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双葉、殺人鬼と遭遇するッ!

「何よ。あんた」

薄暗い路地裏で、金髪の女子高生が制服を乱しながら震えていた。既に彼女の友人二人は事切れていた。どうやら首を絞められて殺されたらしく、首には生々しい痕が残っていた。稔は、女子高生の遺体を見下ろして、ニヤリと笑った。

「どうして、こんなことするのよ」

「特に理由はないよ。人が飯を食べて、布団の上で鼾をかいて寝るのと同じさ。ところで、君にだけ僕の秘密を教えてあげよう」


稔は女子高生の遺体の前で屈んだ。指先で、遺体の襟足に触れると、突然、彼の体が緑色のゼリーともスライムとも言い難い、ゲル状の半透明な不定形の物体に変貌した。そして、遺体の口や鼻の中に侵入して行くと、死んだはずの体がフラフラと起き上がった。

「嘘、何が起き…」

言い掛けたところで、彼女の首が、遺体の手によってキツく絞められた。まるで万力のようにキリキリと凄まじい力を持っていた。

「オドロイタカ?」

女子高生は白眼を剥いており、口からは白い泡が溢れていた。そして、無機質な声を同時に発していた。


「ボクニハサイノウガフタツアル。ヒトツハヒトヲアヤツルサイノウ。モウヒトツハ、ヒトノニクタイヲジャックスルサイノウダ」

「がは…」

金髪の女子高生はそのまま意識を失った。そして、動く屍と化したの女子高生は、フラフラと酔っぱらいのような千鳥足で路地裏を出た。

「おい、君止まるんだ」

街中を歩いていると、一人の若い男性警官が女子高生の背後から、彼女の腕を掴んだ。フラフラと歩く姿が怪しかったのだろう。そのまま彼女を引っ張ろうとした時、彼女の腕の冷たさに驚き、手を離してしまった。


「冷たい。まさか死体…」

「フオオオオ」

女子高生は警官の口を両手で強引に広げた。そして唇を近付けると、警官の口内に緑色のゲルを吐いた。

「ぐうう、げふ、ごぼごぼ」

口の中に次々と流れて来るゲルを吐き出せずに、 喉を鳴らして強引に飲まされていた。しばらくすると、女子高生が糸の切れた人形のように、アスファルトの上にうつ伏せに倒れた。同時に警官が体の関節を曲げながら、白眼を剥いて、腰から拳銃を抜いて、空に向かって発砲した。

「タイホ、タイホシマス。ミンナシケイニシマス」

警官は拳銃の引き金を引いて、買い物袋を抱えた主婦の胸を銃弾で貫いた。

「うわああああ。人殺しだ、人殺しだぞ」

街中が警官の行動によりパニックに陥っていた。そこに、ピンク色の長い髪をした黒い三角帽子の少女と、オレンジ色の髪をした少女、つまり、ミリーと双葉が騒ぎを聞き付けて現れた。


「邪悪な魔力を感じます」

「くそ、こんな街中で」

双葉は逃げ惑う人々の波と逆方向に進むと、ポケットからナイフを取り出して、警官の前に立った。

「ビッチヲウチコロシマス」

警官は双葉目掛けて拳銃を撃った。

「くっ…」

双葉はそれを避けると、右足を踏み込んで、警官の腹を思い切り蹴り飛ばした。

「化け物め。まるで効いていないぞ」

「ウチコロシマス」

再び拳銃が双葉に向けられた。



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