12:dinner
「おかえり~。あれ?一人はじめましての子がいるわね。」
「あっ・・・あの・・・」
私が返事に困ってると・・・
「マダム。さっき連絡した飛鳥ちゃんです。」
信康さんの一言でマダムというその女性も微笑みながら
「湊飛鳥ちゃんね。はじめまして、マダム・紅葉です。よろしく。」
「よ・・・よろしくお願いします。」
「じゃ、食事をしながらゆっくり事情を聞こうかな。ご飯作ったから、みんなカフェテリアに移動して。」
みんなについて移動しようとしたとき・・・
「飛鳥ちゃん行こう!!」
一樹さんはそういうと、私の右手をつかんで階段のほうに走り出した。
「えっ!は・・・ハイ。」
後ろのほうから
「あっ!一樹!こら!」
翔さんの怒鳴り声が響いていた。
カフェテリアは3階にあった。
一樹さんがドアを開けると、そこには3人の人がいて、長い机の上にはビュッフェのようにパンやおかず、スープなどが並んでいた。
「一樹!誰やねん。そいつ。」
上下とも黒のジャージで身を包んだ男の人が関西弁でしゃべると
「ほんとだ、はじめてみる子だ。彼女?」
ロリータ系の白いドレスのような服を着た女の子が私のほうを見ていた。
「うん僕の彼女・・・」
といったとたん、一樹さんに大きなこぶしが振り下ろされました。
「違うだろ!!」
翔さんがそういうとつかんだ手をチョップではずすと
「行こうか。嬢ちゃん。」といってテーブルに案内してくれました。
「翔。かわいい子じゃない。彼女?」
赤いYシャツを胸元まで開け、ひざ上までの黒色のスカートにハイヒールをはいた女性が近づいてきた。
「違う。新しい家族だ。」
「ふ~ん・・・。よろしくね。」
「よろしくお願いします。」
みんなが席に着くと
「みんな。今日から新しい家族が増えます。湊飛鳥ちゃん。みんなヨロシクね。じゃ、飛鳥ちゃん。ここに来るまでのこと教えて。」
私は席を立ち、自己紹介を始めることになった。
「はじめまして。湊飛鳥です。ここに来るまでの間は、公園で生活してました。それまでは、アパートで・・・暮らしをしていたんですが・・・」
そのとき、私の心には辛い過去の情景が広がっていた。




