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アタシの愛美に手を出すな!〜百合子が初恋した話〜  作者: 碧木美月


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14/48

14.やっぱ、参戦宣言!



はあ……食った、食った。

今日も愛美の隣りで昼メシ食べれて、幸せ〜。


「ねえねえ、愛美ちゃん」

「え? ああ、藍川さん」


あん?

こいつは……。


かつて、弁当を食べる友達グループに愛美を誘った藍川さくら(※第8話参照)。


いったいなんの用だ?


「あのさ、今週の土曜日ってなにか予定ある?」

「今週? いや……特にはないかな」

「よかった! じゃあさ、一緒に花火大会へ行かない?」



ピクッーー。



……花火、大会?



「うん! 屋台もたくさん出て楽しいしさ、どう?」

「あ、えっと……どう、しよっかな?」

「行こうよ、特に予定ないんでしょ?」

「う、うん……(百合子を横目でチラ)」



っ…………(※注 百合子は愛美の視線に気づいていません)



「ねえ、百合ちゃ……あ、松城さん」

「へっ⁉︎ お、おう?」

「松城さんも、一緒に行かない?」

「えっ……?」


と、アタシが目を見開いた1.5秒後ーー。




「ええええええっっっーー⁉︎(byさくら)」




おわあっ!

ビ、ビックリしたあっ!

なんちゅう驚き方だ!


……いや、でも。


当たり前っちゃあ、当たり前か。

愛美以外のヤツらにとって、アタシはこの学校でケンカ最強のヤンキーなんだから。

そんなおっかねえヤツが来るとか、イヤに決まってる。


……それに。


愛美も気をつかって声をかけてくれただけだ。

一緒に図書委員をやってるよしみとか、きっと、そんな程度で……。


とにかく、せっかくの女子同士の付き合いに水を差すことはできない。


すまねえな、愛美。

声をかけてくれて嬉しかったぜーー。


「いや、アタシは行かねえ」

「え……?」

「別に、そんなの興味ねえし」

「っ…………」


愛美、どんな顔してるかな。

申し訳なくて愛美の方を向けない。


……いや、でも。


別にどうもこうもねえだろ。

大して意味もなく声をかけてくれただけなんだから。深く考えすぎるのはやめよう。


……つーか。


藍川さくら。

聞こえまくってるぞ。

「ホッ……!」っていう全力の安堵の声。

いや、まあ、別にいいんだけど。


「そしたら、愛美ちゃんは来るってことでOK?」

「え? ああ、うん……」

「よし、じゃあ決まり! よかったあ、これでちょうど3対3だ!」




ピクッーー!




「実は、草中から一緒に行かないかって誘われたんだよね」




ピクピクウッッッーー!!!




くっ……草っ……中っ……だとっ……⁉︎




「草中んとこの仲良しグループって男子3人でしょ? でも、私んとこはアサミを含めて2人だから、もう1人誘って3対3で行かないかって言われてさ」




ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴッ……!




「あと、草中たちのリクエストで当日はお互い浴衣ってことになったんだ」




ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴッッッ!!!




「もし持ってなかったら言ってね、知り合いに貸衣装屋がいて貸してもらえるから!」






ドバッッッコオォォォォォォォォッッッンーー!!!(※注 百合子が机を破壊せんばかりに正拳突きしました)






「ヒッ、ヒイイッーー!(さくら、ビクウッ!)」

「ゆゆ、百合ちゃんっ……⁉︎」

「やっぱ……アタシも行くわっ……!」

「えっ、えええっーー⁉︎ (さくら、衝撃っ!)」


なるほど……。

そういうことか。

全ては、あのロールキャベツくそ野郎が仕組んだワナ……!


アタシが近くにいたんじゃ愛美に声をかけにくいから、クラスの女子を利用して間接的に誘い出し、グループ同士の交際といういかにも自然な形をつくり出して愛美に近づこうってことだな!


しかも、己の眼福を図るため浴衣という萌え衣装まで指定してくるとは!

アタシもまだ見たことのない、愛美の浴衣姿を……!




ゲスいっーー!


ゲスいにも程があるぜっ!

このロールキャベツくそ野郎があああっっっ!!!

 



だがっ!


しかしっーー!




誤算だったなあ、ロールキャベツくそ野郎さんよお……!

お前の予定じゃあ、藍川さくらはアタシがいないトコで愛美を誘うと思ったんだろ。


甘いぜーー!


あらゆることを想定して、アタシは常に愛美のそばにいるんだ!


そして、性懲りも無く、


「クラスカーストはいつも最下層が定位置だった僕が、高校デビューをきっかけに本気を出したら読書好きの天使とソッコーで付き合うことになった件」


……を、まだ頭ん中で執筆してるようだが(※第3話参照)、そのクソつまんねえ妄想ラノベ、ここらでアタシが打ち切りにしてやるぜっーー!


「え、えっと、松城さん、花火大会とか、興味、なかった、んじゃ……?」

「それが出たんだよ……急になあっっっ!」

「そ、そ〜なんだあ⁉︎ あ、いや、でもお……その、一応、3対3で行くっていう話に、なって、ましてえ……」

「別に合コンでもなんでもねえのに、女子の人数が1人増えるぐらい問題ねえだろっ……⁉︎(ギロッ)」

「だっ、だよねえっ⁉︎ うん、わかった! 草中にはそう言っとく! じゃ、じゃあ、待ち合わせの場所と時間はまた伝えるねえっ!(ピュ〜〜!)」




シ〜〜〜ン。




「ゆ、百合ちゃん……よかったの?」

「……おう」

「そ、そっか……」

「ところでお前、浴衣とか持ってんのか?」

「うん、たぶん持ってると思う」


ピクッーー!


「……それ、着て行くな」

「え? ど、どうして?」


どうしてって!

そんなの、ロールキャベツくそ野郎なんかに愛美の尊く、そして萌え萌えな浴衣姿を見せるわけにはいかねえからに決まってんだろ!


「……か、蚊に、さされるからっ!」

「へっ……?」

「あ、足もとの隙間から、蚊に入られてさされるからっ!」

「そ、そうかなあ……? むしろ、あんま隙間ないような……」

「あ、あるんだっつーの!」

「そ、そっかあ……⁉︎ でも、虫除けしてたら……大丈夫かも?」

「そんなもん、すぐに汗で流れちまうからダメだ! 蚊除け対策として、アタシはジーパンと長袖Tシャツ、それに、スニーカーで行く! だから、お前も同じ格好で来い!」


ホントは蚊じゃなくてロールキャベツくそ野郎除けのためだが、これぐらいやったら肌の露出も少なくてすむ!

許せ、愛美。

これも、全てはお前を守るためーー!


「あっ、う、うん……でも、藍川さんにはどう言えば……」

「そんなもん放っとけばいい! なんか言ってきたら、アタシが説明してやる!」

「わ、わかっ、た……」


よし。

とりあえず今できる最低限の策は講じた。

あとは当日、全力で愛美を守るのみーー!


「……でも、ちょっと、残念」

「えっ?」

「百合ちゃんの浴衣姿……とっても、見たかったから(実はコッソリあなたの浴衣姿を想像して、キュンキュンに萌えちゃったんだぞ? 的なエンジェルスマイルでニコッ♡」




ドボフンッッッーー!(※注 百合子の頭の中が爆発しました)




ーーその後、百合子が昇天したのは言うまでもない。





……が。


果たして、こんな調子で百合子は愛美を守れるのだろうかーー⁉︎(花火大会編へ続く)






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