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第一話

......何だろう。頭がくらくらする。


ここはどこだろう。身体が思うように動かないぞ...?


とりあえず、サラ先輩から血を吸われるというわけが分からない夢を見た...


いきなり、眷属になってくれだなんてありえないもんなぁ...


「あら、意識が戻ったみたいね」


目の前には僕を看病するサラ先輩がいた。


夢の中でサラ先輩から血を吸われて、現実でサラ先輩から介抱されるなんて何て今日はラッキーなんだろう。


やっぱり生のサラ先輩は可愛いなぁ...


「意識...? 俺はなんで倒れてたんですか...??」


「あら、覚えてないの? 私が貴方の血を吸い尽くしたからよ。まさか記憶まで吹っ飛んでるとは思わなかったわ」


...?


え、まさかあれが夢じゃなかったとでも言うのか...??


「とりあえず、ここはどこで今何時なんですか...」


「ここは私たち吸血鬼の隠れ家よ。今は21時15分で外は真っ暗ね」


...キュウケツキノカクレガ?


「待ってください。1から10どころか、0.001から1000000くらいまでの説明を要求していいですか?」


「あら、無垢な瞳で要求とか言われるとお姉さん困っちゃうわ///」


/// じゃねえよ。


「今なんて!? 吸血鬼!? え、え!?」


「唾が飛んでるわよ鋼くん。そんなに怒鳴り散らして。発情期なのかしら」


「この状況に適応できる人間がいたら見てみたいわ!! ってか私たちってどういうことだ!?」


「あら、吸血鬼から血を吸われた人間は吸血鬼になるのよ? つまり貴方ももう吸血鬼よ///」


...待ってくれ。色々状況が把握できてない。


具体的には、チーム合流初日で0-2のアウェイゲームに後半32分21秒で途中交代。監督から「戦況をかえてくれ...!」とすがった目で見つめられたゲームメイカーと同じくらい状況を把握できてない。


...例えツッコミが長すぎて、ツッコミとして成立してるかどうかも分からない。


世の中不思議がいっぺぇだな。オラワクワクしてきたぞ!


「あら、言葉を失ってどうかしたの鋼くん?」


「いや、うん...もういいです...はい」


「そう。自らの置かれた状況を無視して会話の進行を妨げないようにする鋼くんかっこいいわ」


「呆れてるだけだぞ!? 何勝手に脳内でかっこいい風に仕上げてんだ!?」


...もうサラ先輩が分からなくなってきた...


「まあ、たしかに色々突然過ぎて悪かったと思ってるわ。ごめんなさい。八条鋼くん。私、全力で謝ります」


急に態度が変わったサラ先輩は土下座の体制に入ろうとしていた。


「いえ、自分の状況を説明してくれれば侘びなんていりませんよ。俺もあからさまに被害者面してましたし。すいません」


「よし!! いきなり態度を豹変させて謝ったら情をかけるという人間の心理を最大まで利用した必殺技、雰囲気クラッシュ大成功!」


「最低だ! あんた最低だよ!!」


「まあ、侘びはいらないという言質をとったところで説明を開始しましょう」


「...悪魔だ。悪魔がいる」


「そうね。吸血鬼はかつて悪魔と呼ばれた存在だもの。相違はないわ」


...さっきから節々と言っているが...吸血鬼なんて存在するものなのだろうか


「あの、先輩は...吸血鬼なんですか??」


「そうよ。私はヴァンパイアと呼ばれ、人から忌み嫌われて育ってきた。れっきとした純血な吸血鬼よ」


「そもそも、吸血鬼なんてものが現代に存在したってとこからわかんないし...それに眷属に俺を選んだのも。あとはどうして眷属なんか必要なのかも」


「聴きたいことが多すぎるわよ。聖徳太子じゃないんだからいっぺんに10個のこともしゃべれないわ」


「聖徳太子も流石に10個のことをいっぺんにしゃべれねえぞ!? 口が10個って気持ち悪いだろ...」


「いっぺんに10回キスができるわ」


「余計気持ち悪い!! 聖徳太子がいいのは耳のほうだよ...」


「知ってるわよそんな初歩的な雑学」


「なぜボケた!?」


「そこに鋼くんがいるから!!!」


「...もうツッコまないぞ」


「まあ、吸血鬼はかつて、人間が絶滅させたと言われているわ。でも、私みたいな生き残りがまだ100匹くらいいるのよ。現代にも」


そういえば、何かで聞いた話で吸血鬼は人を襲って、有害だと判断されて人間が退治したって聞いたことあるな。


...ファンタジー小説だけど。


でも、サラ先輩が人を襲うようなこと...されたな。よく考えたら俺襲われた張本人だった。


「でも、なら人里がいるようなところになんでサラ先輩が? 吸血鬼って分かった瞬間退治されるならもっと人がいないとこにいるはずじゃ?」


「いい質問ね。吸血鬼検定3級を受ける権利をあげるわ」


「吸血鬼検定とかいらなっ! しかも3級じゃなくて3級を受ける権利かよ!?」


「初段を受ける権利は、私にコーヒーゼリーを3つ貢ぐことよ」


「軽っ!? 買収じゃん!!」


「まあ、私は吸血鬼復興のために、人里から離れるところで暮らしたいのは本心よ」


「じゃあなんでわざわざ危険を冒してまでこんなところに?」


「実はね。最近吸血鬼の天敵の半吸血鬼人が、純血吸血鬼を滅ぼそうとしているの」


「半...吸血鬼人??」


「この世界でいうハーフみたいな。そう。ちょうど今の鋼くんみたいに、元人間の吸血鬼っていうのかしら?」


「そっか。半吸血鬼人は吸血鬼を恨んでるのか...」


「だから、その半吸血鬼人から純血の吸血鬼を守る。これが私の任務であり最大の責務...みんなを助けられるなら私の命だって...」


少し、サラ先輩が触れてはいけないオーラを出していたので話題を変えることにした。


「でも、どうやってその半吸血鬼人から純血の吸血鬼を守るんですか?」


「もちろんそこは殺し合いよ。純血の吸血鬼は100匹に対して、半吸血鬼人は1000人強いるといわれているから。だから従える範囲の眷属がありったけ必要なの」


「...つまりは僕に殺し合いをしろと?」


「あら。もの分かりが早くて助かるわ。期待してるわよ鋼くん♪」


......???


「この俺が従うとでも?」


「殺すわよ?」


「...はい」


WINサラ先輩 1R2秒 TKO


「でも、なんで僕なんですか...この高校には ボクシング部とかあるのに帰宅部の僕を...」


「基礎的な体術は吸血鬼になれば常人の1000倍は越えるからあまり相違ないわ。問題は能力の方」


「...能力?」


「そう。吸血鬼にはV遺伝子という特殊な遺伝子が宿っているの。V遺伝子の力はさまざまで、力を単純に強くしたり、炎を操ったり、猛獣を呼び出したり、吸血鬼によって能力はさまざまよ。まあ、基本V遺伝子で能力が開花するのは万分の一と言われていて、基本は持ってないのが普通よ。でも、鋼くんには強いV遺伝子を感じたの」


「なるほど...僕はその能力を持っていると...」


「そう。だから貴方を眷属にしたの」


「色々一度に聞きすぎて分けわかんないが...まあ...殺し合いは嫌だなぁ」


「もちろん。ご褒美として戦いの活躍によっては報酬も弾むわよ~?」


よし。殺し合いで活躍してサラ先輩の胸を揉ませてもらおう。


某○イスクールD×○みたいな展開になりそうだなぁと内心で思う鋼なのであった。






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