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第11話 休日の過ごし方 そのニ

 回らない回転寿司を堪能した次の日、朝からマリアのテンションが高い。

 「今日は、あなたのお仕事がお休みの日ね。この前は、景色の良い公園と、お買い物に連れて行ってくれたわね。

 今日はどこへ連れて行ってくれるのかしら?」

 

 うわぁ、外出決定かぁ。少し家でのんびりしたかったのだけど、マリアさんのご希望に、逆らう勇気はない。

 できるだけ、外出先で休養が取れるところを想い浮かべる。日帰り温泉、うん、そこだぁ。そこへ行く前にどこか案内する場所はと。動物園、水族館、遊園地あたりが喜ばれそうだ。

 

 愛車の助手席には、満面の笑みを浮かべたマリアが、『早く出発してよ。』という顔をして僕を見ている。

 少々焦り気味に、エンジンを駆け、車をスタートさせる。

 もう、冷房はいらない。窓を開けて吹かれる風が心地良い。

 「マリア、この世界には、動物園と水族館という、この世界の動物と魚や海の生き物を見せる所があるんだ。今日は、そこへご案内だよ。」

 「まあ! この世界には、どんな動物がいるのかしら。あなたに似ている動物もいるのかしらね。」

 そんな動物は、いないと信じたいね。だけどもし、ナマケモノなんかに『似てるわ。』なんて言われたら、どうしよう。マリアの直感が怖い。

 最初の目的地は、動物園だ。入口を入ると、まず金網で囲まれた大きな鳥舎があった。中には池もある。

 「あれは鷲と言って、獰猛な肉食の鳥の王様だよ。

 あの群れでいるのは、フラミンゴ。群れで歩いている姿がフラミンゴというダンスを踊っているみたいで、その名が付いたと言われているよ。

 そこで、綺麗な羽を広げているのは、孔雀の雄だよ。雌を守るために雌より派手で目立つように、神様がしたんだよ。」

 こうして僕は、あらん限りの知識を振り絞り、動物の解説をしたのだが。

 「まあ、あなたってまるで、私専属の解説者みたいね。たまには黙って横に居てくれた方が、デートの気分になれるわ。」と、お叱りを受けてしまった。


 ライオンや虎、山猫の檻の前では、

「小さな猫ちゃんはかわいいけれど、大きい猫ちゃんは重くて抱けないわねぇ。」

 〘猛獣なんだよ、抱かないでよ。〙

 キリンを見た時は、

「うわぁ、長い首なのね。 キスをする時、皆に見られてたいへんね。」

 〘キリンがキスするの?見たことないけど、立ってやらないじゃない?〙

 俺の好きなゾウの檻の前では、

 「まあっ、鼻で戦うの? 私もあなたと鼻で戦ってみるわ。」

 〘それ、聞いてる人がいたら、とっても恥ずかしいのですが。〙

 ペンギンの水槽の前では、

 「すてきっ、鳥は空を飛ぶ生き物だと思ってたけれど、水の中を飛ぶ鳥がいるとは、知らなかったわ。

 私も水の中なら、鳥になれるのね。」

 〘えっ、水の中なら、魚になりたいとかじゃないの?〙

 以上、俺のコメントは、全て、心の中のつぶやきです。

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