第二話 意味の分からぬ押し問答
タイトルの通り意味が分かりません(え
なんと言うか、全然話が進みません(自分のせいですが……
書き方をどうしたらいいか迷ってますが、一人称では『俺』とかの方
が良かったりするんでしょうか?
森をさまよい、見つけた小屋の扉を開け、問答無用で股間にクリーンヒットをくらい
その後意識を失っていた壬空は叩き起こされ、事情聴取を受けていた。
「お主がどうやってこの森に入ったと聞いているのじゃっ!」
「あ~、さっきから言ってるだろう。 起きたら森の中にいたんだって」
「それでは答えになっておらぬわっ!」
悶絶するほどの痛みを受け、その後の長時間の尋問に近い事情聴取により精神をすり減らした壬空。
それになお食いつく小柄な少女は壬空の回答がお気に召さないのか、机に拳を打ちつける。
「貴様は‘奴等’のまわし者なのじゃろう!」
「だから奴等ってなんなのさ、俺は帰り道を教えて欲しくてこの家に来たんだって」
壬空が起きてから延々と続く押し問答、理解の出来ぬ‘奴等’と言う言葉。
「もういいですよ、露女」
「いや、だがミズハ……」
噛み合わないこの会話に何を思ったのかずっと沈黙していたもう一人の少女、─────ミズハが割って入る。
「良いんですよ露女、それに話が進みませんし……」
「うぐっ」
「先程からの貴方の言動は、
すぐ信用する事など出来ません。ですが、私には貴方が嘘を吐いているようにも
思えません」
ミズハはいったん言葉を切ると、何かを考えるように右手を顎の辺りへと持っていく。
その間にも先程から壬空を言及していた少女────露女と言うらしい────は壬空を睨み続ける。
「貴方は起きたら此処にいたと言っていましたよね?」
「ああ」
此処へ来て始めてのまともな質問と回答に、今まで怒鳴られ続けていた壬空は胸を撫で下ろすような心境だろう。
「それでは、此処がどこかは知っていますか?」
「イヤ、知らなくて手掛かりがあればと思って、君等の家に来てみたんだが……」
下手をしたな、とでも言うような顔をして壬空は言葉を切る。
一瞬、ミズハは何か考えて、次ぎの質問につなげる。
「では、貴方は自分が何処から来たのかは、
覚えていますか?」
「ああ、俺は記憶喪失なんかじゃねえからな、
自分の名前も、居た場所も、大体の事は覚えてるし、すぐ言える。
だから早く、此処がどこが教えちゃくれねえか」
記憶は有るか、そんな問いはするだけ無駄だ、壬空はイラつきながらも正直に自分の今の状況を教えた。
「そうですね。
こんな前置きはもう不要ですね……
貴方が今いる此処は私たちの────
諦めるような顔で
決意するような顔で
ミズハのその唇から
─────【結界】の内側です」
明宮 壬空の運命を変える言の葉は、紡がれた。
◆ ◇ ◆ ◇
≪魔術≫それは、ゲームや映画、漫画、そういった想像や創作物の中でのみ使われる言葉だ。
大体の人間はそう思って生きている。
だってそうだろう、非現実的過ぎる。
人間は欲深い生き物だ。
魔術だの何だの、そんなものが現実に在ってみろ、理解の出来ない猟奇殺人や犯人の見つからない
窃盗事件とか多くの事件が起きてもおかしくない世の中になるだろう。
それが普通。
それが現実。
だがそんな常識は、この少女達には通用しない。
「解っていただけましたか?」
「ああ、解った。解ったんだがな……」
「やっとか、貴様の頭はケモノ以下のようじゃの」
彼女の結界と言う発言により、壬空は自分自身の常識を壊されぬよう彼女達の言う事の荒唐無稽さの
説明をしていたのだ。
だが、彼の必死の抵抗も虚しく彼女達が壬空の目の前で≪魔術≫を行使して見せる事でものの見事に
壬空の持つ一般常識は打ち崩された。
空気が凝結し、浮いているのだ。
今まで壬空が教わった事の中に、空気を凍らせる術は有れど、それを空中に留める術は知らない、
教わっていない。空気を凍らせるにしても、数秒間と言う短時間でそれを行う事は出来ない。
ならば眼前で起きている事が、夢の中の出来事だと言うのか?
それこそあり得ない。
壬空は一度森の中で起き、そして此処で意識を刈り取られ再び起こされた。
それでなお此処が夢幻の内側であると言うのなら、どこからが現実でどこからが幻想であるのか、
その境界線が無くなってしまう。
─────駄目だ。それだけは駄目なのだ。
そうなってしまっては、壬空が幼い頃から視続けていたあの夢までもが現実にすり替わってしまう。
それはだけは有ってはならない。
「嗚呼、言い忘れましたが、此の私達の結界が張って有るのはヒガンノ國。
きっとあなたの言う平和なニホンと言う国とは、程遠い国ですよ」
ミズハのその言葉は、思考する壬空の耳には、酷く残酷な言葉に聴こえていた。
読みずらいかと思いますが、愛想を尽かさず見続けてくれると
喜ばしい限りです。