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第二話 俺の部屋での食事と装備の準備

書き始めなので、度々改稿すると思いますがご容赦ください。

「マリア、婚儀について、国王はなんて言っているんだい? 婚儀を決闘で決めるなんて、国王が言い出したことなのか?」

 「いいえ、国王陛下は近隣の貴族たちの中から、私の夫に相応しい貴族を選ぶように申されたそうです。 そのことは、陛下のの王弟であるエジル公爵が王家の使者として見えられて、私に伝えられましたわ。」


 「じゃあ決闘で決めるというのは、周辺の貴族達の中でも、話合いでは纏まらず、対立があったから、そうなったようだな。」

 「そうだと思います。エジル公爵が帰られた後に、オットー伯爵がそう決まったと言って来ましたから。」

 「そうか、国王に謁見することは可能か? もしできるなら、話してみる必要があると思うんだ。」

「私が婚儀について、話したいと申し出れば謁見は可能だと思います。でも何を話されるつもりですか?」

「ああ、二つある。一つ目はイシスタ伯爵殺害の犯人は、近隣貴族の中にいる可能性が高いということ。

 その貴族と結婚する可能性があるのに、それでも、婚儀を進めるのか?という、疑問だ。

 

 二つ目は、女神クロートの神託により俺たちが結婚することになったことを、国王がどう思っているのか、確かめたいと思う。」


 「王都までは、馬車でどんなに急いでも3日かかります。

 そうすると決闘が終わってしまうのではないですか?」 

「できれば決闘の前に、謁見したいところだけど、決闘と婚儀は別物だから、勝手にやらせておくさ。」


「ところでマリア、きみはこの街に住んでいるのかい?」

「いいえ、私の住むイシスタの領都は、ここから馬車で二日ほど行ったところにあります。

 でも、今回は女神クロート様の召喚で、転移で参りましたので、一瞬でしたわ。」

 「そうか、ひとつ試したいことがあるんだけど、手を繋いでもらってもいいかな?」

「はいっ、ちょっと照れますが、構いません!」

 そう言って差し伸べられた、マリアの右手をしっかりと左腕で抱え込み、ログアウトとつぶやいた。

 すると次の瞬間、俺とマリアは、俺の部屋に立っていた。

 時計をみると、午後11時40分、あれっ、一日が経過してしまったのか?

 スマホの日付を見ると今日のままだ。

 どうやら、異世界に言っている間は、こちらの時間が停止しているようだ。

 もしかしたら、今のここで経過する時間は、反対に異世界の時間が、止まっているのじゃないだろうか。


 「マリア、ここが俺の世界だよ。夜で暗いけど、少し街の灯りが見えるだろう?」

 「ええ、見えますわ。とってもきれい。まるで夢の世界みたいですっ。」

 あれっ、異世界でも夢の世界っていうのか、なんか思わず親近感が沸いてしまった。


 異世界への移転先が、女神の神殿だけなのかどうか、気になるところではあるが、お腹も空いているし、マリアに何かご馳走しよう。

 冷凍ご飯と、レトルトのカレー、それにインスタント味噌汁にするか。どれも電子レンジでチンだ。

 カレーは、俺が中辛、マリアには甘口だ。

 インスタントの味噌汁は、俺の好きなシジミの併せ味噌汁だ。

 カレーは、甘口なら大丈夫かなぁ?そうだ、飲み物に牛乳を出そう。


 「マリア、食べてみて。カレーライスと言って少し辛い料理だから、辛かったら、この牛乳を飲んでみて。」

 「はい、ありがとうございます。うふふ、楽しみです。」

 そう言って、マリアは中くらいのスプーンをふぅーて冷ましながら、ひとくち口に入れる。

 あれぇっ、目がまん丸になってるよ。やっぱりマリアには、辛かったのだろうか?

 でも、その驚きのしぐさが、とても可愛い。


「すごいですわっ、辛いけど、すごく美味しいっ。なんか病みつきになる味です。」

 病みつきって、異世界語あるんだっ。

 否っ、翻訳されてるだけか。それにしても、マリアの笑顔がまぶしい。

 おまけに、21才のはずだけど、なんか幼さい、あどけなさが、めちゃ可愛い。


 「この牛乳ですか、飲むと辛さが消えて、カレーライスが、さらに美味しく感じます。

 それに、この味噌汁というスープも、とても良い味がしますね。シンジ様の世界って、素敵ですわ。」

 「マリア、その、様付けはやめようよ、

 俺たちは、結婚の約束もしたんだし、俺のことは、シンジでもシンでもいいから、呼び捨てにしてくれ。」

「うふふ、じゃあ、シンジっ。これでいい?」

「ああ構わないよ。さて、一休みしたら準備と実験をするよ。」


 食事を終えると俺は、再びマリアの腕を取り、「マリア、きみが女神に召喚される前に居た場所を思い浮かべてみて。」

 そうして俺は、「ログイン、マリアの思う場所へ」そう、つぶやいた。

 その瞬間、俺たちはマリアの城の神殿の間に転移した。

 神殿には、一人の侍女がたたずんでいた。

 突然現れた俺達を見て、驚いていたが、マリアを見て安心したのか、微笑みを浮かべた。

 どうやら、マリアの侍女らしい。


 「レイア、この方は女神クロート様が、私を救うために遣わされた、シンジ様です。

 シンジ、心配入りませんわ。彼女はレイア、私の信頼する侍女です。」

 「そうか、レイアさん、シンジといいます。 

 きみはここにずっと居たの?

 マリアが、女神に召喚されたあと、どのくらいの時間がたったのかな?」


 「シンジ様、初めてお目にかかります。姫様の侍女のレイアと申します。

 姫様は、ずっとここにいらっしゃいましたが、気が付きましたら、シンジ様とお二人で、驚きました。」

 そうか、やはり時間が停止していたようだ。うん、これは使えるな、なにかあっても、転移で準備ができる。

 「レイアさん、今の時刻は、いつ頃ですか?」

 「はい、もうじき、中天の刻限になります。

 なにか御用がございますのでしょうか?」

 「少しね、マリアもう一度転移するよ。」

 そう言って、マリアの腕を取り、ログアウトした。


 ふたたび、俺の部屋。時計の針は12時を回ったところだ。

 夜も更けた時間だし、寝ることにしよう。  

 「押入れから、俺のパジャマを出し、マリアに着替えて、ベットで寝るように話す。

 俺も着替えて、夏なのでタオルケットを一枚で、居間のソファーで横になる。

 マリアがなにか、言いたそうにしているが、構わず電気を消して寝る。

 疲れているせいか、すぐに眠りに落ちたようだ。


 スマホのアラームで目が覚める、曜日指定で設定してあるから、仕事の日は毎朝7時に鳴る。

 今日は金曜日、急ぐ仕事の予定がある日ではないので、急用ができたと言って、有給休暇を取ろう。

 顔を洗い、キッチンで朝食の用意を始めるとマリアが、俺のパジャマ姿で現れた。彼女を洗面所に案内し、一通り説明してシャワーを浴びるように、勧めて、キッチンに戻る。

 朝食はご飯と生卵、豚カツ用の肉を塩胡椒で焼いて、レタスとトマトとハムのサラダに、玉ねぎドレッシングをかけて、あとは、シジミの味噌汁を用意する。

 

 パジャマ姿のマリアが、テーブルに着いたので、生卵にしょうゆをかけ、溶いてやる。

 それをご飯にかけ、混ぜて食べるようにと渡してやる。もちろんスプーンだ。

「うわっ、温ったかいですっ、とってもまろやかな味。この野菜にかかっているものも、初めての味だけど、美味しいですっ。

 もちろん、味噌汁は最高ですっ」

 『あわあわ』しながらも、美味しそうに食べてくれている。


 会社に電話して、有給休暇を取ったあと、

 異世界で戦うための装備を、ネットの防犯グッズで注文する。

 二人の武器はボウガン。矢を50本ずつ。

 威力を上げるためには、あとで先端に5寸釘を嵌め込むつもりだ。

 それから、長さ2.5mのジュラルミン製の銛を購入。

 強力ゴムバンドで2m位は飛び出す代物だ。

 加えて、1.8mのステッキ型スタンガン。 

 伸縮警棒、サバイバルナイフ、催涙スプレー、投擲催涙弾、《目にすると数秒間盲目になる》フラッシュライト。

 防具は、軽量フルフェイスのヘルメット。

 モトクロスバイクの競技選手がつける、肩肘脛用小手に手袋。

 なんで売ってるかわからないけど、防刃ベスト。

 ちなみに靴は、二人で靴の量販店に行き、軽量合皮のスポーツシューズを選んで買った。

 超小型のサーチライト、トランシーバー無線、防水軽量腕時計各男女用、発煙灯。

 

 帰宅してから、購入してきた125ccオフロードバイク1台を改造して、荷台に座席を増やし、背もたれにジュラルミン製の盾で後部を覆い、前面も強化アクリル製のフロントフードを取り付けた。これでマリアを乗せても安全だ。

 バイクは必要に応じ、転移で運べばいい。

 その他、キャンプ用品のテント・寝袋・ランタン・折り畳みテーブルセット・バーベキューセットなどを、元々持っているものを用意した。

 火炎瓶を作ることにして、500㎖ペットボトルには灯油、200㎖ビニール容器には、ランタン用のホワイトガソリンを入れ、点火用の綿ひもを付ける。


 靴屋のついでに、量販洋品店にも行って、彼女が気に入った、スヌーピーのお揃いのTシャツと、細見のジーンズを買った。

 あと、俺が勧めて、スポーツブラというか、シャツ一体型のブラ付き下着を紺と黒、各2枚ずつ店員さんにサイズを選んでもらって買わせた。

 なんで、俺が女性の下着の知識があるかは、幸いにして、追及されなかったよ。


 さて、ネット通販の分は、届くまで3、4日かかるけど、王城への謁見は、危なくなれば転移で逃げればいいということで、出かけることにした。


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