表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
2/10

ジュリアとガリオン(2)

本編『光と影ー織りなす夢の形』(完結済)のスピンオフ短編集となります。

本編ではあまり描かれていないジュリアの相棒ガリオンとの話になります。


ジュリアの幼少期からの訓練とガリオンとの関係を描いた事件簿

そして、BFFとなるイメルダとの馴れ初めなど、

本編では公開されていない話を特集しました。


ジュリアファンの皆さん、是非お楽しみください!!


ジュリアを乗せたガリオンは砂漠を疾走しその村落に到着した。


ジュリアは村の大人を見つけて、

「オジサン!この村の長老はどなたですか?」と聞いた。

「見ない顔だね。お嬢ちゃんはどこから来たのかな?」

「私達は日本から派遣されたの。長老さんに用があるんです。」

「その動物のような怖そうなロボットはあなたのかい? 凄いのに乗ってるね!!」

「そうですよ。ガリオンって言うの。私のお友達よ、よろしくね!」

「わかった、じゃ案内するからついてきてくれるかな?」


その男は村の奥に入り、一番屋根が立派な家の中に入って行った。

「じゃ、お嬢ちゃん、長老がお会いになるから」と言って行ってしまった。

「長老様、私はジュリアと申します。日本から猛獣を倒しにきました。よろしくお願い致します!」

「へえーお嬢ちゃんが、あの猛獣を倒してくれるのかね?おっかない奴らだよ。

あなたはほんの少女じゃないか? 日本からは派遣する女性は未成年だけれども優勝なので受け入れてほしいとの事前連絡は入っていたけれど・・・こんなに可愛いお嬢ちゃんとはね〜・・・」と驚いている。

「今回は私の訓練の一つで来ました。親友のガリオンも一緒なので全然大丈夫ですよ!」と笑顔で言いながらガリオンを撫ぜている。


「そうか、じゃ、とりあえず、猛獣が出没するエリアにうちの戦士が案内しましょう。でも今日はもう日が暮れてきて危ないから明日やることにしようかね。」とその老人は言うと人を呼んでジュリア達を客用の住居に案内した。

この遊牧民の住居は固定であり、商隊を組んで交易を行うときにのみ祖先からの遺伝子である『遊牧民』が発揮されるのである。その石造りの小さなドーム型住居は暑さを凌ぐため屋根部分は地上より上に出てはいるが、居住部分は地下に掘られている構造であった。ジュリアはガリオンがギリギリ通れる入り口を抜け階段を降りていくと薄暗い空間の下に居住スペースが見えてきた。


「へえー このお家意外と良くできるてるわね!? ねえ、ガリオン? あまり暑さを感じないでしょ?」

とまるで人間の友達に話すように話しかけている。

「ちょっと私もエネルギー補給するからそこでくつろいでいてね。」と言いサドルバッグから日本から持ってきた固形食料を取り出した。途中で汲んできた水はすでに浄水化水筒にて飲める水となっているのだ。

そして彼女のそばではガリオンがそれをじっと見守っている。


夜の村は満月の月光だけが照らす群青色の幻想的な世界となっていた。

あたりはまるで動くものはなく村全体が寝静まっていた。

そしてガリオンが横たわるちょうど腹部の部分にジュリアはうずくまるように眠りについた。

深夜の3時を回った頃であろうか?

いきなり闇を切り裂くような獣の咆哮が聞こえた。

この村の付近であった。


ガリオンはその咆哮を察知してジュリアを起こした。

「獣が吠えているね? あいつらここを襲いにきたのかな? さあガリオン、準備しましょうか!」

と言って立ち上げり剣を身に付けたのだった。

彼女はガリオンを連れ立って村の広場に向かっていくと、

あの咆哮を聞いた村の戦士も数名武装し出てきたていた。

「あのう、すいません、私たちで対応しますので家に居てスタンバッテてください!」

「えっ、君だけで? 無理だよ!お嬢ちゃん! あいつら、普通は村には来ないんだが今日の満月のせいかこんなことは初めてだよ!」

「慣れているので大丈夫ですよ。もし私が危なくなったら手を貸してくださいね!」

と言って心配する兵士達を強制的に避難させたのだった。


すると村人が猛獣と言っている獣が10頭ぐらい村の入り口に姿を現したのだった。

数頭が先ほど聞いた咆哮を発している。

それに対して耳を割くライオンのような咆哮がガリオンからも発せられた。

対動物に用意された威嚇攻撃の一つであるようだ。


ジュリアとガリオンの連動においては彼女の脳にガリオンと連動するチップが埋め込まれているのだ。

それにより彼女の意思がガリオンにも伝わるいわば機械生命体のような様相を呈している。

また、バトルアーマーのヘルメット内ゴーグルにはガリオンの視覚も反映されている。

いわばジュリアのドローンのような機体でもあるのだ。


「さあ、ガリオン!いくわよ!!」

ジュリアはガリオンに馬のように跨り村の入り口に向かって行くと、

すでにその猛獣達は村の門から侵入しジュリア達を取り囲んだような陣形となっていた。

『袋の鼠ってとこなのか・・・』

ジュリアはガリオンから降り背中のソードを脱いでファイティングポーズをとった。

すると正面の3頭が咆哮と共にジュリアに襲いかかってきたのだった。


月明かりの中で細かい様子は確認できないのだが、

その獣はまるでクマとライオンを合わせたような容姿を持ち

体型ははガリオンより太くズングリと大きく筋肉質で体皮は鱗のようなもので覆われている。

いかにも遺伝子操作により創り出された不気味な獣であった。




評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ