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アタシの愛美に手を出すな!〜百合子が初恋した話〜  作者: 碧木美月


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22.こげパン娘



はあ……。

今日から2学期か。


なげえんだよな……2学期。

ったく、ダルいったらありゃしねえ。



でも。



そんなダルさなんか軽く吹っ飛んじまうぜ!

だって、この教室の戸をくぐれば……。



「あ……おはよう、百合ちゃん」

「お、おう」



そう!


そこには、アタシを骨抜きにする大天使様がいるんだからぁ!

ふっふ〜ん♪


「なんか、このワイワイした感じが懐かしいね」

「おう、そうだな」

「みんな、よく日焼けしてるね」


確かに。

どいつもこいつもよく焼けてる。


でも。


愛美お嬢様は変わらぬこの美しい白肌よ!

ああ、パーフェクトすぎて尊ひっ……!(ウットリ)



「ヤッホー! 久しぶり、凛咲さんっ」

「えっ⁉︎ あ、ああ、久し、ぶり……」


あん?

な、なんだ?


見たこともねえ女子が愛美に話しかけたぞ?

しかも、よくわからん距離感ゼロな感じで!


あまりにも馴れ馴れしすぎて、愛美も戸惑ってるじゃないか!

こ、こんなヤツ同じクラスにいたっけ?



こんな、ヤツ……(ジ〜ッ)






ーーはっ!






こ、こいつ、よく見れば……。


間違いない!


同じクラスの……!






白加羅しろから 黒江くろえーー!






な、なんじゃっ?

この変わりようはっ!


1学期までは愛美に引けを取らないほど色白だったのに、激烈に日焼けして真っ黒じゃねえか!

まるで、こげたパンのごとく!


それにこいつ、こんな気さくに話しかけてくるキャラじゃなかったぞ?

いつもポツンと1人でいる地味系女子だったのに、いったいなにがあったんだ……⁉︎


あまつさえ、長かった髪もばっさりショートにして……。




ま、間違いない。


こいつはっ……!






2学期デビューしやがったんだーー!






1学期とは別人のように、ビジュアルやキャラが変化して周りを驚かせるヤツ。


そう、それが2学期デビュー!


毎年必ず何人かは出てくるが、ここまで超劇的なビフォーアフターを見せるヤツ、なかなかいねえぞ……!


「凛咲さん、1学期と変わらず色白のまんまだねえ。いいなあ、どうやってキープしたの?」

「えっ? あ〜、ええっと……私、ほとんど家から出なかったから(て、適当っ)」



え。


な……。


なっ……!






なにいぃぃっっっっっっーー⁉︎






ほとんど家から出なかったって……!

いったい、なにをおっしゃられているのですかっ?

愛美お嬢様ぁ!


夏休みは毎日のように会い、あんなにイチャイチャと勉学に励んだではないですか!(※注 第18話参照)

そればかりか、周りには内緒で2人だけの遊園地デートまで……(※第19〜21話参照)


それを、なかったことになさるというのですかっ⁉︎


そ、そんなの……。


そんなの、私目は悲しすぎますぞっっっ……(※注 百合子は干からびてミイラ化しました)



「そうなんだぁ。私も今まで完全インドア派だったんだけど、今年はちょっと色々あってさ。いや〜、参ったよ!(嬉しそうにニカッ⭐︎)」

「そ、そうなんだぁ(愛美、棒読みで愛想笑いっ)」

「なにがあったかって言うとね……」




ピクッーー!




あん……?

なにを勝手に夏の思い出を語ろうとしてんだ?




この、2学期デビューこげパン娘がっーー!!!




愛美は、お前の話を聞くことなんか1ミリも望んでいないぞっ!(※注 愛美の危機を察知し、百合子は瞬で復活した!)


だ、だが。


この会話にアタシは加わっていない。

そんな状況で突然アタシが割って入ったら、変な空気になっちまう。


し、仕方ない。

ここはとりあえず、もう少し様子を見るか……。



「実は、小学校まで近所に住んでたようっていう幼馴染が帰って来てさあ、そいつに色々と振り回されちゃって!」



ピクッーー。



こ、これは。

どうでもよさそうな匂いがプンプンするぞ……!



「そいつ、小学校までモサっとして地味なヤツだったクセに、3年ぶりに会ったら背も伸びて謎のイケメンに変身しててさあ。会った途端に私になんて言ったと思う? お前は全然変わんねえな、だって! 超ムカつかない?」



…………。


と、言いつつも。

顔はメチャクチャ嬉しそうなんですけど?



ーーなるほど。



さてはコイツ、その幼馴染とよっぽど甘酸っぱい夏休みを送ったんだな?


そして。


その充実っぷりを誰かに話したくてたまらないから、親しくもないクセに話しかけやすそうな愛美を引っ捕まえて聞かせようってことか。


ったく、話したがりのうっとうしいヤツめ……!



「そんなこと言われて私がプクってしたらさあ、続けざまにこう言ってきたワケ。俺がお前をプロデュースしてやろうか、って」



はわわわわあっ!

で、出たあ!

超ベタな幼馴染系ラブコメのソレーー!


これは、このあと超ムズガユイ展開がやって来るぞ……!



「それから、陽太がコッチにいた2週間は外に連れ出されっ放しでさ。海やら川やらショッピングやら……とにかくアウトドアな毎日で、気づいたらこんなに焼けちゃってたんだよね〜。髪も暑苦しいから切れよって言われて、こんなに短くなっちゃったの」



…………。


ど、どうでもイイ。

どうでもよすぎて、眉毛が意味不明にピクピク動いちまうんですけど……!



「極めつけは、陽太が帰る前日のこと! 私のお兄ちゃんにもよく世話になったから会いたいって言い出して、アレよアレよの内に私んに1日泊まることになっちゃったの!」



あああああっっっ……!


も、もうイイっすか⁉︎

そのくっだらねえ茶番劇、そろそろ話すのやめてもらってイイっすか⁉︎



「陽太はお兄ちゃんの部屋で寝ることになったんだけど、なんか変にドキドキするじゃん? 同じ家に寝るなんて!」



しねえわっっっ!!!



「それで、なかなか眠れないで私だけバカみたいってシャクに思ってたら、イキナリ誰かが部屋の戸をノックしてきたの。開けたらさ、誰がいたと思う……?」



うっせえっ!

勝手に変なクイズを出すんじゃねえっ!

そんなの出されても、愛美が困っちまうだろうがっ!




「も、もしかして、よ、陽太、くんっ……⁉︎」




ま、愛美いっっっっっっーー⁉︎


愛美が、完全に前のめりで回答してるうっっっーー!




「ビンゴ。なんか眠れないから、私の部屋に入ってもイイか……って。もう頭の中がパニクり状態だよ!」


や、やめてくれ!

もうそれ以上、どうでもイイ幼馴染系ラブコメを話すのをやめてくれいっ!


ま、愛美だってそうだよな?


なっ⁉︎






フンッ〜、フンッ〜!!!






ま、愛美いぃっっっーー⁉︎


愛美の鼻息が、すんごい荒いんですけどおぉっっっ⁉︎


ひょ、ひょっとして、こういうの好きな口ですかっ⁉︎



「それからお互い無言で隣り合って座ってたら、陽太がおもむろにこう言ってきたの。俺のプロデュースのおかげで、すごく可愛くなったな……って」



だああっっっ!

ムムムッ、ムズガユイィッッッ!

も、もうやめろーー!



「な、なにソレ……って返したら、今度は私の顔をジッと見つめてきてさ。これからもずっと、お前をプロデュースしていきたい……って」






ゴクリッ……!!!






ま、愛美いっっっーー⁉︎


愛美が、生つばを飲み込んだーー!


ダ、ダメだ!

これ以上は聞いちゃイケナイ!

妖精の少女は、もうこれ以上聞いちゃイケナイーー!



「そのままベッドに優しく押し倒されて、それで……」






ドバッコオォォォォォォンッッッッッッーー!!!(※注 百合子が机を破壊せんばかりに正拳突きしました)






「ヒイィッッッーー⁉︎(愛美&黒江、ビクウッ!)」





シ〜ン…………。



「朝からピーチクパーチクうっせえな……! ちょっと、静かにしろっ!」

「はははっ、はいぃぃ!(黒江、光速で自席に戻り着席っ!)」



ふう……。

危うく愛美が変な幼馴染系ラブコメの世界で汚されるトコだった。


でも、これでもう安心だぜ(やり切った表情で愛美をチラ)




「…………(愛美、ちょっとブスッ)」




ま、愛美いぃっっっーー⁉︎

愛美が、ちょっとふてくされてるうぅ!


き、聞きたかったんすかっ?

あんなしょうもない幼馴染系ラブコメの、18禁モード突入編が聞きたかったんすかあっ⁉︎


そ、そんなあ……。


だって、愛美にはずっと汚れなき可憐な妖精さんでいてほしいから……。

だから、アタシは……。


「百合ちゃん」

「っーー! はは、はいっ⁉︎」


お、怒られるのかな……?

話を止めちゃったこと、怒られるのかなっ?


で、でも。

それはそれで、ちょっと嬉しい……!(※注 こんな時でも、百合子は安定して変態です)


「な、なんか悔しいから、私たちも……しちゃう?」

「へっ? な、なにを?」

「……お泊まり会(だって、あんなの聞いたらうらやましすぎて居ても立っても居られないよ……! 的な照れ照れフェイスで、攻めのエンジェル見つめっ♡)」




ドボフンッッッーー!(※注 百合子の頭の中が爆発しました)




ーーその後、百合子が昇天したのは言うまでもない。






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