レッツアート!
「すまん、遅れた!」
部室に飛び込んできたのは腰まである黒髪に白いヘアバンドが特徴的な部員、会津ローサだった。もう1人の2年生の部員で、どこの国かは忘れたがハーフである。
「おー、やっと来た。ローサ遅かったな。」
「委員会の仕事が残ってたんだ。作品進んだか?副部長さん。」
「いや、全然……。」
「やっぱりな。多分、もうすぐで……。」
「こんにちはー!」
すると3人の部員が部室へ入ってきた。左から茶髪でツインテールの部員、春先クレア。真ん中の先ほど話していた白髪ショートの部員、水無月リア。1番右側の金髪縦ロールの部員、桜木カレン。3人とも、1年生で、美術部の部員だ。
「あ、3人とも久しぶりだねー。」
「はい、生徒会の仕事が忙しくて。なかなかいけなかったんですよ。」
リアは申し訳なさそうにしながらも話す。
「リアは生徒会だし、あたしは学級代表だからね。カレンは 文化祭実行委員だっけ?」
「ええ。そうですわ。わたくしには重すぎる責任かと思いましたが、何だかんだ楽しくやれているのよ。」
「さてと、部員も揃ったことだし、いつもやろっか!」
すると、丸く円になり、皆が一点に手を重ねていく。リリ、レン、ローサ、リア、カレン、クレアの順に重なっている。
「じゃあ、いくよー!柊中学美術部ー?」
「「「「「「レッツアート!」」」」」」
6人の声が合わさり、全員の手が上に上がった。これは、柊中学美術部伝統の掛け声だ。