表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
23/59

休題、結城家の日常

 朝6時、双葉はベッドの上で静かに寝息をたてて眠っていた。部屋のドアが静かに開かれ、中に何者かが入って来た。

「ふふふ、寝起きドッキリだぜ」

 松葉は小声で笑うと、双葉の寝ているベッドの毛布に手を掛けた。

「ヤバイ興奮して来たぞ。実の兄妹だというのに、一線を越えてしまう背徳感に、俺の心ははち切れそうだ」

 松葉は毛布をガバッと取り去った。しかし、そこには枕が二つ転がっていただけで、双葉の姿はなかった。ふと、天井を見上げると、双葉がナイフを取り出して、上から切り掛かって来たのだ。

「この、変態野郎」

 双葉はナイフを下にいる松葉に向けたまま、急降下した。

「当たるか」

 松葉は後ろに跳んで避けると、双葉はナイフを枕に突き刺したまま、松葉を睨みつけて舌打ちをした。

「くそ、もう少しで殺せたのに」

「ふん、甘いな、お前なんぞに殺されてたまるか。それよりも、後ろがお留守だぞ」


 松葉は不敵な笑みを浮かべた。すると突然、双葉の背後のクローゼットが開き、中から妹の若葉が飛び出してきた。彼女は鎖を胸元から出すと、それで双葉の体をグルグル巻きにした。

「うあ・・・・」

「そりゃああ」

 若葉は鎖を持ち上げると、双葉の体も宙を舞った。そしてそのまま天井に顔をぶつけると、ベッドの上に落下して、仰向けにヒキガエルのように伸びたまま気絶した。

「やったな妹よ」

「ええ・・・・」

 二人はニヤリと互いの顔を見つめ笑うと、気絶している双葉に駆け寄った。

「さてと、俺は右のおっぱいを舐めるから。お前は左のおっぱいを舐めるんだ」

「ラジャー」

 松葉は双葉に馬乗りになると、彼女のパジャマを引き裂いて、胸元を露わにさせた。あまりに強引にしたので、服は破けて、ボタンもあらぬ方向に弾け飛んでいた。


「こいつ、ブラ着けてないぞ。どうりで揺れるわけだ」

「お姉ちゃんたら、男の時と同じで無防備なんだから」

 若葉は溜息を吐くと、双葉のピンク色の乳房に触れた。

「ん・・・・」

 双葉の体がピクッと揺れる。それを見て松葉も若葉もニヤニヤしていた。はたから見れば完全に変態である。最も、どこから見ようと、二人は変態なのだが。

「ねえ、お兄ちゃん。面白いモノ見せてあげようか?」

「何だ?」

「こうやって・・・・」

 若葉は双葉の乳首を指で摘んだり、弾いたりした。すると、彼女の乳首がビンッと立ったのである。

「これは・・・・?」

「ふふふ、女体の七不思議。おっぱいを刺激すると、固くなります」

「よし、俺も」

 松葉が双葉の胸に触れようとしたその時だった。彼の顔が、小さな手に鷲掴みにされた。


「おい、クソ兄貴。何してんだ」

 双葉は意識を取り戻した。そして松葉の顔を何発も殴ると、そのまま蹴り飛ばして、部屋から追い出した。

「クソ、変態が。弟の乳房見て、何が楽しいんだ」

 双葉は胸元を隠して、パジャマを寄せていた。それを見た若葉の眼がキラリと光った。

「お姉ちゃん。今、胸を隠したね。それは既に、男性から女性へとアイデンティティーが移行しているという・・・・」

「うるさい。出てけ」

 若葉も部屋から追い出された。その後、双葉は鏡越しに自分の体を見た。

「何が面白いんだよ。こんな体」

 双葉はふと、自分の胸を手で持ち上げてみた。

(別に悪くはないよな。大きくはないけど。若葉よりは大きいし。Cカップぐらいかな。最も、巨乳好きの俺からしたら、いっそのこと、グラビアアイドル並みのボインが良かったけど)

 自分で言っていて恥ずかしくなった。男に戻りたいのは当然だが、毎日、別の女性になれるとかならば、もう少し楽しめたのに、などと半ば愚痴のようなことを、心の中で呟いていた。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ