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12・夢見たその先へ

 家の入口につくと、いつものようによりちゃんとキスをして別れる


 そのまま家の中に入ろうとしたらキキに話しかけられる


「杏、伸太様が修行してるよ。挨拶しに行こうよ」


「うんっ!そうだね!早くこの魔法のこと、話ししたいもんね」


 垣根の隙間からいつものように顔をのぞかせる


「ししょーこんにちは!いいニュースがあるっす!」


「お!こんにちは杏子ちゃん。なになにどーしたの?」


「なんと私、覚醒して魔法、使えるようになりました!」


「おお!やったじゃないか!でも随分早い覚醒だね」


 会話しながら庭にお邪魔したところで、キキが割って入る

「やあ、伸太様こんにちは。

 こうして挨拶できるようになれたこと、とても嬉しく思うよ」


「お、キキちゃん喋れるようになったんだね。よろしくね

 でもなんで様付け?」


「ああ、伸太様から授かった魔力のお陰で覚醒できたからね。感謝するよ」


「ありゃ、杏子ちゃんだけじゃなくてキキちゃんにまで感染ってたのかー」

  いやーまいったまいったと頭を掻いている伸太


「えっと、あのー。ししょーはキキが喋っても驚かないんすか?」


「あ、え?まあ多少は驚いたけどさ、このちからに目覚めてから

 色々知っちゃったからな~。

 だってさ、不思議な力があって、天使と魔族?が居てさ、

 更に異世界まで実際にあるんだよ?そりゃ猫が喋っても、

 ああやっぱ喋るんだ、くらいにしか思わなくなっちゃわない?」


「まあ、そうなるっすね・・・って異世界!?まじっすか?」


「ん?ああ、どうやらボクは元々そっちの住人?になるのかな?」


「ほえー、なんつーか今日は衝撃の事実ばっかで頭がついてこないっす」


「それでは伸太様、杏から積もる話もありそうだし、

 ボクはここらでお邪魔するよ。気になることもあるからね」


「うんわかった。今度キキちゃんの話しも聞かせておくれよ」


「そうだね、ではまたの機会に」

  そう言って一旦家に入ると、毛の色を白くして何処かへ去っていった


「え、キキあんな事もできるようになったんだ・・・」


「そういえば覚醒の能力はいつも聞いてた感じの能力?」


「そうっす!足りなかったピースのあと一つが全部魔力で補えたので、

 想像してた通りの魔法が使えるようになったっす!」


「へー、じゃあ色んな属性の魔法が使えるようになったんだね」


「ええ、ただ弱点もあって、同じ属性の魔法はすぐ使えるっすけど

 違う属性の魔法を使おうとする時に、一旦切り替えなきゃならなくて

 少しラグと言うか隙ができる感じっすね」


「でも色んな属性の色んな魔法が使えるってだけでも凄い能力だよ」


「あ、ありがとうです。今後の課題としては切り替えの最適化と

 複合魔法、違う属性同士の組み合わせとかやってみたいっすね」


「おお!あれだね、火と氷で全てを消滅させちゃう呪文。

 あとは光と闇が合わさると最強の魔法もできそうだね」


「最終的には基礎の4属性使って特大爆裂魔法を使いたいっす!」


「杏子ちゃん爆裂魔法大好きだもんね」


「ええ、まさか実際に使える可能性が出てくるとは思わなかったっす!

 いやーこうやって魔法が使えるようになったり、

 能力を語り合うのが夢だったんすよー・・・・・・。」

  杏子は、ハッと何かを思い出したかのような仕草をする

「あ・・・夢・・・」

  指を軽くパチッと弾いて小さな火を出して

   その火をまじまじ見つめる


「そうっす・・・ついさっき力に目覚めてから、今の今まで、

 色々ありすぎて考えてる暇すら無かったけど、

 これが、つい昨日までは、ずっと『夢』だったんすよ・・・」


 その火をフッ、と消す

「夢・・・叶っちゃったんすね・・・。

 ずっと、ずっっと、ずーーーっと憧れ続けてた、私の、夢・・・」

 

 ふと、涙が頬を伝う


 そしてこちらを見てニコっと笑う


「私、叶ったんだ、魔法、使えるように・・・

 ずっと、どんなに、どれほどこの時を・・・うう」


 押さえつけられてた感情が溢れ出し


 涙も次から次へと溢れ出して止まらない


「う”う、ししょー、わ”だし、ひっく、ごれ、ほんとに、

 ゆめじゃ、ゆめじゃない”んれすね、ぐっ、うっ」


 泣きじゃくるその姿は、見たまんま幼い子供のようだ


「うん、夢じゃないよ」

 優しく頭を撫でてあげる


「ありが、ひっく、ほんとありがおーごらいます。ちから、くれて、ううっ」


「意図してあげたわけじゃないんだけど、でも、よかったね、ほんと」


「う”ん、うん、・・・」

 暫くそのまま泣き止むのを見守ってあげてると、少し落ち着いてきたようだ


「・・・私、小さい頃から何もなくて何もできない駄目な子で、

 でも、魔法に魅入られて、魔法のことだけを考えてれば

 どんなに現実が辛くても乗り越えられた・・・

 魔法は私にとって生きる手段だったんす

 ある日ししょーに出会って生きる楽しみが増えて、

 それからよりちゃんに出会えて、やっと生きる目的ができた・・・」

 

 ふうっと一息つく

「もし私がここに住んでなかったら、もしお二人に出会えて無かったら・・・

 多分今頃はもう、この世界を見限ってたかもしれないっすね・・・」


「そんな悲しいこと言わないでよ。もし世界線が違っても、

 ボクはもちろん、頼子ちゃんとも絶対に出会ってたはずだ!

 それだけは変わらなかったと信じよう!」


「そう、っすね。魔法があったんだもん。信じていれば必ず叶うっすね」


「そうさ!それにこれから先はもう、楽しいことで溢れるはずさ!

 ボク達は能力に目覚めて違う世界を知ってしまった。

 それは想像の中でしか無かった憧れて求め続けた世界、

 もう今までの普通の日常ではない、新たな世界で生きるんだ。

 そう、辛かった日々なんて思い出す暇さえ無くなるはずさ。」


「うんっ!明日を楽しみにできるなんて思ってもみなかった!

 私、今日で生まれ変わったみたい。もう、明日も怖くない!」

  ニコッと満面の笑みを浮かべる


「その意気だ!」

  親指をぐっと突き立ててニカって笑い返す


  その様子を依澄家の二階から見つめる2つの影


「・・・あの二人仲が良いね」

「うわき・・・かしら・・・」


  少し不穏な空気が流れる

 

登場人物のイメージ画像を作り中です https://46624.mitemin.net/

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