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アタシの愛美に手を出すな!〜百合子が初恋した話〜  作者: 碧木美月


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18/48

18.ふたりのサマーバケーション



……き、来た。


来てしまった。

ついに、この日が。


そう。

今日は。


今日は……!






1学期の、終業式なのだあっっっーー!






はわわわわ……!

ど、どうしよう?

明日から夏休みに突入するぞ⁉︎


ゴールデンウィークでさえ5日目には他人の顔が愛美に見える幻覚が現れたというのに(※第6話参照)、夏休みなんか1ヶ月以上も会えないんですよっっっ⁉︎


やばい、想像しただけで身ぶるいがするっ……!



つーか。



夏休みが明けた時、アタシはいったいどうなっちまってるんだ⁉︎


たぶん、カラッカラに干からびてミイラになってるような気がする……(ゾゾッ)


ああ、夏休みなんていらないっ!

毎日授業でもいいから、アタシと愛美を引き離さないでくれ〜!




◇◆◇◆◇




キーンコーンカーンコーン♪(帰りのホームルーム)



「みんな体調にはしっかり気をつけて、有意義な夏休みを送るように。それじゃあ、気をつけて帰れよ〜(先生、帰りのホームルームをシメッ!)」


はわわわあっっっ〜!

ついに、先生が解散を言い渡したあっ!



ま、愛美が帰っでじばゔーー!



あはあっ、神様!

あなたはなぜ、アタシにこのような残酷な試練を与えるのですか⁉︎


イ、イイ子にしますからぁ!

だから、どうかアタシから愛美を引き離さないでください〜!


「……ねえ、百合ちゃん」

「お、おうっ⁉︎(ドッキーン!)」


は、はい!

なんですか、愛美お嬢様⁉︎


「明日からの夏休みって、なにか……予定ある?」

「えっ、予定? いや、特にコレといってなにもねえけど……」

「そうなんだ。あのさ……えっと、あのね?」


な、なんですか⁉︎

そんなもったいぶって……。


どんなご用命でも、この百合子に何なりとお申しつけください!

ためらわず、さあ、早く……!


「急な誘いで申し訳ないんだけど……もしね、もし、よかったらだよ? 明日から一緒に……夏休みの宿題をやらない?」


え……?






えええええっっっーー⁉︎






「私ね、いつもギリギリになってまとめてやっちゃうタイプなんだ。だから、今年はそうならないよう毎日少しずつ着実にすませようと思って……」

「へ、へえ……」



し、信じられん。


愛美がギリギリまで宿題をしないなんて、天地がひっくり返っても有り得ないだろ?

そのウソはちょっと無理がありますぞ、愛美お嬢様。



……でも。






でもでもでもっっっ!


しかぁしっっっーー!






そ、そんなことはどうでもいい!

一緒に宿題をやるということは、明日からも愛美お嬢様に会えるということですかっ⁉︎



「でも、1人だとダラけちゃいそうで……だから、百合ちゃんが一緒に付き合ってくられたら嬉しいな……って、思って」






はうぅぅっっっーー!


や、やっぱりい!!!






「夏休み中は図書室も毎日開放されてるんだって。よかったら、そこで毎日少しずつ一緒に宿題をやらない? っていうか……や、やってほしいな……なぁんて!(照れっ)」






ドボフンッッッーー!(※注 百合子の頭の中が爆発しました)






ーーその後、百合子が昇天したのは言うまでもない。




……って。


ダメだあぁっっっーー!




こんなトコで昇天しちまったら、まさかまさかのお誘いが台無しになっちまうぅぅぅ!



な、なんという奇跡の大逆転……!

夏休みも毎日、愛美に会えるなんて!



ああ、神様ありがとうございますぅぅぅ〜!!!

このご恩は一生忘れません〜!



「ま、まあ、別にいいけど?」

「ホントっ? やったあ! じゃあ、明日から一緒にがんばろうね!」

「お、おう」




やああった〜!


イィィィヤッホオォォーーイ!!!


ウエェェーーイ!!!


ホッホオォッッッーー!!!(※注 ただいま百合子は、過去最高に壊れた状態となっております。ご了承ください)






◇◆◇◆◇






ピンポンパンポーン♪(翌日)



……やばい。

早く着きすぎた。


待ち合わせは、午前10時に図書室に集合。

なのに。

1時間も早く着いてしまった〜!


だ、だってさ、愛美と一緒に宿題だぞ⁉︎

こんなワクワク&ドキドキなイベント、はやる気持ちを抑えられるワケねえじゃん!


ああ〜、ソワソワするぅ!

愛美が来るのを待ち切れない〜!




「……百合ちゃん」




はわわあっっっーー!


う、後ろから!

後ろから甘くて優しいウィスパーボイスゥゥゥ!


こっ、この声は、お待ちかねの……!(超絶だらしない恍惚の表情で、後ろに振り返りっ)






「お待たせ、百合ちゃん。ごめんね、待った?(中腰で百合子の顔に自分の顔を近づけながら、耳にかかった髪をスッとかき上げっ♡)






ドボフンッッッーー!(※注 百合子の頭の中が爆発しました)




ーーその後、百合子が昇天したのは言うまでもない。





「えっ? あ、あれ? 百合ちゃん? ど、どうしたの⁉︎」





ーーはっ!


や、やばい!

あまりの破壊力に昇天してしまった!


しっかりしろ、松城百合子!

これからパラダイスな時間が待ってるんだぞ⁉︎


こんなトコロで果ててる場合じゃない!

これでもかってぐらい、愛美とイチャイチャしてラブラブするんだ〜!






◇◆◇◆◇






……ふふっ(嬉しそうに苦笑いっ)



いやあ……。

なるほど。


そうですか。

そういう感じですか。


ええ〜。

今の状況を説明しますと、ですね。


愛美お嬢様がっ、

アタシの、

真正面に、

向き合う形で、

かつ、

至近距離に、


至近距離にっ、ですねえっ……!






座っておられるワケですよぉっっっーー!!!






な、なんということだ……!


教室でも図書委員活動の時も、常にそのポジションは隣だった。




だがっーー!!!




ついに、真正面に向き合って座るという未体験ゾーンに突入してしまった!


こ、こんな近くにいるということは、愛美の吐いた息を思いっきりダイレクトに吸うということじゃないか!

そして、その逆もしかり!


ま、前に愛美と間接キスをしたことはあった(第4話参照)。




でもっーー!!!




こんなのもう、キスとかそんな次元じゃない!

そんなものを遥かに超越した、とんでもないハレンチな違法行為!



そう!


まさに!


それはっ!






肺to肺ーー!!!


の、ブレス交換ーー!!!






や、やめろ、愛美……!

アタシの肺をそんなにイヤらしく撫で回して……。

い、いったいアタシをどうするつもりだあぁぁ?




……チラリ(上目づかいに愛美をチラ見っ)




「あっ……えへへ(目が合った愛美が、照れくさそうに頬を赤らめてハニカミっ)」







っっっっっっっっっっっっーー!!!







ゴンゴンゴンゴンゴンッッッッッッーー!!!(百合子が頭を机に激しく叩きつけっ!)




「えっーー⁉︎ ちょ、ちょっと、百合ちゃん、どうしたの⁉︎」

「っっっ…………」

「ゆ、百合、ちゃん……?」

「……だ、大丈夫だ。ちょっと、机に蚊が止まってたからヤッツけてた」

「か、蚊……? そ、そう……」



あ、あっぶねえ……。

カワイイの特大ビッグバンを目の前でくらって、危うく正気を失いそうになっちまったぜ……!


それを防ぐためだったとはいえ、イキナリ机に向かってヘッドバンキングするとか、愛美の前でなんたる失態……!


このマイナスを取り返すには、この後の宿題を平常心でやり抜くほかない!


がんばれ、アタシ!

お前ならできるぞ、松城百合子ーー!






◇◆◇◆◇






ピンポンパンポーン♪(夏休み終了、1週間前)



……で、結局。


「しゅ、宿題、終わっちゃったね……」

「お、おう……」



チーン。






し、しまったあぁっっっーー!



まだ夏休みは1週間も残ってるというのに、早々と宿題が全部終わってしまったあぁっっっ!






ア、アタシとしたことがうかつだった……!

愛美と一緒だと勉強がはかどりすぎて、ついペースがはやくなっちまってることに気がつかなかった……。



の、残り1週間とか、超絶に微妙なラインだぞ⁉︎

ビタミン愛美を7日間も摂取しない状態で、果たしてアタシのカラダはもつのかっ?



ギリギリ生きていられたとしても、正気を保てる自信は120%ない!



ま、松城百合子、ここに来て最大の試練……!






◇◆◇◆◇






ピンポンパンポーン♪(図書室を出て、校門での別れ際)



はうぅぅ……。

これで愛美と1週間会えなくなるのか……。


ああ、どうか、どうか!

アタシのカラダと理性よ、もってくれ!



「ね、ねえ、百合ちゃん」

「お、おうっ⁉︎(ドッキリーン⭐︎)」

「あの……あのね? もし、よかったらなんだけど……1つ提案があるんだ」

「て、提案?」

「無事に宿題が終わってよかったんだけど、ずっと勉強ばかりの毎日だったでしょ? だから、どこか1日ぐらいは夏休みらしいこと、したいなあ……って」

「な、夏休みらしいこと?」

「うん。どこか、2人で出かけられたらいいな……とか(照れっ)」






っっっっっっーー!!!






そ、それは、


それは……!


い、いわゆる、


いわゆ〜る……!






デ、デントのお誘いってやつですかあぁっっっーー⁉︎(※注 衝撃の展開に、百合子はデートの発音がバグりました)






な、なんてことだ……!

生死を彷徨うこと必至だった1週間に、突如として大いなる希望の光が!


しかも、デ、デントだなんて……!(※注 繰り返しますが、百合子のデートの発音はバグっております)



そ、そんなの、そんなの……!



「ま、まあ、別にいいけど?(※注 クールに答えていますが、百合子の鼻の下は驚くほど伸び散らかしています)」

「ホントっ? やったあ、嬉しい!」


ああぁぁぁ〜!

嬉しいのはこちらの方ですぞ、愛美お嬢様!


私目なんかとのデントをそのように喜んでいただけるなんて、身に余る光栄!(※注 もう、デントで合わせてやってください笑)


「じゃ、じゃあ、3日後とかはどうかな?」

「お、おう、かまわねえけど」


いいぞ、残り1週間の休みのちょうど中間だ!

そこでビタミン愛美を満タンに補充しとけば、残りの休みをなんとか乗り切れそうだ!


「ありがとう、それじゃあ、あとは行き先だね。どこか行きたい所はある?」


そんなの、愛美お嬢様とならどこだってイイに決まってるじゃないですか〜!

私目の意見など放っておいて、愛美お嬢様の行きたい所をお申しつけください〜!


「別にどこだっていいぜ、アタシは」

「そ、そっか。それなら、え〜と……肝試し、なんてのはどう?」




ピクンッーー!!!




き、肝、試し……?




「なんか、夏っぽくてよくない? うだるような暑さも涼しくなりそうだし」



マ、マジっすか……。






マジっすか、愛美お嬢様ぁっっっーー⁉︎






あらゆることに動じない、この松城百合子。



……です、が。



じ、実は、怖い系のやつは唯一苦手だったりするワケでございまして……。


どこでもイイとは言ったけど、肝試しはちょっと、やめてほしいな〜、なんて……。



「う〜ん……でも、心霊スポットに女子2人だけってのもあんまり安全じゃないかなぁ」



そう!

そのとおり!

いいぞ、さすが愛美お嬢様!

ナイス軌道修正でございますぞ!


「あっ、それじゃあこんなのはどうかな? お化け屋敷に行くとか!」



……へっ?



「遊園地のお化け屋敷なら、作り物だし安全だよね! どうかな?」


え、え〜と。

あくまでも、そっち系で推す感じですか?

あ、あんまり軌道修正されてないような……なんて。


……いや。




いやいやいやいやっ!


しかぁしっっっーー!!!




愛美お嬢様は、それを望んでいらっしゃる!


私目が果たすべき役割は、いつだって愛美お嬢様の希望を満たすこと!

この百合子、いくら苦手なジャンルだろうとも喜んでお引き受けいたしますっ!


「ま、まあ、アタシは別にいいけど(声震えっ)」

「ほんとっ⁉︎ やったあ、楽しみ!」


な、なんだろう。

メチャクチャ嬉しいのに、メチャクチャ複雑なこの感じは。

だ、大丈夫かな、当日、アタシ……(ヒクヒク)


「ねえ、百合ちゃん」

「えっ?」

「これって……なんか、デートみたいだね! へへ(嬉しさがダダ漏れな、超絶テレテレなエンジェルスマイルでニコッ♡)




ドボフンッッッーー!(※注 百合子の頭の中が爆発しました)




ーーその後、百合子が昇天したのは言うまでもない。





……って。


こんな調子で百合子はお化け屋敷を乗り切ることができるのか⁉︎(次回へ続く!)






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