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幸せを探していた大木

作者: 翠寿きゆま

歩いて叔母の家へ向かう。気分転換に知らない道を歩く私。

途中道に迷ってしまって不思議な光景に出会う。

そこは少し殺風景で寂しげな場所。

視界から道が失われ引き返そうとした時、導かれる様に

細い小道へと誘われた。やっと広い道へと出たかと思うと、

そこは少し高台だった。私は左右を見渡した。

そしてなんとなくその道を右へ進んだ。ようやく大きな

道へと出られた。その時私はふと左へ進んでいたら何処へ

繋がっていたのだろうかと、道路に出てから先程の道を

振り返ってみた。

だけれどそこにはもう道はなく、お墓がいくつか並んでいた。

そして私の目に飛び込んで来た聳える枯れた一本の大木。


私はその大木を見た瞬間、言い知れぬ恐怖と言うか嫌な気持ち

になった。寂しいのか、悲しいのか、まるでそこに聳え立つ大木

が悲しみに打ちひしがれて自己主張してるかの様に。



「不幸を招く木じゃないかっ!」


って気がしたくらいに言い知れぬ感覚を覚えた。



その日からしばらくあの大木の姿が忘れられず、

何度も浮かぶその光景に私は少し肝を震わせた。

だけどその日からしばらくして私はふと思った。

見上げると葉っぱが青々としたオリーブの木々

その下を走っいると、こんな言葉が脳裏に浮かんできた。



「ほんの少し幸せと言うものに気付けてる人が、

ほんの少し幸せと言うものに気付けないでいる人に、

分けて届けてあげればいいんだと・・・・・」



私はそのオリーブの木々に心で呟いてみた。



「あの枯れた大木へあなたたちの優しさを少しだけ

届けてあげて欲しい!


この爽やかな風に乗せて、そうするときっと悲しみや

憎しみと言う気持ちを潤し浄化させる事が

出来るんじゃないかって気がするから、きっと

その場にもう悲しみを振り撒いたりはしなくなる気がするから」と



しばらくして不思議と物悲しさや悲しい気持ちがすっと

消えてった。すべてが気の持ち様だけど、これは

優しくなれる気の持ち様なんだと思った。きっと誰かに

優しさを届けたい時に閃いたおまじないみたいな

ものだよね!少しづつ愛を貰ってそして満ち溢れた時、

枯れた大木にも花を咲かせる事が出来るのだろうか?

ううん、

あなたならきっと出来るはずだよね!私はそう信じているよ。



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