20.遊園地パニック!(失神ジェットコースター編)
ふうぅぅ……。
しょっぱなからゲッソリ。
まさか、メリーゴーランドでこんなに精神的ダメージをくらうとは(※前話参照)。
あんだけ楽しみにしてた遊園地なのに、なんか全然楽しめる気がしなくなってきたぜ……(苦笑)
「じゃあ、次はどのアトラクションにする?」
「ああ……アタシはどれでもイイけど」
「そ、そっか。う〜ん、それじゃあ……」
すまん、愛美。
お前にばっか選ばせちまって。
……だけど。
さっきのメリーゴーランドが思いのほか大ダメージすぎて、まだちょっと頭が回らないのです……(泣)
「ん、んーと……思いきって、あれはどう?(前方を指差しっ)」
え〜と、どれどれ?
愛美の指先が向かう先は……っと。
「キャアアアアアッッッーー!!!」
え。
あれって。
あの歓喜の悲鳴って。
ま、まさか。
今度は……。
ジェ、ジェットコースターっすかあぁっっっ⁉︎
「ゆ、百合ちゃんが苦手じゃなかったら……だけど」
メリーゴーランドの次にジェットコースターとか、どんだけ緩急をつけて攻めてくるんですか、愛美お嬢様っ⁉︎
つーか。
そもそもの話。
ジェットコースターに乗ったことがないゆえ、自分がああいう絶叫系が苦手かどうかわかんねえ。
……でも。
愛美が乗りたいというのなら、答えは1つ!
「べ、別にアタシはいいけど」
「ホント……? 無理、してない?」
「お、おう、全然無理じゃねえし」
「……わかった、じゃあ行こ!」
う〜ん。
なんか、すっげえ速さでグルングルン回ってんな。
まあ……でも、大丈夫だろ。
なんせ、度胸の良さだけがアタシの取り柄だからな!(※注 と言いつつも、お化け屋敷は怖くて仕方がないという百合子を愛でてやってください)
◇◆◇◆◇
ピンポンパンポーン♪(百合子と愛美、ジェットコースターにライドオンッ!)
「わあ、先頭車両だなんて、ドキドキするね……!」
「そ、そうかっ……⁉︎」
あ、あれ?
なんか、おかしいぞ。
ハタから見てるとそんなに怖そうじゃなかったのに。
なのに、アタシ。
ちょっと……。
いやっ、かなり……!
ドキドキしてるぅーー⁉︎
よ、予想外の先頭車両だからあぁっっっ⁉︎
ズゴゴゴゴッ……!(ジェットコースター、起動して上昇開始っ!)
あ、あれえぇっっっ⁉︎
ちょ、ちょっと待って!
ちょっと、待ってえぇっっっーー!!!
さ、さっき、柵の外から見てたら傾斜は90度なかったはず……。
な、なのに……!
なのにぃっっっーー!!!
こ、これっ、空に向かって垂直に上ってないっすかっーー⁉︎(※注 目の錯覚により、混乱モードに突入した百合子をお楽しみください)
「く、来るね、百合ちゃん……!」
「あ、ああんっっっ⁉︎」
「へっ⁉︎(ビクウッ!)」
「な、なにがっっっ⁉︎」
「あっ、いや、その、もう、落下する、瞬間が……!」
「おっ、おおおおおーーうっっっ!!!」
「ゆゆっ、百合ちゃあああん……⁉︎」
ピタッ。(ジェットコースター、落下スタンバイ完了!)
え。
なにこれ。
今から、ここを落下するの?
…………。
この、地球に向かって90度の角度から、落下するのおぉっっっーー⁉︎
ま、待って……!
ごめん、ちょっ……!
超っ、怖いんですけどおぉっっっ⁉︎
こ、怖くて……。
怖くてっ……!
怖くてっ、ちびりそうなんですけどおぉっっっーー!!!(涙目&内股キュッ!)
ゴゴゴゴゴ…………(ジェットコースター、ゆるやかに落下開始!)
あ、あっ、あっっっ……!
ま、待って!
ちょっと、待ってええええええーー!!!
ズゴゴゴゴッッッッッッーー!!!(ジェットコースター、トップスピード解放!)
「キャアァァァァァッッッ♡(by愛美)」
「ギィヤアァァァァッッッ!(by百合子)」
ズゴゴゴゴッッッッッッーー!!!
「イヤアァァァァァッッッ♡(by愛美)」
「ドゥオォォォォォッッッ!(by百合子)」
ズゴゴゴゴッッッッッッーー!!!
「ワアァァァァァッッッ♡(by愛美)」
「っ………………………………(by百合子)」
はれ……。
ヤバイ……。
目の前が……。
真っ暗に……。
なってく……。
プシュウゥゥゥ〜(ジェットコースター、停止っ)
「はあぁぁ〜、怖いけど楽しかった! ねえ、百合ちゃんは……」
「…………(無反応で首プラ〜ンっ)」
「ゆっ、百合ちゃんっっっ⁉︎ わわっ! ちょっと、ねえ! 百合ちゃあああんーー⁉︎」
百合ちゃああん……!
百合ちゃあん……。
ちゃあん……。
◇◆◇◆◇
ピンポンパンポーン♪(その後、とある部屋にてっ)
……う……ん……。
あれ……。
ここ、どこだ……?
アタシ……なんで、寝てんだ……。
「あっ……! 百合ちゃん、目が覚めた⁉︎」
こ、この声は……。
愛美……?
「よかった……! もう、心配したんだから!(ぐすっ)」
「えっ……? アタシ、どうしちまったんだ……?」
「ジェットコースターに乗ったあと、そのまま気を失っちゃったんだよ」
え。
…………。
ええええええぇっっっーー⁉︎
マ、マジでかっ⁉︎
確かに途中で目の前が真っ暗になってっいったのは覚えてる。
けどもっ!
まさか、そのまま意識がぶっ飛んじまったなんて!
な、なんということだ……!
せっかくの遊園地デート中に気を失うとか、あってはならない不覚中の不覚!
つ、つーか……。
「ここ、どこだっ?」
「ああ……遊園地の救護室だよ」
「きゅ、救護室? そ、そうか……」
よ、よかった。
まだ遊園地の中にはいるんだな。
だけど、今いったい何時なんだ?(救護室の時計をチラ)
えーと。
5時。
…………。
5時いぃっっっっっっーー⁉︎
ごごごっ、5時って……!
「ゆ、夕方の5時っっっ⁉︎」
「えっ⁉︎ ああっ、うん」
ウ、ウソだろおぉぉっっ⁉︎
アタシ、そんなに気を失ってたのかーー!!!
「す、すまん、アタシ、せっかくの、遊園地、なのに……!」
あ、謝っても、謝りきれない……。
どんな顔して愛美を見ればイイんだ……。
「……ふふっ」
えっ?
ま、愛美?
今、笑って……。
「そんなに落ち込まないで、私なら全然大丈夫だよ。それに……百合ちゃんの寝顔を見てたら、時間なんてあっという間だったから。へへ」
「ねっ、寝顔⁉︎」
「うん。最初は気を失ってたんだけど、途中からは普通に寝てるだけですね、って救護スタッフの人が言ってた」
へっ?
ア、アタシ、途中から寝てただけなのっ⁉︎
そういえば、遊園地デートが楽しみすぎて3日前から一睡もできてなかった……。
それで、ここぞとばかりに寝ちまったって
いうのかっ⁉︎
な、なんてことだ……。
もう、情けなさすぎて言葉がない……。
「ごめんね、百合ちゃん」
「……えっ?」
「メリーゴーランドで酔っちゃったあとにジェットコースターだなんて……普通に考えて、体に負担をかけすぎだよね」
あ、謝らないでくれ、愛美ーー!
酔ったというのはその場を取り繕うウソで、正しくは精神的ダメージを負っただけなんだ!
気を失ったのは単純にアタシのビビリが原因だし、途中からは、ただ寝てただけだし……!
「もう、今日は帰ろっか?」
「へっっっ⁉︎」
「百合ちゃんも疲れたと思うし、私も十分に楽しんだから。いや……」
い、いや……?
「正確には、百合ちゃんの気持ちも考えず、私だけが勝手にはしゃいで楽しんでたんだ。だから、本当にゴメンなさいーー(自責の念にかられ超絶シュン……)」
そ、そんな顔しないでーー!
そんな顔も可愛いすぎるんだけど、そんな顔しないでーー!
く、くそっ……。
わるいのは全部アタシなのに、愛美にこんな顔をさせるなんて……。
絶対、こんな形で終わらせるワケにはいかないーー!
「謝んなっっっ!!!」
「えっーー⁉︎(ビクウッ)」
「わるいのは全部アタシだ。だから、そんなに自分を責めるんじゃねえっ」
「ゆ、百合、ちゃん…………」
「それに、帰る前に行くトコがあんだろうが!」
「えっ?」
「お化け屋敷だよ、お化け屋敷!」
「っ…………!」
……と、カッコよく言いつつも。
ホントは、このまま帰りたい〜!
お化け屋敷なんか、絶対に行きたくないよ〜!(泣)
だがっ、しかしーー!
こんな情けない姿ばかりをさらしといて、そのまま帰るなんてあり得ない!
この百合子、愛美の1番の希望を叶えることだけは絶対に譲れないーー!(※注 百合子は戦う女モードに突入しました)
「で、でも、体調が……」
「問題ない、ぐっすり寝て元気モリモリ全快だっ!」
「そ、そうなの……?」
「おう、だから早く行くぞ!」
「で、でも……本当に……イイのかな?」
「ったりめえだ! アタシたちは、今日そのために来たんだろ?(カッコよくニコッ)」
「あは……うん……!」
よかった、愛美が嬉しそうに笑ってくれた。
そうだよ。
その笑顔をたくさん見たいから、アタシはがんばれるんだーー!
◇◆◇◆◇
ピンポンパンポーン♪(百合子と愛美、お化け屋敷に到着っ)
っ…………(ゴ、ゴクリ)
な、なんだ。
まだ中に入ってないのに、すでに感じるこの強烈なオドロオドロしさは……!
ヤバイ。
やっぱ、帰りたいひぃぃぃ!(※注 百合子の戦う女モードは終了しました)
「ね、ねえ、百合ちゃん」
「はっ、はい⁉︎」
「もしも怖くて抱きついちゃったりしたら……ゴメンね?(超絶ドキドキ&ウルウルな上目づかいで、瞳をエンジェルキュルン♡)」
ドボフンッッッーー!(※注 百合子の頭の中が爆発しました)
ーーその後、百合子が昇天したのは言うまでもない。
……って。
お化け屋敷に入る前に昇天してしまった百合子は、本当に大丈夫なのか⁉︎(次回へ続く!)




