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第七話

評価とお気に入りきたけど感想が来ないぜえええええ

「そんなバカな...」


私、雷鳴の金姫ことアリスは驚愕の表情が離れなかった。


吸血鬼の天才児としてこの世に生を受けた私は、特別な力V遺伝子のAランクの力を手にしていた。


その能力は「雷を操る能力」


この能力で、あらゆる敵をなぎ倒し、姫の位にまで登りつめた。


雷を操るがゆえ、敵などまるでいなかった。


なのにも関わらず...


「なぜこの男には雷が効かないんですかぁ!」


出力最大、人間の致死量をはるかに越える電圧で攻撃しても目の前の青年は顔色ひとつ変えてくれない。


「さあ、終わりにしようぜ。姫さん?」


とうとう、敵は私とゼロ距離まで接近していた。


敵のワンパンチだけで私は意識が途切れた。






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「はあ!?」


ずがががん! と、爆音を立てながら、敵は壁にのめりこんだ。


俺は軽い気持ちでパンチしたはずなのに、オーバーリアクション過ぎではないだろうか...


「凄い...八条くん、あの姫を相手に一撃で...」


姫野さんが尊敬のまなざしで俺を見ている。


「いや、能力の相性が良かっただけだと思いますが...?」


実際そうであろう。


雷を操るという能力の性質上、ある意味俺が天敵だったのかもしれない。


「それにワンパンチであの威力...1000倍の威力と拳の硬度でここまでパンチの威力が上がるんですね...」


「ああ、俺も驚いていますよ...」


敵は、何十メートルと離れた壁にめり込みながら、気を失っている。


これを俺がやったのかと思うと、なんだか少し罪悪感がある。


「雷鳴の金姫、でしたっけ? あの人これからどうなるんですか?」


「...多分無罪では済まないでしょう。他の姫が抱える勢力を殺すのは重罪ですから。少なくとも姫の称号剥奪は間違いないでしょうね...」


なんだか少し哀れに見えるなぁ。


とりあえず、サラ先輩に連絡して雷鳴の金姫の処遇を任せることにした。






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「これを...鋼くんがやったの?」


サラ先輩は目をまん丸にして俺に問い詰める。


「はぁ、まあ一応...」


サラ先輩は、まだ気を失っている雷鳴の金姫を担ぎ、用事があると消えていった。


「多分、今の鋼くんは姫クラスの実力よ。詳しいことは明日話すわ。今日はお疲れ様♪」


同胞が裏切ったというのに、ずいぶん楽しそうではないか...


俺はいいことをしたのか悪いことをしたのか未だに分からない...


「...とりあえず、今日は帰りましょうか...」


疲れ気味の姫野さんをエスコートしながら俺は帰路についた。







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「はぁ...」


あれから、八条くんを無事送り届けて私は今自宅の風呂にいる。


異様に大きくなりすぎ、同姓からも注目を浴びてしまう胸が、最近の私の悩みだ。


しかし、今日は風呂に入ると毎回考えてしまうそれよりも、先刻のことを思い出す。


吸血鬼を束ねる姫との戦闘になり、さらに自分の後輩が勝利するというありえない超展開に、体も心もくたくただ。


「いや、大丈夫です。俺が姫野さんを守って、この野郎をぶっ殺します」


不意に、八条くんの言葉を思い出す。


「俺が姫野さんを守って...俺が姫野さんを守って...」


思い出すたびに、顔が茹蛸のように紅潮する。


「あんな台詞...反則ですよぉ~...」


どうやら、私は恋をしてしまったらしい。






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「おいおまえまじかまじかまじなのか」


学校が終わり、いつもの場所へ行くと、開口一番で黒咲さんが俺に質問攻めしてきた。


「おいまじなのかほんとうなのかまじでまじでまじなのか」


「いや、早口過ぎるし質問の意味も分からねえぞ!?」


「おまえが金姫さまを倒したってまじなのかうそだありえない実力的にまずありえないし金姫さまが裏切るってのもありえないうそだうそにきまってるばーか!」


「おう、好き勝手言いまくって最終的に罵倒!?」


なんだか、メンタルケアが追いつかなくなってきている。


幼女に言葉責めされたいという願望がある特殊性癖の男の子に変わってあげたい...


「陽子落ち着いて。この一件は全て本当のことよ」


「主人が言うなら間違いはないかもしれないけど、でもこんな変態雑魚助が金姫さまに勝てるわけないばかばかばか!」


「変態雑魚助!? それは俺のことかな!?」


なんで言われのない罪で俺の名誉を毀損してるのかな!?


「おまえしかいないだろばーか」


「黒咲さん。八条くんのことあんまり悪く言うと怒っちゃいますよ?」


姫野さんがむすっとした表情で黒咲さんに詰め寄る。


おお! 応戦してくれるのか!! 姫野さん天使過ぎる!


「ありがとう姫野さん! 俺の汚名をとろうとしてくれてるんだね!?」


姫野さんに精一杯のお礼を言おうと、姫野さんに近づいた瞬間、顔を赤くしてここから猛スピードで出て行ってしまった。


「お、俺を弁護してくれるんじゃなかったのか...」


「おまえが変態なのに気付いたんだよばーか」


なんだか、段々ここがアウェーになってきてない?


あ、元からか!

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