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味噌ラーメン風の

作者: 竹仲法順

     *

 そうめんを食べた。通常通り麺を茹で、別に作っていた味噌スープに落とし込んで、である。結構美味しい。案外イケる。料理っていうのは工夫だけで、味がよくもなれば、そうじゃなくなることもある。痛感した。

 味噌が健康にいいのは、ずっと昔から知っている。最近、出番がなかったのだ。そこで今日の昼食に食材として、急遽登場させたのである。野球で言えばピンチヒッター、代打だ。食事を美味しくするために、である。

     *

 別の話題になるのだが、近頃オヤジのことを、もういない者と思うようになった。あの人間は何ら更生しやしない。まさに悪行、悪徳三昧である。見ろよ、あのクソ饅頭屋。まるで流行りもしなければ、てんでバラバラで何の体もなしてない。あんなまずいもの売り付けやがって!食えたもんじゃないのである。そんな経営を続けるから、バカなのだ。それこそ脳みそが入ってない。すっからかんである。

 だが、そんなろくでもないヤツにいくら忠告したり、助言してやったりしても、聞く耳をまるで持たない。あの男は自分に都合のいい人間、つまりイエスマンの意見しか聞かない。だから、ずーっと同じ過ちを繰り返すのである。創業してちょうど二十年、黒字になった年は一年たりともないと聞いている。まあ、別にご自分のお好きなようになさって、会社とやらを潰そうが、叩き壊そうが、こっちの将来には全く関係ないのだがね。

     *

 以前もどこかしらの紙幅で申し上げた通り、あの会社はずっと赤字のまま終わるのである。数年のうちにね。潰れる会社のことなどを書いても意味がないのだが、要はボクには何ら関係のないこと。それに妹が帰ってくることがあったとしても、その時は会社はないだろう。どうだっていいのである。酒蔵作りとか、天然酵母など、ウソをウソで塗り固めた饅頭など、誰も食べやしない。

 まあ、美味しいものは世の中たくさんある。それに冒頭で述べたように、そうめんなども一工夫すれば、ラーメン風になるのだし、生かすも殺すも調理する人間次第。そう思うと、いろいろな食事を拵えることが出来て、とてもいいのだ。

 最後に申し述べておくが、オヤジが死んでボクの代になったら、ご近所とのお付き合いは着実に減るね。それは断言できる。地域で孤立するだろう。だがそれでいいのである。別に近所の方々におべっかを使ってまで仲良くするほど、善人じゃないんでね。それ相応の策は取らせてもらいます。あしからず。

 話が上手くまとまりませんでしたが、ひとまず一筆書かせていただきました。

 ではまた。

                              (了)



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