表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
4/24

第四話 僕の街へようこそマリアさん その一

不定期になりますが、連載再開です。

 再び、俺の部屋へ転移で戻った俺たちは、戦いに備え、装備を整えるまで、こちらの世界、つまり日本で過ごすことに決めた。


 「マリア、さっきは少し言い過ぎたかもしれないけど、あの宰相は、自分のしでかした失敗を詫びようともせず、マリアの人生を狂わせたかもしれないのに、王への態度がどうとか、話にならないから、腹が立ってしょうがなかったんだよ。」

 「いいのよ、私のために怒ってくれたのだもの。

 でも、すっかり敵対しちゃったわね。ああいう人物なら、いずれは敵対するでしょうから、遅いか早いかの違いだけだと思うわ。」

 「そう言ってくれると、ほっとするよ。」

 「私はあなたに、どこまでもついていくって決めたのよ。たとえそれが私にとっての異世界であってもねっ。」

 そう言って、微笑むマリアに見とれてしまった。だって、こんな綺麗な娘、この世界に居そうもないもの。


 「マリア、これからのことだけどね、二人で両方の世界を行き来して暮らすことになるよ。もちろん夫婦としてね。

 マリアにも領主の娘としての仕事があるように、俺にもこちらの世界での仕事があるから、時にはこの部屋で一人で留守番してもらうけど、慣れてくれば外で買い物や散歩もできるようになると思うよ。」

 「ええ、そうね、今はこちらの世界のことを何も知らないから、少し怖いけど、あなたと暮らすのだから、しっかり覚えるわ。」

 「よしっ、そうと決まれば、さっそく出かけてみよう。もうじきお昼だし、何か美味しいものを外のお店で食べよう。まあ、マリアにとっては初めての食べ物ばかりだとは思うけどね。」


 外はいい天気だ、季節は夏の終わり、なんとなく空が澄んで、秋の気配間近なのかも知れない。

 マリアを俺の愛車、濃紺のシボレーMWの助手席に乗せて、大型ショッピングモールをめざす。二度目の外出だから、マリアは車のことや、車道、歩道、信号のことなんかを知っている。


 ちゃんと言ってなかったね、この街は札幌という名の街だよ。

 四つの大きな島からなる日本という国の北に位置してるんだ。 

 春夏秋冬の四季があって、夏は暑いけど、冬には雪が降るんだ。

 今は、夏の終わりだから、だんだん涼しくなっていくよ。

 そんな説明をしながら車を走らせて、市内を見下ろせる公園にやってきた。 

 駐車場から、ちょっと登ると眼下に斜面が広がり、市内が一望できる。公園のベンチに腰掛けて、自販機で買ったジュースをマリアに、俺は、缶珈琲を飲む。

 突然、「きゃっ、何かしら、小さな生き物がいるわ」 マリアの声に少し驚きながら、視線の先を見つめると、いた。

「どうやら、リスのようだね、森に住むとても臆病な動物だよ、木の実なんかを食べるんだ。」

 リスは、一瞬こちらを向いたがすぐに木々の中へ姿を消した。

 「なんかとても可愛らしかったわ、この世界にも野生の動物達がいるのね。

 もしかして、危険な動物もいるのかしら?」

 「うん、この国には少ないけど、山の奥には、大型の熊や毒を持った蛇、海の中には、大型で人を襲う鮫という魚もいるよ。」

 「まあ、やはりどこの世界にも危険はあるものなのね。」

 

 それから俺達は、ショッピングモールにやって来た。

 「うわぁ、屋台がいっぱいあるようなところなのね。どれも美味しそうな匂いがするわ。」

 連れて行ったのは、《フードコート》だ。  

 「何がいいかな、お米のご飯はカレーで食べたから、麺にしようか?」

 「なんでもいいわ。だってどれも初めて食べるものでしょう?」

 「そうだね、それじゃあ、ラーメンと焼きそばにしようか。二人で半分粉すれば両方食べられるしね。」

 注文して待ってると、ポケットベルがなった。

 《ピンポーン!》

 「僕らの分ができたっていう知らせだよ。」

 「へぇ、魔法みたいね。便利には違いないわ。」

 マリアは、箸が使えないので、フォークなのだが、プラスチックなので使いづらそうだ。

 「《もぐもぐ、》この『焼きそば』というのは、油濃いけど、この赤い野菜の辛味が合うわ。」

 「《チュルチュル、》こちらは『ラーメン』だったかしら? このコクのあるスープがすごく美味しい。  

 入っているお肉も、信じられないくらい柔らかいの。こちらの世界にも魔法があると私は信じることにしたわ。」


 どうやら、二つともお口に合ったようだ。









評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ