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ジュリアとガリオン(7)

本編『光と影ー織りなす夢の形』(完結済)のスピンオフ短編集となります。

本編ではあまり描かれていないジュリアの相棒ガリオンとの話になります。


ジュリアの幼少期からの訓練とガリオンとの関係を描いた事件簿

そして、BFFとなるイメルダとの馴れ初めなど、

本編では公開されていない話を特集しました。


ジュリアファンの皆さん、是非お楽しみください!!

ジュリアは駐機した後、地下街にある連合ヨーロッパ支部の支部長に表敬訪問に伺った。

日本側からの代表という立場で情報の共有と日本製の物資や軍需製品の情報提供も兼ねている。

今や連合の軍事物質を含めたここの輸入物資は日本製がかなりの割合を占めているのだ。


彼女は全て日本製の装備でフルアームドにてアイコンのロングソードを背中にさしている。

今回の訪問では対ユーラシア帝国対策としてレーザーキャノン砲やブラスターマシンガン

そしてスピーダーの受注も受けることになったのだった。まるで日本からの営業と行った風である。

ジュリアの精悍なルックスから日本製の優秀さが実際以上にイメージされるのであろうか!?

いきなりの受注成果に気をよくした彼女は早速地下街のカフェバーに呑みに行ったのだった。


このロンダ地下街の特産物である赤ワインとベジミートのステーキを食べていると、

冒険者風の男2人が入ってきた。

どこに座ろうとかと見回しているようであったが、ジュリアを見つけ近づてきたのだ。

見るからに女好きなイケメン風の2人であった。

「君1人だよね?お邪魔するよ。」と言ってジュリアの反応も構わずいきなり対面に座ったのだった。

ジュリアが1人の静かな時間を邪魔されたというような表情でいると、

「君はここの住人じゃなさそうだけど、冒険者?」と聞いてきた。


「まあ、そうかな。」とあやふやに答えると、

「やっぱり!ちょうどよかった。僕らは2人だからパーティーを組める冒険者を探してるんだ。

僕ら有名人だから、一緒にやりたいと言う輩が多いんだけど・・・

僕らなりの基準があるんだよね〜

で、君は見事合格ってとこさ。おめでとう!!」と一方的に喋っている。


ジュリアは聞いていない風を装っていると、

「君、綺麗だね!イケてるよ!だからたとえランクが低くても僕らでカバーできるから大丈夫!

名前教えてくれるかな?」

ジュリアが黙っていると、

「君、僕らがこうして親切にスカウトしているのに冷たいよね〜」と言ってテーブルを離れた。


『助かったわ!』と思って一安心と思っていたところ、

ミールトレーを持って2人はまたジュリアの前に座り込んだのだった。

ジュリアは無言のまま食べている。

そんな彼女の前で2人は延々と口説き文句を言っているのであった。

側から見ても、ナンパとわかるような光景でうんざりしているジュリアが印象的である。


そこに男女2人組が入ってきた。

うんざりしているジュリアを見つけると、そのカップルは近づいていった。

「あら、エリック!久しぶり。また、いつものナンパ? その子私の友達なの。

ここで待ち合わせしてたんだから、あんたら他のテーブルに移って!」と言って追い払ったのだった。

「また会ったわね! これも何かの縁ね。私 イメルダ、彼がパートナーのガルシアよ。よろしくね! あなたは?」とノリよく話かけて来たのだった。


「あっ私 ジュリアよ。ありがとう。」とあまりのノリの良さに押されて小声になってしまった。

『うざい男達を追い払ってくれて良かった!』と感謝しているのだがいきなりの出来事で言葉にできなかった。

「ここでまた会うなんてね。私たちの行きつけのカフェなの。あなたはここ初めてでしょ?」

「ええ・・・」

「お仕事?それとも冒険者とか?」

「仕事ってところかな。」

「ああいう、綺麗な女性が単身でいると狙う輩もいるから気をつけてね。

あいつら、ほんと、女の子を誘っては捨てとっかえひっかえなの。」と怒りが顔に出ていた。

「私らは以前冒険者やってたんだけど、ユーラシア帝国が憎いから今はここの軍人やってるの。」

という成り行きで2人と一緒に食事をすることなったのだった。


ガルシアは良い人そうであるが終始無言でイメルダの話にうなづいているだけである。

「ところで、あなた、どこから来たの?」

「日本からよ、日本のお仕事しているの。」

早々に食べ終わったガルシアは、立ち上がると「じゃ、俺、軍のミーティングに行ってくるわ。」と言い行ってしまった。

2人だけになり、イメルダは、「まあ、あの人 あんな人なのよ。それがいいんだけどね。」と言って笑った。


「私ね、なぜかあなたと長い付き合いになる予感するのよね。だから、勝手ながらこの出会いにお祝いしたいの!」

と言い、「だから昼間っからカクテルでも呑みましょう!何がいい?」と言い

ウェイターを呼んだ。

「私はジントニック」「じゃ、私も」とイメルダに合わせてオーダーした。

「みるところによると、あなた、剣の達人じゃない?」

「えっなんでそう思うの?」とジュリアはいきなりの推察に驚いた。

「私も槍と銃は使えるからわかるわ。」

「ここのロンダ支部はヨーロッパの連合としてはメインなんだけど・・・

兵器類が不足しているのよね。だって旧式の固定レーザーキャノンとスピーダーしかないのよ!

驚きでしょ??」


「ああ、そうらしいわね。」と誤魔化そうとしたのだが、彼女は洞察力が鋭いため概要を話すことにした。

「私、日本政府の特使としてここに来たんだけど、日本製の武器を購入することになったわ。」

「そうなんだ!よかったわ!このままじゃ敵が攻めてきたら立て篭もるしかないからね。ヨーロッパ大陸からというよりは、ユーラシア帝国の傘下にあるアラブ諸侯からの攻撃もあるのよ。最近それが強まっていてね。

一応、基地の前衛としてバリケードを張ったりはしてるんだけどね・・・」

「ここの軍人は何で戦うの?」

「私とかガルシアは冒険者をやっていたから剣術ができるんだけど、普通の軍人はブラスターガンとレーザーライフルがメインね。」

「あなたのその背中の剣、凄そうね!!?」

「これは、私の宝物よ。」


という話の途中でいきなり地下街に耳が張り裂けんばかりのウォーニングアラームが響き渡ったのだった。

「これ、敵襲よ!!言ったことじゃない! どこからかしら?」

すると、館内アナウンスがあった。

「敵襲警報です。敵襲警報です。モロッコ方面からおよそ300機の小型武装ロボットが放たれました。アラブ系列の武装組織のようです。一般市民は至急シェルターに避難してください。軍隊所属の隊員は至急参謀本部にお集まりください。」というアナウンスであった。


「ヤバいわね! 早速お出ましだね。私は迎撃に行くけど、あなたはどうする?」とイメルダが。

「私も手伝っていいのかしら?」

「もちろんよ。ただ、参謀に連絡をしないと誤認されてしまうから、今連絡を取るわね。」

と言い通信機で話しているが状況確認もしているように見えた。


「今から、私のホバージェットで向かうけど、あなたも一緒に来てもらえるかしら?」

「いいけど、私の相棒も連れて行くわ。あなたのジェットの隣に止めてあるからすぐ手配できるわ。」

「わかったわ。その相棒とやらはわからないけど、きっと役立つのよね?」

「そうね、すごくね!」


2人は急いで格納庫に向かった。 その間、焦った避難の民間人と軍人とで地下街はごった返していた。

ジュリアは、早速、艇の主ガリオンを起こし隣のイメルダのホバージェットに移動すると、

それを見たイメルダが、「ワーオ!!ブラボー!! 何それ、あなたのペット? 凄いわね〜!」

そこには、全身ブラックのバトルアーマーに身を包んだジュリアとペアのような出立ちのオールブラックのガリオンが立っていたのだ。


「そのペットこの艇に乗れる?」

「ええ、大丈夫よ!」

「じゃ、戦闘予定地にすぐに向かいましょう!」と行って軍用ホバージェットに搭乗した。






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