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十個目 実は超電波、ですか?

インフルでしばらく寝込んでしまいました・・

この小説を呼んでくださっている方はお待たせしてしまい申し訳ありません。


 …では、また少々の暇潰しのお供となれますように。

お勉強…にしても危険な情報をあっさり喋られましたが…大丈夫ですよね?

コレ、知ったら命を狙われるような情報では無いですよね?


「御茶がはいったよー?」


あ、ちょうどいいタイミングで少年が戻ってきましたね。

……もしかして測ってましたか?


「急がないと全く飲めないかもしれないからすぐ来ただけなのに」

「ナニモイッテマセンヨ?」

「先程から感じていましたが、イチコは思考が口元からだだ漏れですね」

「これでよく周りの人間を敵に回さなかったな?」

「生温く見守ってたんじゃない?」


ぼそぼそ言ってるつもりでしょうが全部丸聞こえですよ~?

全く失礼な………しかしうっかり漏れてましたか、気をつけないと。


「ふぅ、インスタントはインスタントでいいものですね、この香り」

「あ、ルシア姉の分はキッチリ淹れてきたから」

「俺のなんか凄く薄い気がするんだが?」

「シドの分はルシア姉の出涸らしで入れてきたよ」

「・・・んー、『エグゼス、テメェは俺を怒らせたーー!!あるてぃめっと・はん・ばー・ぐー』」

「ちょっと、ソレ別のゲーm(じゅっ」

「…悪は滅びろー」


「傍から見るとパシリ苛めてる不良のリーダーにしか見えませんですよ~」

「シド、暇なら奥に氷石が無いか調べてきなさい。もしボスとやらが此処に来るのならば殴り倒してすぐに撤退しないといけないかもしれません」


ぐっと一息に紅茶を流し込んで返事も無く商品棚の奥にある倉庫へと入って…あ、ドアが粉砕されました。これ、店主が起きた時にもっとヤバイ状況になっているのでは…

ぁー…しかしさっきのおじさんはグロかったですねー…こう、一思いにズバッと言ってる割に執拗に切り刻んでいて。あ、なんだか気持ち悪く…


「コレで邪魔者は居なくなりましたね」

「邪魔者ですか…可哀想な扱いですよ…」


わざとらしく溜息をついてこちらを見やってますが、なんです?私の顔に何かついてますか?

なんだか凄く真面目そうな顔して…


「イチコ、貴方は殺さないんですか?殺せないんですか?」

「ぇ、はい?」

「私の障壁を素通りしたようですが…その割りに店主の死体を見ても全く動じてませんから貴方のスタンスを聞いておきたくて」

「…そんなの」


そんなの…決まってるじゃないですか、死体なんて見慣れすぎてますし。


「生きたまま狼に食べられてみれば分かるのですよ……どの辺りで死んでそうか、とか」

「………」

「私が殺さなくとも殺された人は結構居るんですよ。ええ、もう指折り数えられるくらいには」


危険なんですよ?森のワールドは集落の外は無法地帯ですから。

あ、いきなり突っ伏してずっこけないでください。馬鹿なことを告白してるのは分かってますから。


「すみません、予想以上に下らない理由でしたから」

「どんな予想をしていたかは知りませんけど…私は他人を直接倒せるほど強くは無いのですよ?」

「えぇ、てっきり命令を下す人かと思っていました。時々ですが人任せに罪を犯す者も居ますからね」

「まさかの犯罪者扱いですか!?」

「ソレぐらい私達のギルドは他人から狙われているんです、裏切り者は居ませんけど」


クスクス笑ってますが裏切り者が居ないと言うのはギルド内完全掌握宣言ですか?恐怖統治ですか?

あ、返事は要りませんよ!聞いたら帰ってこれない気がします、無理やりギルドに入れられたりとか!


「イチコもギルドの仲間ですよ?」

「入った記憶がありませんが!?」

「レベル5以上のこと教えてあげたじゃないですか?」

「入ることと引き換えだなんて初耳ですよ!?」

「言っていませんからね」

「最悪です!?」

「どうしても欲しかったんですよ」

「身体目当てですか!!」

「スキル目当てです」

「冷静に言い返さないで下さい!?私が馬鹿みたいじゃないですか」

「すいませんが、私には既にシドが居ますから…恋人には」

「冗談なんですから突っ込んでくださいよ!?」


「冗談はさておきそのスキルを持つ人が現状ウチのギルドには居ませんから確保しておきたい、と言うことですよ」

「……コレクターですか?」

「えぇ、私のスキルの最終奥義に関係するといいますか…近くに居る人のスキルの数は多い方が良いんです」

「…どんなスキルであればそんなことが関係するんですか?」

「ナ・イ・ショです★」


軽くウィンクして可愛い子ぶってますが正直キャラにあってませんね、ルシアさんならば笑顔で脅す方が嵌るかt(略


「企業秘密です」

「はい、教えないとしたらそんな感じですよね~」


う、ルシアさんから先程より凶悪な殺意の波動が…!!!


「話を、進めますね?」

「どうかお進め下さいルシア様」


コレは敗北ではなく戦略的な一時撤退です、えぇ…怖いから平伏しているわけじゃないですよ?



Side ???


シェアリングシティ・冒険者ギルド―――

「お邪魔させて」「いただきます」

白と黒の小さな少女達がギルドのドア(粉砕中)をこえてずかずかと上がりこんでいく。


「ン、お嬢さん達はウチに依頼かな?」

「依頼、とは違いますが」「GMより使いを頼まれました」

「我らは一刻も早く主様の元へ戻りたいのです」「手早くシド・ルシアの両名を呼んでください」

「GM?何で会社からわざわざ二人に…しかもプレイヤーが」

「貴方は何も」「知らないようですね」「埒が明きません」「シドとルシアを呼び出してください」


ヤレヤレと鏡のように揃えて肩をすくめて見せる少女たちに受付の男も肩をすくめる。


「あいにく今はお二方とも出かけてるよ、用事があれば伝えておくがどうするかね?」

「どこに」「出かけているので?」

「さあねぇ…あの方達の気まぐれは今に始まったことじゃないから」


「あれ、ウサコンビじゃない。今日は遊び~?」


にこやかにのんびりと廊下に続く扉から広間にガンマン(メイズ)が現れ、その場の空気が凍りつく。


「黙れ」「小娘」

「アッハッハ、また的にしてあげようかガキども?」

「落ち着いてくださいメイズさん、相手は子供ですよ、子供!!」

「大丈夫だって、見た目ほど可愛らしいガキじゃないからさ」

「あくまで仕事、あの時大泣きさせた件は」「我らの意志ではなく、GMからの指示だった」

「ほら、それでもなんかムカつくことはあるじゃない?イイ感じに小動物が居たから、ついね」

「コイツ、泣かす」「むしろ*す」

「やるかい、ウサちゃん?」

「表に!」「でなさい!」


ぴりぴりとした空気を漂わせながら入り口から両者が一斉に飛び出て走り去っていく。


「いやいや表だなんて面倒な所じゃなくてさ、もっと本気出せるところ行こうよ」

「「どこでもいい、今すぐ処刑する」」

「<ラウ・ハーツ>で待ってるよ、シドたちも居るしね!!」

「始末しながら使いも果たせる」「ならば尚良い」


これが、<ラウ・ハーツ>の歴史に残る一戦になるとは…このとき誰も予想していなかったのです。


Side End



あら、今カメラさん何処に行ってましたか。

今の間はルシアさんにひたすら謝り倒してましたからちょうど良かったと言えば良かったのですが…

そんな様子撮られたくは無いですし(←


「イチコ、聞いていますか?」

「はい、大丈夫ですよ~」

「続きですが、私達のギルドはGMとの対決のために作られました」

「……対決?ただのイベントでは無いのですか?」

「イベントは会社側が起こすもので合ってGMとは何の関係もありませんよ」

「…会社こそGMですよね?」

「会社は会社、ただの管理職です。このゲームのGMは……実の所何処の誰だか分かりません」

「あの、そんなものよくゲーム会社が管理することを選びましたね?」

「恐らく社長の知人、または会社の誰かがGMだと思いますが…脳の開発ソフトだからですよ」


開発ソフト…え、脳年齢を調べるとか脳を鍛えるとかそういう…ものでしょうか?


「古い携帯ゲームを思い浮かべないでくださいね?」

「イヤデスネー、ソンナワケナイジャナイデスカ」

「何を考えているか読み易くて助かりますよ、イチコ」

「プライバシーの侵害です…!」

「ではもう少しポーカーフェイスを心がけなさい」

「はぅ……難しいのですよ、無表情は」

「続けますが、良いですね?」

「ドンドンどうぞです~」

「じつは、このゲームは現実世界でスキルを使えるようにするプログラムなんです」

「…………はい?」

「レベルが上がればイチコもいつかは現実でスキルが使えるようになりますよ」

「………………………はい?」

「あ、とは言え現実で使えるのは自分で取得したマテリアルだけですからね?」

「あの、何を?」

「人のマテリアルはゲーム内だけですから奪って行っても無駄ですよ」

「いえ、まず頭が追いついてないのですけども~」


「ですから、このゲームは超人開発プログラムと言うことです」


えー…この人は何を言ってるんでしょう…何処から電波を受けたのか、凄く危ないこと言ってますけど。冗談ですよね?さっきから危ないことばっかり言ってますけど。


「冗談と思い込むのは勝手ですが…後悔しないで下さいね?」


イイ笑顔で見つめるの止めてください、怖いですから!


「脳がしっかり覚えこむのがレベル5を超える条件ですよ…プログラムからではなく、脳から出力される能力はゲームの枠なんか軽く飛び越えてしまいますから」

「ですけど。反則…なんですよね?」

「えぇ、脳から出力されている間は刺激が逆に脳に返って行きます」

「つまり……」

「PLK領域と同じように現実世界に負担が掛かるんですよ」

「ですからさっきも使えないと!」


全力で其処は突っ込みをいれます。えぇ、だってゲームの為に現実でまで怪我したくありませんし!!


「・・・いつかきっと使いますよ、だって凄く気持ちが良いですから」

「どんな理由ですか!!」

「世界に選ばれるという優越感はソレはもうすばらしいものです、努力の末だと特に」

「ただのゲームですけどね!」

「現実世界でもそれなりに能力が使えるようになれば分かりますよ、その楽しさが」

「一生分からないと思いますですよ……」

「まぁ思わせぶりに言っても全力を出すのが楽しい、そういう事ですけどね」


ホントにルシアさんたちが全力を出したらメイズさんとシドさんだけでも十二分に世界滅ぼせそうな気がします。えぇ、冗談抜きに。


「イチコ、貴方もきっとレベル5を超えられますよ」

「そこまで経験値も溜めてませんし超えても使いませんけどね!」

「何も倒さずにレベル4まで登りつめてるでしょう?きっとその調子で行けば…いえ、案外既にレベル5ではないですか?」

「………む」

「能力を知らないだけで貴方はきっと頂点まで登りきっていると。私の眼にはそう見えます」

「どれだけ私はガーデニング中毒だと思われてますか」

「イチコ、貴方じつは結構強いでしょう?」

「直接戦闘能力皆無の私がどう見れば強いんですか…」


じっと微笑をたたえたままこちらの眼を見つめてきます。

ルシアさんの眼を見るの、何となく何もかもが見透かされているようで少し怖いんですよね。


「間接的に倒すことなら出来るでしょう、そのマテリアル」

「ハハハ、まさかそんな……」

「次の争い、一度何も助けずにいますからそのつもりで居てくださいね?」

「死ねといいますか?!」

「えぇ、レベル5以下なんですよね?それでしたら一時間後には復帰しますし」

「結構痛いんですよ!?」

「知っています。ですから試すんです、貴方が戦えるのを隠しているだけかどうか」

「先に言っては意味が無いと思うのですが」

「大丈夫ですよ。私のマテリアルが知らせていますから」

「…?何をデスカ」

「仲の悪い三人がたった今この町につきました」

「はい…?」

「皆さんと~~っても広範囲の技ばかり持っていますからね、先程のように地面からHPを吸って多少回復しただけではとてもじゃないですが追いつきませんよ?」


ニッコリと微笑む、天使の顔をした悪魔が其処に居ました。








「私にホントに死ねといいますかーーー!?」

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