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第3話:ヤンデレ悪役令嬢と静かじゃなくなったホテル

第3話:ヤンデレ悪役令嬢と静かじゃなくなったホテル


> 「今日は誰にも関わらず……

 お菓子でも食べて、ゆっくり景色を眺めて、寝るだけだ……」




カイトは自分に言い聞かせながら、豪華な宿の窓際で紅茶を啜っていた。

風は心地よく、陽の光は穏やか。下の通りも静かで——


ドガァンッ!


突如、部屋のドアが爆音と共に吹き飛んだ。


> 「カイト様ーーーッ!! 街中を探しましたわっ!!」




ボロボロの囚人服を着た黒髪の少女が突入してきた。

だがその目は、二度と失いたくない宝物を見つけた者のように輝いていた。


> 「……誰が上まで通したんだよ」




> 「ちょっとだけ魔力を使っただけですの。

 多少気絶した人もおりますが、死者は出ておりませんっ!」

(天使のような笑顔で言い放つ)




> 「……くっそ、なんで“静かに過ごす”ってのはこんなに難しいんだ……」





---


*五分後*


カイトは頭を抱え、向かいに座るルシアは囚人服のまま、

上品にパンを切り分けていた。


> 「あのさ……君はどこか別の場所に逃げた方がいい。

 偽名でも何でも使って——でも俺からは離れてくれ」




> 「できません♡」




> 「俺はただ静かに——」




> 「声は出しません♡(にっこり)」




> 「人目につきたくないんだ——」




> 「では、影に潜んで常におそばに♡」




> 「……ついてくんなっての……」




> 「すでに“追跡済み”です♡」





---


【ルシアがスキル『超追跡』を使用しました】

【ステータス:対象に対する追従が有効になりました】

【最大距離:30メートル】

【副作用:一定距離を超えると、世界的魔法現象が発生します】


> 「おおおおいぃぃぃぃぃぃぃぃ!」





---


*数時間後、市場にて*


カイトが果物を買いに歩けば、影のようにルシアも付いてくる。

だがその姿に周囲は騒然。


> 「あれ、ルシア・ヴァンドレスじゃね!?

 あの大罪人が……!? なぜ庶民っぽい男に付き従ってる……?」




> カイト:「見んなよ……俺はただ、柿が欲しいだけなんだ……」





---


*宿に帰還後*


> 「ルシア……頼むから、普通に過ごさせてくれ……」




少女は真っ直ぐ彼を見つめ、首をかしげた。


> 「カイト様……まだお分かりになりませんの?」




> 「あなたが封印を解いてくださってから、

 私はもう……行く宛などないのです」

 

 「誰にも裁かれず、誰にも見下されず、

 ただ……パンを差し出してくれた、あのぬくもりだけが……」




彼女はそっと、彼のマントの裾を掴んだ。


> 「その場所を……私は“家”と呼びたいのです」




カイトは沈黙し、そして——


> 「……もう、静かにしててくれればいいや……」





---


【ステータス更新】


> カイト:『自由な生活』→『悪役令嬢にストーキングされ中』

ストレスレベル:+12%


ルシア:好感度MAX(100%、これ以上減少不可能)





---

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