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KIDS! ~小学生達の道草異世界冒険譚~  作者: あぎょう
クエスト1 ナニワの冒険
3/196

其の二 VS熊もどき


「……みんな、心配してるやろなぁ……」


 ナニワは木陰で用を足しながら、ため息まじりにそう呟いた。習得した大阪弁はすでに体の一部のようになっていて、一人言であっても口調は変わらなかった。

 ちなみに、彼にとって、無断外泊も野宿も、立ちションさえ初めての経験である。


「帰ったら、母ちゃんにめっちゃ怒られるで。これ」


 肩を落としてジーパンを履きなおし、洞窟へ戻ろうとする。

 その時である。

 草の中でなにかがキラリと輝くのが見えた。


「ん?」


 気になったナニワは近づいてしゃがむ。よく見ると、うすい青色がかかった小さな石が土に埋まっていた。指でつまんで持ち上げると簡単に取れた。

 それは親指大の綺麗な石だった。

 コンマのような形で、穴があいている。表面が滑らかに加工されているようだった。

 それは、ある民芸品のひとつだった。


「これ……もしかして、勾玉っちゅうやつか。なんでこないなとこに?」


 ナニワが怪訝な顔を浮かべる。


「そういや母ちゃん、光りものすきやったなぁ。機嫌直しのために持ってくか。たぶん無理やろうけど……」


 ナニワはこびりついた土を手で払うと、パーカーのポケットに入れ、洞窟の方へ戻った。

 そこには、ジュウの姿があった。

 焚火の用意を済まし、ライターで火をつける所だった。朝食の調達に言っていたらしい。


「よ! 良く眠れたか?」

「……どーでもええけど、それ食えるんか?」


 ナニワは、ジュウが串に刺そうとしている魚や、きのこを指差して言った。

 魚は、昨日食べたものとはまた違う、珍妙なものだった。完全な球に近い形で、小さい背びれや尾びれが見えることで魚と認識できるほどだった。

 きのこの笠は逆に反り返っていて、芯の先から細長い触手のようなものが生えていた。赤や紫といった危険色で彩られている。


「ここに通いながらいろんなもん、片っぱしから試し食いした中で、コレはぜってーうめーと思うぞ! まぁ毒っぽいの食って死にかけたこともあったけどな。ナハハハッ!」


 あきれて言葉が出なかった。

 焼き始めて数分、信じられないことに、魚やきのこからおいしそうな香りが出てきた。それに呼応するかのように、ナニワの腹からぐぅ~という大きな音が鳴る。


「昨日何も食ってねぇからだろ。ほら食えよ」


 と、ジュウは球状の魚をナニワの口元に突き出した。しかし、いくら香ばしい香りをだそうとも、そのグロテスクな形がナニワの食欲を鈍らせる。


「……いや俺は----」

「無理すんなって!」


 躊躇しているのも関わらず、ジュウはナニワの口に無理やり魚を押しこんだ。


「うぐっ……!!」


 思わず噛み出す。すると


「 !!……めっさうまいやん! ハンバーグみたいや!」


 ナニワはジュウの方を向き、目を見開いた。


「だろぉ !!」


 ジュウも魚を丸ごと口の中に放り込む。気がつくと、ナニワも夢中になって食べ始めていた。

 全て食べ終わると、ジュウはすぐに火を消し、ランドセルを背負った。


「よぉし! 帰るぞぉ !!」


 元気よく号令をかけると、ジュウは洞窟を出て、ズンズンと森の奥へ進む。


「ちょっ……待てや!」


 ナニワが急いで後を追いかけた。


「帰るて、道分かんのやろなぁ?」


 歩きながら、ジュウに尋ねる。


「4年も通ってんだぜ。オレにとって庭のようなもんだぞ。楽勝だよ。それに、一応街のど真ん中だし、どこをまっすぐ行っても麓につくだろ?」

「そ、それもそうやけど、なるべく安全で、近い道頼むで」


 ナニワは、化け物に追いかけられた昨日の恐怖が脳裏に蘇る。

 今はまず、生きて家に帰ることをなにより望んでいた。

 しかし、


「んー。でもよー。ここまっすぐ行くと面白いもん見れるぞ! ちょっとだけ行ってみねぇか?」


 目を輝かせて、そんなことを言うジュウに対し、ナニワの顔がみるみる赤くなる。


「いらんわ余計なお世話! 俺早くうちに帰りたいねん!分かるやろ! またあのバケモノと出くわすのゴメンやで!」


 半泣き状態で訴えるが、のれんに腕押しと言った感じでジュウは相変わらずの対応。


「ナハハハッ! 会えばまた面白いけどなぁ。まぁ心配すんなよ。あんなの一匹だけだし、この広い山の中で会うことなんてめったにねぇよ!」


 と、ジュウが地面からせり出した木の根っこを飛び越えながら言う。

 ナニワはしかめ面をしながらも、しぶしぶ後をついていくことしかできない。周囲を見回しながら、歩を進めることにした。

 よく見ると、奇妙・珍妙な生物がたくさんいることに気付いた。

 腕が何十本もある犬らしき生物や、翼が生えたカメレオン。羽が四つある、超音波のような鳴き声の鳥など、その種類はさまざまだった。改めてここが異様であることを認識し、昨日の出来事が夢でないことを再確認させられた。

 やがて、細長い木が乱立する大きな急坂に出た。坂の下り先は高さ100メートル程の崖になっていて、その下に森が広がっていた。二人側から見ると左側が崖となる。


「よし、この坂登るぞ」


 とジュウが軽快なステップで登り始める。


「はぁ…はぁ…まっすぐ行くんと……ちゃうんか? 右折してまうで?」


 息を切らしながらナニワが話しかける。ジュウのあまりの歩調の速さに、ついていくのがやっとだった。


「念のためにな。少しでも高い所歩いた方が安全なんだ」

「?」


 ナニワは疑問に思いながらも問い返す元気もなく、黙って登ることにした。

 坂はかなり広く、頂上は100メートル以上先。二人の背後50メートル後ろに崖があった。転がり落ちれば、まず助からない。


「はぁ、はぁ……おい、ちょい待ってや」


 ついていくのも限界になったナニワが前上方を歩くジュウを呼びとめた。ジュウが体ごと方向転換。ナニワの方へ振り向く。


「ナハハハッ! わりぃわりぃ。つい加減を-----」


 その時。ナニワの視線がジュウの頭の後ろに集中する。

 顔が青ざめる。

 異変を感じ、ジュウが素早く前方に向き直した。


 あのバケモノが、坂を下りながら、二人の方へ向って猛進していた。


 “ゴォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォ !!”


「ぎゃぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ !!」


 全身を震わせるほどの、バケモノの咆哮がつんざく。同時に、咆哮に負けないくらいのナニワの絶叫が響いた。

 ジュウはバックステップで素早くナニワの横に戻った。バケモノは長い両腕を地面にたたきつけて、その反動で跳ぶように移動していた。

 1回あたりで十メートル以上の前進。二人との距離をみるみる縮めていく。さすがのジュウも額に冷や汗を流していた。


「ほんとに会っちまったな。ナニワ! 通り抜けるぞ!」

「はぁ !? な、なに言うとんねん !! あれに立ち向かえっちゅうんか! に、逃げなあかんやろ!」


 ナニワの声と体が異常なほど震える。ジュウはそれを抑えるかのようにナニワの左腕をしっかりと掴んだ。


「大丈夫。オレを信じろ」

「…………っ!」


 自信に満ちたジュウのまなざしに、息をのむナニワ。

 そして、ジュウは化け物に対して左斜め前方へ走りだした。

 ナニワがむりやり引っ張られながら走る。

 二人が化け物のリーチの範囲に入った。化け物は左腕を広げ、大きく横なぐり。


 “ゴガァァァ !!”


「うわぁぁぁぁぁ!!」


 ナニワは涙を滝のように流し叫ぶ。二人の目の前に化け物の鋭い爪が襲いかかろうとしていた。

 次の瞬間。ジュウは素早く腰をかがめ、それにつられてナニワがうつぶせに倒れた。

 結果。化け物の爪はぎりぎり二人の頭上をかすめた。爪の先がジュウのシャツを切り裂き、布片が宙を舞う。

 バケモノはそのまま勢い余って、数十メートル坂下に転がった。


 “グゥゥゥ!”


 バケモノは倒れ、低いうめき声を唸らせる。


「よし。もう大丈夫だ」


 ジュウがナニワの手を取って立ちあがらせた。


「だめや! 追ってくるであいつ!」


 ナニワがおびえて、化け物を見下ろす。


「いや、見てみろ」


 化け物は体を向きなおし、坂を登ろうとするが、なぜかあまり進まず、人並み程度の歩行速度でしか進まなかった。


「? どうなってるんや?」

「長い両腕が坂を登るのに邪魔になってるんだ。腕を叩きつけても両足が少ししか浮かないからな」


 ジュウの言うとおり、化け物は何度も地面に両腕を叩きつけるが、地面にくぼみを作らせるだけで、あまり効果がないように見えた。


「おまえ、これを見とおして、この坂登ろ言うたんか」


 ナニワが感心して、ジュウの方へ振り向く。


「何度も逃げるうちにな。気付いたんだ」


 こんな命の危機を何回も体験している事を想像して、思わず顔を引きつらせる。

 ともかく、窮地は脱したらしい。


「そ、そうか。とにかく、これでひと安心やな。さぁ逃げるで!」


 と、ナニワが先頭に、坂を上り始める。

 しかし、追ってくるはずのジュウの足音が聞こえない。不審に思い後ろを振り向いた。

 そこにジュウの姿はなかった。


「 !? ジュウ !!」


 走り出してから振り返るまでほんの数秒。わずかな間に忽然と姿を消したのである。

 大きな不安に襲われるナニワ。必死に辺りを見回すと、


「ナニワァ!」


 ジュウの大声。すぐさまその方向を振り向く。


 化け物の真上。木の枝の上に、彼は立っていた。


 卒倒しそうになるナニワ。


「な、なにしとんのや! おまえ !! ちゅうか、いつのまにそないな所へ!」


 信じられないことに、走りだして数秒のうちに、ジュウは化け物の真上へ移動したのだ。

 ジュウはニヤリと笑い返して、言い放った。


「このまま帰ったら、親とかにこっぴどく叱られるだろ? 機嫌取りのために、土産もってこーかと思ってよ!」


 化け物はあいかわらず坂登りにもたついていたものの、確実に近づいてきている。

 心臓が激しく早鐘のように打ち続ける中、とどめをさすかのような衝撃の一言をジュウが言い放つ。


「この熊! 生け捕りにする! んでもって、町のみんなに見せてやる !!」


 その言葉に、ナニワは目を見開き、口をあんぐりと大きく開けた。

 耳を疑った。


「あ……あ……あほかぁぁぁ !! なに言うとんねん!」


 ナニワは目を飛び出さんばかりの顔。それでもジュウは活き活きした表情で、


「それに、こいつから逃げるのにも飽きたしな! ここでケリつけるんだ!」


 そう宣言すると、ジュウはビシッとナニワを指差し、さらに言い放つ。


「いいかナニワ! よぉく覚えとけ! 俺は、俺の冒険に何が立ちふさがろうとも、必ず乗り越える! どんな奴にも俺の冒険の邪魔はさせねぇ! 『化け物熊もどき』が相手だろうと-----」


 枝の上から勢いよく飛び降りて



「俺の冒険は !! 終わらねぇ !!」



 ジュウが右足を大きく振りあげ、踵を化け物にむけて振りおろした。

 しかし、飛び降りた瞬間。


 “! ……グアゥ!”


 化け物がジュウの存在に気付いた。

 鋭い眼光を上に向ける。大きく長い左腕が再びジュウを襲った。


「ジュウ !!」


 思わず叫ぶナニワ。次の瞬間。

 化け物の左腕と、ジュウの踵が激突した。


「!! うわ !!」


 ジュウが大きく吹き飛ばされ、化け物の10メートル横の地面に叩きつけられた。

 しかし、


「ぐぉぉぉぉぉぉぉぉ !!」


 踵落としの効果はあったらしく、化け物は左腕を振り回し、激しく悶えた。

 ジュウは起き上がり体勢を整えようとする。その間、化け物は激痛に耐えながら怒り狂い、ジュウに向かい襲いかかった。

 ジュウの位置は化け物の真横。長い腕は邪魔にならない。


 -----やられる !!


 ナニワがそう直感した瞬間。


「う……うわぁぁぁぁぁぁぁぁぁ !!」


 気づいたら吼えて、身体が動いていた。

 震える足を踏み出し、痙攣する顎を無理やり抑えるように噛み締めて。

 がむしゃらに、考えなしに、化け物に向かっていった。

 自分は普通の小学生。特になにができるわけでもない。しかし、目の前の人間を見捨てられるはずもない。

 -----あいつは悪くない。自分の好きなように生きてるだけや。そうや。なにが悪い。巻き込んでもええやないか。巻き込まれてもええやないか。危険な目にあっても一緒に乗り越えればええやないか。だって----- 

 

(「絶交でもいいけどさ、安心しろよ。絶対俺がおまえを家に帰すからさ」)


 -----それが、友達や !!   


「うわぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ !!」


 恐怖をかき消すように、声の限りに叫ぶ。

 重力を後押しに、転ぶような形で駆ける。10メートルくらい接近したところで、

 バケモノがナニワの方を振り向いた。


「ナニワァ! 無茶だ! 戻れ!!」


 ジュウが必死に声を張るが、ナニワの耳には入らない。彼には目の前の敵しか見えていなかった。

 化け物が目標を変更。向かってくる敵の方を向き、左腕を後ろに大きく回す。まるでピッチャーが振りかぶるように、その腕が遠心力を纏って振り回される。

 軌道は完璧。ナニワの頭を捕らえていた。

 しかし、ナニワはもう前さえ見ていない。目を固くつぶっている。激突覚悟で走り抜けるつもりだ。

 鋭い爪は目の前。

 その時だった。


 “グゴゥゥ !?”


 左腕に激痛が走ったのか、バケモノは悲痛なうめき声をあげた。

 そして幸運にも、腕の軌道が外れて、ナニワの頭上スレスレをかすった。

 次の瞬間。


「だぁぁぁぁ !!」


 ナニワの体が激突する。

 バケモノの体重に比べれば、なんてことない激突。

 しかし、体勢を崩したことがあってか、化け物の体が後ろに傾き、足が地面から離れる。

 ドスッ! ドスッ!と鈍い音を立てながら、坂下へ転げ落ちていった。

 だが、それはナニワも同じことだった。

 化け物に続いて、体を打ちつけられながら坂を転がる。

 その先は断崖絶壁。落ちたらまず助からない。

 崖の手前、先に化け物が落ちる。


 “グォォォォォォォォォォォォォォォォォ !!”


 恐怖の断末魔が山中に響いた。

 その直後。

 ナニワはなす術もなく、崖から体が放り出された。

 空中を漂う一瞬の浮遊感。自分の背中の後ろに、断崖絶壁が広がるのを理解して、


(し……死ぬ………?)


 とっさに思って、恐怖する間もなく。落ち始める。

 だが、次の瞬間。

 首が強く絞められたかと思うと、急激な力で引っ張られる感覚が襲った。


「 !?」


 ナニワの視界が急旋回する。首も絞められて一瞬、意識が飛ぶ。何が起こったのかわからなかった。

 続いて乱暴に地面にたたきつけられる。素早く姿勢を立ちなおし、崖の方に向き直る。

 彼の視界に飛び込んだのは、ジュウの姿。


 目の前の空中。そこで、前のめりに、ジュウが崖に飛び出していた。


 ナニワは直感した。

 ジュウは全力でナニワの後を追うと、パーカーのフードを掴んで、坂の上へ放り投げたのだ。

 しかし、その反動を受けきれるはずもなく、坂の駆け下りによる足の加速を止められるはずもなく、ジュウの体はそのまま崖に放り出された。

 そして、百分の一秒にも満たない間、ナニワは確かに見た。


 空中に放り出されたジュウがこちらを向いて、にっこりと微笑んだことを。


「! ジュウ !!」


 ジュウが視界から消える。ナニワが急いで崖下を覗いた。

 しかし、すでに彼の姿は、そこになかった。


「ジュウ! ジュウウウウウウウゥゥゥ !!」


 ナニワは喉がやぶけんばかりに叫ぶが、ただ化け物の咆哮のこだまが残るだけだった。

 ビュウウゥゥ……と風が一陣、吹き抜ける。

 ナニワは体をワナワナと震わせ、唇を噛み締めて。


「……ちくしょおぉぉぉぉぉ !!」


 右腕を大きく地面にたたきつける。


「俺はアホや! あいつの苦しみに気付かんと、ただ傷つくのを恐れて、絶交やなんて! 冒険好きでええやないか……あんないいやつを……俺は……!」


 額を地面にこすりつける。瞳には大粒の涙が浮かんでいた。


(「絶対俺がおまえを家に帰すからさ」)


 止まらない後悔の念。その言葉がナニワの頭の中にこだまする。

 その言葉に偽りはなかった。

 まさしくジュウは、命を投げ出してまで。   


「ジュウ……」


 誰に言うのでもなく、つぶやくナニワ

 その時。


「------------」

「……ん? なんや?」


 耳をすますと、それは崖下から聞こえてくる。

 ナニワはハッと顔を上げると、慌てて再び崖下を覗く。

 それは激しい風切り音と、単調な叫び。その音がだんだんと近づいていた。

 そこには


「ぃぃぃいいいやっっっほぉぉぉぉぉ !!」


 両腕をつきあげながら、すさまじい速さで飛んでくるジュウの姿があった


「 !! ジュウ!」


 驚きと歓喜の混ざるような声と感情。

 ジュウはみるみる接近し、ナニワの頭上まで飛ぶと、両腕を左右に突き出し、器械体操のようなポーズでナニワの横に着地した。

 ニカッと、白い歯をのぞかせて笑うジュウ。ナニワがそれを見て目を見開き、驚いた表情で向かい合った。

 そして、


「…プッ」

「ナハハッ…」

「「ハハハハハハハハハハハ!!」」


 緊張感が解けたからか、なんとなくおかしかったのか、口を大きくあけて、大声で笑い合った。坂の上に仰向けに寝転がりさっきまで死にかけたのが嘘のように、陽気に笑い続けた。

 まるで、どこにでもいる友達のように、笑った。


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