赤は風に巻かれて踊る
掲載日:2025/09/12
カサカサ、とそんな音を立てながら木の葉が風に舞った。
赤や黄色が青い空を背景に、飛び、踊る。
ヒューッ、と木枯らしの演奏で踊る様子はまるでヴェニーズワルツだ。
風に渦巻く枯れ葉の様子は、速いテンポと回転運動が特徴のこのダンスによく似ていた。
ヒューッ、と第二演奏が始まる。
大きめの渦が地面を染める紅葉に、ダンスを強要する。 踊れ踊れと、手を引き腰を取り、紅く染まる木っ葉たちとタンゴを踊る。
情熱の赤、熱意の赤。
わたしも彼等と共に踊る。
風に巻かれ、風に流され、椛の中でステップを踏む。
力強さの赤、太陽の赤。
辺り一面はそんな色に染まっている。
赤い絨毯、真紅のカーペット。
でも彼等の赤はそんなポジティブなモノじゃない。
寒くなり、光合成の効率の落ちた葉を捨てる、人間で言えば口減らしの様なモノ。
投棄の為の赤、死に染まった赤。
だから、紅く染められたわたしは、きっと棄てられた様なものなんだろう。
だからわたしは火を付ける。
炎の赤、焼き尽くす赤。
引き裂かれた服も、血の滲む身体も、全部全部赤く染まってしまえばいい。
焔の赤、埋め尽くす猛火。
次に生まれるなら花がいい。
真っ赤な色した椿がいい。




