第6話:「怠け者の逃亡、しかし運命は容赦しない」
第6話:「怠け者の逃亡、しかし運命は容赦しない」
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> 「静かな生活って…なんでこんなに難しいんだよ…」
カイトは深いため息をつきながら、自室に向かって歩いていた。
手には、昨日ルシアがくれたハート型のお菓子が入った箱を持っている。
> 「映画見て、本でも読んで…何もしない時間が欲しいだけなのに…」
そのときだった。
> 「カイト様〜っ!」
後ろから聞こえた元気な声。振り向くと、そこには今日も完璧な笑顔のルシアがいた。
彼女はなぜか晴れてもいないのに、ピンクの傘を堂々と広げている。
> 「なんでまたついて来るんだよ…」
> 「お世話のためです!カイト様、もっと休まなきゃダメですよ!」
> 「いや、君が一番疲れさせてるんだけどな…」
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【システム通知】
【スキル「超引き寄せ体質」発動中】
【効果:周囲に騒動を引き起こすイベント発生率が上昇中】
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町の広場から、轟音と叫び声が聞こえてきた。
慌ててカイトとルシアが現場に向かうと、冒険者のパーティーが巨大な魔獣と戦っている真っ最中だった。
> 「まさかまたかよ…俺、休みたいだけなんだけどな…」
ルシアが真剣な表情で言った。
> 「カイト様、助けましょう!」
> 「いやだ!君らでなんとかしなよ!」
そう言った瞬間、魔獣が暴れて魔法が暴走し始めた。
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> 「…仕方ないな。世界が壊れるのも面倒だし」
カイトはため息をつき、ゆっくりと手を上げた。
> 「魔力、1%だけで十分だろ…」
青白い光が彼の周囲を包み込む。
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【システム通知】
【魔力1%解放】
【効果:魔獣を空気のように消し去りました】
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冒険者たちは呆然とその場に立ち尽くした。
> 「一体…今の何だ!?」
> 「あんなの…見たことないぞ…!」
カイトは無言で目を伏せる。
> 「…だから、目立ちたくなかったんだよ」
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戦いのあと、ルシアが微笑みながら近寄ってきた。
> 「やっぱり…カイト様って素敵です♡」
> 「だから俺は目立ちたくなかったんだってば…」
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【システム通知】
【カイトの状態:最強のモブ(注目度MAX)】
【ルシアの状態:運命の嫁(執着Lv999)】
【カイトの平穏度:0%】
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次回へ続く!
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