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アタシの愛美に手を出すな!〜百合子が初恋した話〜  作者: 碧木美月


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17/48

17.ドキドキ花火大会(大輪の想い編)



「はあ〜、食べた、食べた! 焼きそばにポテトにカキ氷。お祭りを満喫してるって感じで幸せ〜!」

「そやなあ、さくらにつられてウチも食べすぎたわ」

「あっ、射的だ。懐かしい〜!」

「ホントだ〜、最近あんまり見なくなったよね」

「やろやろ! 今度いつできるかわかんないよ?」

「……やば、さくらの童心をあおってしまった」

「ねえ、愛美ちゃんもやろうよ! 1人3回まで撃てるって!」

「えっ? ああ、うん」

「あ、よ、よかったら、松城さんも、ど、どうっ?」

「……興味ねえ」

「で、ですよねっ〜!(さくら、汗ぶっわ〜!)」

「あと、男子と女子でどっちがたくさん景品取れるか勝負しようとか……そんなの、いらねえからっーー!(草中君に視線をギンッッッ!)」

「えっっっ⁉︎ ああ、うん! もう、いいよね、そういうのは!」


……ふん。

どうせ、またやろうとしてたんだろ。

同じ手はくわねえっつーの!




◇◆◇◆◇




パンッッッーー。


「はあ……全然だめだ」

「どれ狙ってるの? 凛咲さん」

「え? あっ……草中、君」




ピクピクピッッックウウウーーン!!!




なに……。


勝手に……。


愛美に……。


話しかけてんだ……?


ロールキャベツ……!


くそ野郎おおおっっっ!!!




「あ、えっと……あの、ペンギンのキーホルダーを」

「ああ、あれか。小さいけど重量がありそうだね……よかったら、狙いやすい構え方を教えてあげるよ(愛美の腕に自分の腕をナチュラルにスゥ〜)」

「えっ⁉︎ あ、でも、もう、弾は……!」






ズバッキュウウウウウゥウウウウンッッッーー!!!






「っっっーー!!!(草中君の目の前を、高速の弾丸がビューンッ!!!)」




チ、チラ……(草中君が、弾丸の飛んできた方へ怯えながら顔をソロ〜)






ズウゥゥゥンッッッーー!!!(そこに、銃を構えた百合子が仁王立ちでドォンッッッ!)






「あ、あれえっ……⁉︎ ま、松城さん、射的、興味、なかったんじゃ?」

「それが出たんだよぉ……急になあっ!!!」

「そ、そう、なの?」

「なんか……文句でもあんのかっ⁉︎(ギロッ!)」

「い、いや、別に!」

「……邪魔だ、どけっ!」

「は、はい〜!(ピュ〜!)」


ふうっ……。

ったく、油断も隙もありゃしねえ。

本当なら、てめえのこめかみに向けて弾を撃ち込んでやりたかったぜ!


……つーか。


もう。



ゲーム系のやつに食いつくのは勘弁な、藍川さくら……。




◇◆◇◆◇




「アサミ、今何時?」

「ああ、えっと……7時半」

「そろそろ花火を見る場所を取りに行こっか。私、いい場所を知ってるんだ!」

「そういえばさくら、毎年来てるってゆうてたなあ」

「うん。ちょっと人ゴミを抜けないといけないんだけど、綺麗に見える穴場スポットがあるんだ。そこでいいかな?」

「もっちのろん! だよね、みんなも!」



はあ……。

やっと花火までたどり着いたか。

長かったな。


でも、ここを乗り切れば終わりだ。

安心しろよ、愛美。

この松城百合子、最後までお前を守りきってみせるぜーー!




◇◆◇◆◇




「うわあ、すっごい人ゴミ……! アサミ、いる?」

「うん、愛美っちも一緒! でも、ほかのみんなは、ちょっと、わかんない……!」

「場所はみんなに伝えて共有したから、はぐれても合流できるはず! とりあえず、進もう!」

「了解……愛美っち、こっちな!」

「ま、待って、小野寺さん……! ああっーー⁉︎」

「あれ? 愛美っち、どこ……⁉︎」

「っっっ……!(ど、どうしよう、小野寺さんと、はぐれ、ちゃった……! うう、苦しい……!)






ガシイッッッーー!(何者かが、アサミとはぐれた愛美の腕をつかんで、グイッ!)






「っっっーー!(イ、イヤッ、誰⁉︎ ヤダッ……怖いっ! やめてっ……やめてぇぇぇ!)」






「大丈夫かっーー⁉︎」






「えっ……?」

「よかった、無事か?」

「百合……ちゃん……」

「すっげえ人ゴミだな。ケガ、なかったか?」

「う、うん」

「どうする? がんばってもう1回抜けてみるか?」

「……ううん。ここで……いい」

「そ、そうか? まあ、お前がいいなら……」


よかった〜!

こんな人ゴミ、華奢(きゃしゃ)な愛美には無理ありすぎだぜ。


つーか。


焦ったぜ。

アタシとしたことが、人混みの圧にやられて愛美を見失ってしまうとは!


……それにしても。


愛美を助け出したのがアタシでよかった。

もしこれが、ロールキャベツくそ野郎だったと思うとゾッとするぜ。


それに。


花火を見る場所なんて、愛美と一緒ならどこだっていいんだようっ〜!(ルンルンルン♪)




◇◆◇◆◇




ヒュウウウウ……パ〜〜〜ンッ!




は、始まった。

人ゴミから少し離れた木の下。


愛美と。

2人きり。


ド、ドキドキ。

しすぎてっ。


アタシの……。

アタシのっ……!






アタシの花火の方が、乱れ打ち状態なんですけどおおおおおっっっーー!!!(※注 百合子の絶妙にフワッとした例えをご了承ください)






「キレイだね……」

「お、おう……」


……って。


愛美の方がな!


花火の光がキラキラ反射するその横顔が美しすぎて、もはや直視できないよ〜っ!


ああ、だめだ……。

破壊力がすごすぎて、頭がクラクラしてきた……!



はっーー!



いかん、いかん!

そういえば、大切なミッションを忘れていた!

邪魔者がいないこの絶好のタイミングで、今こそ「アレ」を渡さなければ!


「あ、あのさ……」

「ん?」

「コレ、やる」

「えっ……⁉︎ コレ、射的の景品の……」

「そのペンギンのキーホルダー、狙ってたんだろ?」

「あ、うん……」

「なんか、たまたま取れたから……やる。アタシも、スーパーボール1個もらったし」

「っ…………」


あ、あれ?

なにもリアクションがないぞ?



…………。






や、やばいっっっーー!






なんか!

なんか、重たかったですか⁉︎

こういうの、しない方がよかったですかっーー⁉︎




「グスッ……」




な、泣いてるっっっーー⁉︎

まま、愛美が泣いてるうううっーー!


や、やっぱり重たかったんだ!

こういうの、重すぎたんだあああ!


どどっ、どうしよう⁉︎

どうしようっつったって、どうしようっ⁉︎


と、とりあえず謝ろう!

今日のこと、トータル的に謝っておこうっっっ!


「……わ、わるかったな、今日は」

「えっ?」

「いや、その……アタシ、色々とわけわかんねえこと言ったり、やったりしただろ? だから……ごめん」

「…………」



なにも言ってくれない……。

嫌われちまったのかな、アタシーー。



「……百合ちゃん」

「えっ?」

「…………(クスッ)」

「……?」






「××××(愛美の声をかき消すように、花火の音がパ〜〜〜ンッ)」






「あっ……ごめん、なんて言った?」

「……ううん、なんでもない」


な、なんだよ、花火のヤツ。

こんなタイミングで大きな音を立てやがって。


愛美、なんて言ったんだ?

気になる、じゃん……。



あっ……。

でも……。

少し、笑ってるーー。



ん?

愛美が空の花火に向かって、銃を撃つように手をかざした……?






「……ばーんっ」






へっ……?

な、なんだ?

それ……。






「今のは、ちゃんと()()()()()に当たったかなーー」






「えっ?」

「……ううん、こっちの話」

「は、はあ……」

「ねえ、百合ちゃん」

「ん?」

「これが終わったら……2人だけで、帰っちゃお?(下まぶたに意味深な涙のあとを輝かせ、おねだりするようなエンジェルスマイルでニコッ♡)」




パパンパパパパアァァァンッッッーー!(※注 百合子の頭の中の特大尺玉が炸裂しました)




ーーその後、百合子が昇天したのは言うまでもない。(花火大会編、これにて完結♪)






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