が足りません。

私の力も尽きてしまいそうです。


これではジリ貧でしょうか?


・・・彼を止めるには禁断の手を使う他なさそうです。


私の全てを注げば、彼らでも彼を止められるでしょうか?


・・・信じるしかありませんか。


私が再び目覚めた時、彼が止まっていれば良いのですが・・・」


* * * * * * * * * * *


・・・

・・・・・・

・・・・・・・・・!?


ここは、どこなの!?


なんで私はこんな暗い場所に居るの!?


私は、私は・・・そっか。


私、死んじゃったんだっけ。


思い出した。


私は、変態に捕まって、そして・・・


首を切られた。


目の前に私の血が飛び散ってた。


気持ち悪い変態の顔が真っ赤に染まってた。


あぁ、私。


最後に一度だけでも良い。


思いっきり声を出して、歌いたかったな。


自由に、声高らかに、気持ちの良い歌を歌いたかったな。


あぁ、最後にそんな風に歌ったのって、いつだったかな?


自分の事なのに、思い出せないや。


あれ?


それじゃあ、今の私って、何?


変態に殺されたのは確実だもんね。


幽霊にでもなっちゃったかな?


幽霊って、結っ構しっかりと意識があるんだね。


あまり、知りたくなかったな。


・・・歌いたいな。


幽霊になったとしても、やっぱり私は歌いたい!


私は、歌いたいんだ!

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