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初めての作品となりますので、荒くつまらないものではありますが。
少しでも時間を潰すことが出来ますように、と
―ログイン―
世界を移るとき特有の音声が流れて私は目を覚ます。
眼を開けても景色は揺れたまま、ぼやけたまま、意識転移特有の倦怠感に苛まれる。
その感覚を振り払うように頭を振りながら周りを見渡し、前回の就寝前に枕元においた眼鏡を手にする。
「……相変わらず頭痛いですねぇ、コレ」
ようやくクリアになった視界で世界を再認識…ただ首を振って見回してるだけなんですけどね。
今日も頭痛から始まることになってしまって少し気分が沈みますけど、その分こっちで楽しめば帳消しですよね?
「最初の頭痛さえなければこっちは最高なんですけど…けどけどー」
ぶつぶつ言いつつも前日の夜に汲んでおいた水桶で軽く顔を洗い、寝汗をかいた身体を濡らしたタオルで拭っていきます。嫌な汗を残さぬように体中念入りに、丹念に、少しだけ重い胸元から首、お腹に両腕、両足まで隅々まで…この辺りゲームとは言え手間かけないといけないのは仮想現実が進んできたってことでしょうかね?まぁ、全然いらない仕様だと思いますけど。
「身だしなみは…か・が・み、かーがーみ~…っと、問題なしですね~?」
透き通るほど色白な肌に深緑のストレートヘア、絶世とはいえませんがそこそこ整った顔立ち、そして長く伸びた耳。此処での私は森の民の薬草師、と言うことになってます。ゲーム的にもうすこし馴染み深く言い直すのであれば「種族:ハーフエルフ」の「職業:ガーデンマスター」…要は後方支援タイプですね?
あ、失礼しました。その前に今いる世界から説明しないといけませんね。
此処は仮想現実空間【シェアワールド】と言って、現実世界から直接意識をワールド内の自分の設定したキャラに落とし込む…つまりはゲームの中に入ってあそぶMMORPGみたいなものですね。難しいことは私も読んでないのですが新世代のゲームとかなんとか言うだけあっていつでも人で賑わっています。
ただ私のいる森のワールドは野生動物や獰猛な肉食生物も多数存在してますからエルフ族以外は高レベルな方か自分が強いと思いこんでる人しかいませんけどね。自信満々で森に入って即座にGホーネットに攫われていった冒険者の例もありますし・・・エルフには静かで良い所なんですよ?種族としての特性として森でNPCには襲われませんから。
で、ですね~ 私は森の中でもエルフとハーフエルフにハイエルフが集まった集落に住んでいます。他にも一種族ずつ別れた村やダークエルフが住む村があるのですが、エルフの商人によって物流が確保されてるこの町が一番安全で楽なので、住み着いてしまいました。
後はキャラクターですが全身サンプルから選ぶもよし、ある程度の自己理想を反映できるので空想だけ自分のなりたい姿になって見たりとか…雑誌のモデルを見て私もコレくらいあれば、なんて嘆いてみたりしてた部分を大きくとか。
あ、私はしてませんよ?してませんからね? やってその虚しさに気付きましたから…
こほん、気を取り直して説明を続けます。
先ほど私の居る場所を森といいましたが、コレはその場所の地形によって名前が決められています。
凄くそのままですね~?物凄く森が深いから森のワールドなんですよ~?
運営に言って考えてもらったほうがいいでしょうか…
他にも街、城、海、空、砂漠、戦場…とにかく色々なワールドが存在していますが、私は森から出たことありませんので詳しい説明はこれまた省かせていただきますね
(え、作者が考えて無いだけ?其処は言わないお約束ですよ、お客さん♪)
後は何がありましたか…メモ帳メモ帳…あ、このゲームの目的とマテリアルについてですね。
このゲームはよく言って自由度の高い、悪く言うと何をして良いか分からないほど漠然とした世界なんです。個人レベルやマテリアルの開放レベルを上げるもよし。一般人Aとして仮想現実での人生を作ってみるもよし。ついでに精神を鍛える場所としても使えちゃうのですよ。
えと、今言いましたマテリアルとゆーものですが自分の種族を決めたりゲーム特有のスキルを使うために必要なとーーっても大切なものなんです。
大体皆さん2~3個は保持してますね、私もハーフエルフ、ハーブクリエイト、ソイルチャージの三種類を持ってますし。
ただ、コレは殆ど木々の生長にしか役に立たないものなので中々使いづらいんですけどね…
…一応これで最低ランクの知識は語れたでしょうか?まぁ、説明忘れは後で補足していきますね?
寝巻きから動きやすい密着型のスク水モドキもといエルフ用の装備としていただいたピタピタスーツに
着替え、弓矢とマテリアル3種をもって部屋の外へ。
「では今日も元気に花壇の材料探し、いってきま~す!」