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アタシの愛美に手を出すな!〜百合子が初恋した話〜  作者: 碧木美月


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39/49

39.ときめきイルミネーション(前編)



だあぁぁぁっっっ!


い、っそげぇぇぇ〜!



数ヶ月に1回のペースで来るゲリラ腹痛により、愛美のそばを離れちまった!


トイレに行かなきゃ漏らしちまうし、こればっかりはどうしようもない〜(泣っ)



この前は、このわずか2分足らずのすきをつかれてロールキャベツくそ野郎に愛美を映画に誘われてしまった……(※第28〜30話参照)



今回も、ヤバい予感がプンプンする!

とにかく早く教室に戻るんだ!






バババッーー!(百合子、教室を前方にとらえっ)






はっっっーー!!!


あ、あれは……。






愛美とロールキャベツくそ野郎が一緒にいるっ!!!






な、なんてことだ……。


またしても、ロールキャベツくそ野郎に隙をつかれてしまった!



教室を離れた時間は前より短縮したはずなのに、テメエはどんだけ仕事が早いんだ⁉︎



つーか、今回はコッチも黙ってないぜ!



どんなゲスいことを吹っかけてんのか知らねえが、その話を今すぐぶっツブしてやる!






フッ…………(愛美と草中くん、わかれて解散っ)






おわっーー!

ふ、2人がもう離れた!



ぐぬぬっ……。

これでは2人がなにを話していたのかわからない!



ど、どうする……?

とりあえず、様子を見るか?


だって、前回はちゃんと愛美から映画に誘われたことを教えてくれたもん。



……いや、でも。



今回もまた教えてくれるとは限らない。


ただの世間話をしていたとは思えないし、やはりこのまま放っておくにはリスクが高すぎる。



ーーなぜなら!



ロールキャベツくそ野郎は、きっとまた愛美をデートに誘っているはずだからだ。


やはり、ここはアタシから愛美に確認するしかない!




よし、くぞーー!




「よ、よう(百合子、愛美を呼び止めっ)」

「あっ……百合ちゃん」



だ、大丈夫だ、落ち着けアタシ!

自然な感じでサラッと訊けばイイ!



「いいいっ、いまっ、くっ、草中とっ、なんか……話をしてたぁ?(※注 愛する女の前で、必死に自然な感じを装う百合子をでてやってください)

「あ、うん……」

「どっ、どぉんな、こと、か、なぁ〜?(※注 ただいま、百合子の唇は極度の緊張によりプルプルふるえております)」

「そ、それは……ね」



そ、それは……?(生つばゴクリッ)






「……今週のクリスマス、あおすぎ森林公園にイルミネーションを見に行こうって……誘われちゃった」






え。



……………………。






えぇぇぇぇぇぇっっっーー⁉︎






ク、クリスマスの、イルミネーションだとっっっ⁉︎




そんなの……。


そんなの、恋人同士にしか許されない犯罪行為じゃねえかっ!(※注 あくまで百合子王国の法律です)




春は、一緒に図書委員をやろうという打診……。


夏は、藍川さくらを利用して花火大会へのいざない…。


秋は、芸術の秋とばかりに映画への強制参加……。




ーーそして!




冬は、クリスマスのイルミネーションで攻めてきたってワケか!




くそっ……!

イチイチ季節ごとに理由をつけてアプローチしてきやがって、うっとうしいにも程があるぜ!




……で。




愛美はその誘いを断れず、またOKを出してしまったというオチなんだろ……?(百合子の顔、青ざめっ)






「でもね、今回はちゃんと断ったんだ」


「えっ……」




こ、断った?

……愛美のほうから?




「な、なんで……」

「一緒に行く人が、もういるから……って」




え。



……………………。






えぇぇぇぇぇぇぇっっっーー⁉︎

 


いっ、一緒に行く人がほかにいるのぉぉぉっっっ⁉︎






な、なんてことだ……。

アタシが知らない内に、ま、まさか……。


まさかーー!



「かかかっ、かっ……彼氏が、できた、とか?」

「へっっっ⁉︎ そ、そんなワケないじゃん!」



え?

ち、違うの……?



「本当は一緒に行く人なんていないの。でも、そう言わないと草中くんが引き下がってくれないと思って」




……よ。




よかったあぁぁぁ!


てっきり彼氏ができたんだと思って、危うく魂が抜けかけたぜ……。




「でもね、一緒に行きたい人は本当にいるんだ」




え。



…………。




待って。






ちょっと、待ってえぇぇぇ!






彼氏はいなくても、ほかに特別な存在がいるってこと⁉︎




「そ、それって……誰?(冷や汗ツ〜っ)」


「っ……(愛美、照れながら百合子を指差しっ)」


「へっ?」






ア、アタ、シーー?






「よかったら、一緒に行かない……? 2()()で」






……ひゃ。






ひゃあぁぁぁぁぁぁっっっーー!






ま、愛美にイルミネーションに誘われちゃったあっ!


そんなの、行くに決まってんでしょうがぁ〜!!!(歓喜っ)




「べ、別に暇だからイイけど?」

「ホントにっ? やったあ、嬉しい! クリスマスデートだね!」

「デ、デートっ……⁉︎」

「あっ……!(愛美、自分の発言に思わず赤面っ)」




ま、愛美と一緒にクリスマスデートだなんて……。


ああっ!


なんという素晴らしきクリスマスプレゼント!


神様、ありがとうございますぅぅぅ〜!




「じゃ、じゃあ、また待ち合わせの時間とか場所を決めようね!」




タタタッ……!(愛美、あまりの照れ具合に耐えきれず先に教室へと戻りっ)




あ、愛美!


……って。


行っちゃった。




ど、どうしたんだろ。

アタシ、なんか変なことでも言ったっけ?(※注 みなさんお気づきのとおり、百合子の鈍感さはワールドクラスです)




まっ、そんなことより。

アタシも早く愛美の隣りに戻らなければ〜!


ふっふ〜ん♪






「あの……百合子様っ」






ひぎいっーー!(百合子、背後からの声にビクウッ)






…………。


ゆ、百合子様って。


まさか。


お前は……!(おそるおそる後ろを振り向きっ)






「おはようございます……あはっ♡(美輝、ヴィーナススマイル発射!)」






で、出たあぁぁぁっっっ!


1年B組の、ひらはなっーー!(※第32〜33、36話参照)






せっかくウルトラハッピーな気持ちでいたのに、いったいなんの用だ⁉︎



「あの……ちょっと、イイですか?」



よ、よくない!

お前といたら、なぜかいつも愛美のご機嫌がわるくなるんだよ!


幸いにも愛美は教室に入ったが、いつお前の匂いを嗅ぎつけてここに舞い戻るかわからない!



「ちょ、ちょっと忙しいんだけど?」

「あっ……! 1分だけでイイんです、ダメですか?」



うぐっ……!

絶妙に断りにくいラインで攻めてきやがって……。


だが、1分ですら長い。

すまんがキッパリ断る!



「無理だ、じゃあな」

「だ、だったら、50秒!」



ね、粘るうっ!

でも、コッチだって負けねえぞ!



「だから無理だ、じゃあな!」

「そ、それなら、45秒!」



き、きざんで粘るうぅぅぅ!

お前は、ひきわり納豆か!



「無理なもんは無理だ! じゃあなっ!」

「では……40秒も、無理なのですかっーー⁉︎(涙目&声ふるえっ)」



えぇぇぇぇぇっっっ⁉︎


な、泣き始めたあっ!

女の最終兵器、涙を解放してきたあぁぁぁ!



ちょ、ちょっと待って!

なんかこれ、アタシがわるいことしたみたいになってね⁉︎



あぁぁ……ったく!

世話の焼けるヤツだぜ!



「30秒で話せ、イイな!」

「あ、あはっ……♡」




ゴシゴシ……(美輝、涙をふきふきっ)






「では、手短にお伝えします! あ、あの、百合子様……今週のクリスマス、私と一緒に蒼杉森林公園のイルミネーションに行きませんかっ⁉︎」






な、なにぃぃぃぃぃぃ⁉︎


お前と一緒にだとぉぉぉ⁉︎



そんなメンドクセーこと、無理に決まってんだろ!

それに、アタシはすでに愛美と約束済みだ!



「す、すまんが断る。その件については、すでに先約がいるんだ」

「えっ……⁉︎ 先約って、まさか……彼氏さんが?」

「ア、アホか! んなワケねえだろ! ちょっと……ダチと行くだけだっ」

「で、では、私もご一緒させてもらえないですか?」

「ええっ⁉︎ い、いや、ダメだ!」

「な、なぜですか?」

「それは……ちょっと、()()なんだよ、そのダチは!」

「とく、べつ……」






フッーー(美輝の脳裏に、愛美の顔が浮かびっ)






「……それって、凛咲さんですか?」

「えっ⁉︎ いや、別に……誰だってイイだろ!」

「っ…………」

「てゆーか、もう30秒経ったから! じゃあな!」




ダダダッーー!(百合子、ダッシュで教室に戻りっ)




ふぃぃぃ〜。

強制的に終了してやったぜ。


あのまま粘られたら、どうなることかわかったもんじゃねえ。


とりあえず、愛美に現場を見られずに済んでよかった……(百合子、席に座りっ)



「ねえ、百合ちゃん」

「あん?」

「なんか……今、誰かと話してたーー?」

「えええっっっ⁉︎(ドッキリーン⭐︎)」

「いや、ちょっと背中がゾワゾワッてしたから……」

「べ、別に、誰とも話してねえよ⁉︎(声ふるえっ)」

「そっか。う〜ん、じゃあ気のせいかな?」




お、おそるべし。


愛美の感知レーダー……(汗ダッラ〜)








ーーなんとか愛美のご機嫌を損ねずカワした百合子。


果たして、当日はどうなるのか⁉︎(次回へ続くっ)






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