表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
12/24

第12話 休日の過ごし方 その三

 動物園をたっぷり3時間堪能したので、次の目的地へ移動です。高速道路を使って1時間程のところにあります。

 昼食の頃合いだけど、レストランに入ると時間が掛るし、給料日前なので、ドライブスルーハンバーガーで、時間とお金を節約だ。

 マリアは、ドライブスルー初体験を喜んでいるよ。

 「まあっ、注文の時、お店の人と話したのは、この世界の魔法よね。

 それにしても、このチーズバーガーを選んだあなたは、私の好みを当てる魔法を使ったのかしら。」

 「そんなことないよ。単に、俺の好きなのを選んだだけだよ。他のハンバーガーも食べてみたら、もっと気に入るのが、あるかも知れないよ。」


 次の目的地、日帰り温泉の〘古代の湯〙に着いた。

 ここは、直径2メートル もの杉の丸太を柱にして、古代の原始林をイメージしている浴場が売りなのです。

 受付で湯上りの浴衣を受け取り、男女の浴場の入口で、1時間後に待合せの場所を、ゲームコーナーの隣の休憩室として、別れました。


 「温まったわっ。いろんな湯船があって、お湯の温度もいろいろあったの。

 薬湯の湯は、薬臭くてすぐ出たけれど、泡の出てる湯船は、気持ちが良くて寝てしまいそうだったわ。」

 「洗場のシャンプーとか、ちゃんと使えたかい? ボディシャンプーとか迷わなかった?」

 「大丈夫よ、隣の人が使うのを見てたから!」

 「サウナとミストの部屋があったのは、気がついた?」

 「ええ、両方とも入って見たわ。でも、露天風呂の方がゆっくり温まることができたわ。

 上からお湯が落ちて来るところなのだけど。何かなと思っていたら、おばあちゃんが入ったのを見て、わかったの。

 肩とか腰とかのマッサージになるのね、やって見たけれど、私には強すぎたわ。」

 「うん、結構楽しめたようだね。お風呂に入ると喉が渇くし、飲み物でも飲んで休もうか。」

 「ね、ね。私あれがいい!この前のとっておきのあれ。」

 「ああ、ソフトクリームだね。イチゴやチョコレート味もあるけど、何にする?」

 「チョコレートも食べてみたいけど、バニラが食べたいの。」

 リクエストにお答えして、バニラとチョコのミックスにしたよ。マリアの満面の笑みが正解だったと証明してる。


 〘古代の湯〙のある街は、俺が以前、近くに住んでいたことがあるので、街の情報には事欠かないのです。

 俺のこよなく愛するラーメン店や、好みのスープカレー店、落ち着ける蕎麦屋、独特なタレが旨い焼き肉屋、居酒屋の雰囲気でリーズナブルなイタリアンレストランと、選択肢は豊富です。

 だけど、今回は決まってます。ここまで来ないと食べられないラーメン、〘羅漢太〙本店です。

 「マリア、この前ラーメンは食べたと思うけど、俺が大好きなラーメン店が、近くにあるんだ。少し早いけど、夕食はラーメンでいいかな?」

 「ええ、もちろんいいわ。この前食べたラーメンの味は忘れられないの。それより美味しいラーメンがあるというなら、食べない訳にはいかないわ。」


 〘古代の湯〙から〘羅漢太〙までは、車で10分もかからない。店内に入ると、大食いチャレンジのポスターが、貼ってありました。

 「あら、60分以内に特大のラーメンを食べたら、無料ですって。どのくらいの量なのかしら?」

 「5人前位らしいよ。大食いに自信がある人が挑戦しているけど、ほとんどの人は無理みたいだね。

 ところで、おすすめは、チャッチャ系の味噌ラーメンか、ピリ辛の担々麺だよ。二つ頼んで半分粉しようか。」

 「それがいいわ。両方食べてみたいもの。」

 

 『お待ちどう様、チャッチャ系の味噌と担々麺です。お熱いので、お気を付けください。』

 

 「マリアは、味噌ラーメンから食べるといい。その方が味が良くわかると思うよ。」

 「ふぅふぅ。むっ、スープは濃厚なコクがあるわ。あなたが、好きと言うだけはあるわね。入ってるお肉も、信じられないくらい柔らかくて、スープの味と合って、とても美味しい。」

 「それじゃあ、今度は担々麺を食べてごらん。ちょっと辛いけど、それが美味しいんだよ。」

 「チュルチュルっ。そんなに辛くないわ。こちらもコクがあるわね。辛さが美味しさになっているわ。どちらも病みつきになる味よ。」

 マリアさんは、大食いだね。俺の分がなくなっちゃうよ。

 仕方がなく、味噌ラーメンを追加注文した、俺でした。

 帰りの車の中では、満腹と一日の疲れで、〘 眠れる森の美女 〙と化したマリアさんがいました。

 

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ