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KIDS! ~小学生達の道草異世界冒険譚~  作者: あぎょう
クエスト2 デカチョーの冒険
33/196

 ある夏の日。夕焼け空の下。


 制服を着た一人の少年と幼女が、公園で遊んでいた。


 二人は汗を流しながら、砂場で砂の城を作っていた。


 1メートルほどの高さの巨大な砂の城。


 背の高い少年がバケツ一杯の砂を上からかぶせて、幼女が腰を落とし、もう一つのバケツにスコップで砂を積める。


 その時。幼女が泣き出した。


 顔をしかめて目をゴシゴシとこすり始める。どうやら、少年がかぶせた砂が目に入ったらしい。


 少年は手を止めて、幼女に目線を合わせてしゃがみこむと、


 ニコリとほほえんで、言い放つ。


「---------------」


 幼女の涙が、止まった。


 少年は遠くの水飲み場の方を指差して、砂を洗い落とすよう指示する。

 

 幼女は小さく頷くと立ち上がり、タタタッと小刻みなステップで走り始めた。


 ほんの一分。


 その間はほんの一分ほどだった。


 幼女が水飲み場の蛇口をひねって、目を潤わせ、ようやく異物感がなくなったその間。



 少年は忽然と姿を消した。



 幼女は立ち尽くす。


 不思議そうに辺りをキョロキョロと見回すが、影も形も見当たらなかった。


「……兄ちゃん?」


 返事を期待して幼女はつぶやくが、その願いは叶うことはなかった。


 ひぐらしの鳴き声だけが、いつまでも耳に残った。



 これが、彼女の冒険の始まり。


<<<<<<<<<<クエスト2:デカチョーの冒険>>>>>>>>>>

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