あの日の出来事
「ほーら、起きて!悠ちゃん」
そんな声と共に僕は目を覚ました
「ん、ふぁぁ~」
僕の名前は西島悠稀、そして彼女は僕の幼馴染でもありクラスメイトの新島瑠子
僕は私立西成高校に通っている
「もう、悠ちゃんってば。ご飯できてるからね」
「おう」
僕たちは幼稚園の頃からの付き合いである
そして今日も平凡な毎日が始まる
放課後になった
「西島~、今日暇だろ?どっか遊び行こーぜ」
こいつは僕の1年の頃からの友達、山井大
「ん、おっけー。どこいく?」
「じゃぁ、ゲーセン行こーぜ」
今日も変わらぬ放課後・・・
ピリリリリ
「ちょっとごめん」
瑠子からのものだった
「どうした?」
「うん、あのさ、今日悠ちゃん家行ってもいい?」
「別に構わないが・・・」
どうしたんだ、今日の瑠子は変だな
「ありがとっ、じゃね」
ピッ
そのあと山井と別れ帰宅した
「悠くーん、一緒に遊ぼうよ!」
「うん!」
僕は夢を見ていた、懐かしい気がする、思い出せない
「ねぇー、どこに行ったのー・・・ちゃーん」
僕は誰を探しているんだろう、やはり思い出せない
「悠ちゃん、悠ちゃん!」
そんな声で僕は目を覚ました。どうやら僕は寝ていたようだ
「ほーら、ご飯できたから一緒に食べよっ」
「ああ、うん」
あの夢はなんなのだろうか。まあいつかはわかるだろう
今日の晩御飯はハンバーグだった、食後にはデザートもあった
「あのさ、悠ちゃん」
「ん、なんだ?」
「あの、その・・・」
珍しい、瑠子が言葉を濁すなんて
「あの、私ね、3年生になったら海外に行くんだ」
「おう、そうか。そりゃよかったじゃないか、瑠子、憧れだったもんなー」
「うん、まあね・・・」
「?」
僕にはなんで瑠子が落ち込むのか、わからなかった
瑠子が帰ったあと僕はお風呂に入ってすぐに寝てしまった
「えへへ、あたしおおきくなったら悠くんのお嫁さんになる!」
「じゃあ、僕は・・・ちゃんを幸せにするね!」
またあの夢だ。この夢は一体なんなのか・・・
次の日の朝、珍しく瑠子は起こしに来なかった。
そして、学校に行ってみると瑠子はまだ来ていなかった。どうやら体調不良らしい
僕は放課後お見舞いに行くことにした、が
瑠子の家に瑠子はいなかった
瑠子の母親に電話をしてみたところ、どうやら瑠子は失踪したらしい
「くっ!」
僕は必死になって瑠子を探した
『おかけになった電話番号は現在電源を切っているか、電波の届かない所にあります』
「くそっ!どこだよ」
僕は瑠子の行きそうな場所を手当たり次第にさがした
そして1時間後、ついに瑠子を見つけた
「瑠子、どこ行ってたんだよ。心配したんだぞ」
「あ、悠ちゃん・・・ごめんね」
瑠子の額には涙を流したような跡があった
「あのさ、瑠子。ごめんな」
「え、どうして悠ちゃんが謝るの?」
「だって、お前が泣いてるんだ、それを僕は気づいてやれなかった」
「なんか辛いことがあったら言えよ、できる限りの相談は乗るからさ」
「うん、ありがと」
この時僕は誓った。もう絶対に瑠子にこんな思いはさせない、と
「さ、じゃあ帰ろうぜ。瑠子もお腹、すいただろ?」
「うん!」
そうして僕たちは一緒に帰った