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俺だけ使える1万円で超能力を買える怪しいサイトを見つけたら人生が変わった件  作者: 黒飛清兎
第一章 『1日1回1万円で超能力が買えるサイト』
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7話 志賀命は可愛い



ATMの前に立ち、逸る心を抑えつつ冷静にお金を引き出す。


1ヶ月の月日が経ち、やっと給料が入った俺は手数料がかからない時間になった瞬間すぐにATMにやってきていた。

給料は今まで通り9万円ほど振り込まれている。俺はそこから7万と3千円を引き出し財布の中にしまった。

そのうちの5万円は他の貯金用の口座に移し、2万円は電子決済アプリに入金した。


俺が超能力に使うことのできる金額は2万円。

これを何とかもっと使うために先月は少し貯金して3千円ほど残すことが出来た。

それに追加で毎日百円が振り込まれ続けていたので3千円追加され、計6千円を残す事が出来た。


だが、それでも足りないため、今月も超能力を買う事が出来るのはふたつだけみたいだ。


税金の問題が無いのであればもっと稼いだりするのだが、悲しい事に俺は月9万円以上を稼いでしまうと扶養から外れてしまうのだ。

まぁ、そんな事で悲しんでいても仕方がない、今は新しい超能力を手に入れることが出来るようになった事を喜ぼう。


この1ヶ月で今俺が持っている超能力について色々と分かったことがある。


まずは『潤いの恵み』だ。

これはどんな飲み物にも効果があるらしく、エナジードリンク以外にもリラクゼーションドリンクや体を温めるための柚の温かいドリンクにも効果があった。

まぁ、といってもどれも効果があった感じがするといった程度のもので実際のところどれくらい上がったのか実感は出来なかった。


ただ、味という面では明らかに美味しくなっているように感じた。

もしかしたらこれの効果は俺が渡したものであれば他の人にも及ぶのじゃないかと思ってバイト中命が飲んだいた飲み物と全く同じものを命に渡して飲み比べしてもらってみた。


「志賀さん、この飲み物好きなんだよね? ちょっとこれあげるから飲んでみてくれない?」

「…………好きでは無いよ、僕の好きなアニメとコラボしてるから買ってるだけ、けど、くれるんだったら貰うよ、ありがとう」

「あぁ、うん」


命はそう言って飲み物をレジの奥に持っていこうとするので俺はそれを何とか引き止めた。


「…………なに」

「いや、今飲んでみて欲しいなーって」

「え、なんで?」

「あっ、いや、その」


俺が超能力で美味しくすることが出来るなんて事言える訳もなく、俺はしどろもどろになりながら次の言葉を発せずにいた。


「まぁ、良いけど」


命は不思議そうにしながら飲み物の口を開けマスクを取ってそれを一口飲む。


「どう?」

「…………別に普通の味だよ、もう飲み飽きたぐらい。っていうか綾瀬君が渡したからって味が変わるわけなくない?」

「あ、うんそうだよね、ごめんありがとう」


そう言って俺はさっさと事務所へと戻った。


こんな感じで、命に検証してもらった結果、『潤いの恵み』は俺が飲んだ時のみ効果を発揮するものみたいだ。

少し残念ではあるが、俺が飲んで効果が出るだけでもすごいことではあるので許す事にした。


次に『ウェイトポーチ』だ。

これは気づかずに1週間くらい使っていたのだが、この超能力、別に声に出す必要は無かったみたいだ。

声に出さずとも重さの増減はでき、そのトリガーは俺がイメージをする事だったみたいだ。

これについても命に俺以外にも効果があるのか検証してもらった。


「…………え、こんなにこれ買うの?」

「あ、うん」

「…………」


命に不審がられながらも俺はこの前買った飲み物を5個程レジに出した。


「あ、袋お願い」

「分かった」


命は他のお客さんにはちゃんと敬語だが、俺に対してはちゃんと使い分けてタメ口で話してくる。

俺はお客さんじゃなくても命には敬語になったりタメ口になったりを繰り返してしまうので何とかしたい。


命はレジ袋に俺が買った五本の飲み物を入れ、渡してくれる。

その時、すかさず『ウェイトポーチ』を使用し、その重さを軽くした。


「ひゃぁっ!? え、ど、どうなってるの?」


命の手に持たれていた袋が、『ウェイトポーチ』を使用した瞬間、上に跳ね上がった。

2.5キロ程の重さがあったのもがいきなり半分の重さになったのだ、そりゃそうなる。

それにしても反応が可愛いな。


「ごめんごめん、ちょっとしたマジックだよ」


俺はすかさず重さを元に戻す。

実験は成功みたいだ。

『ウェイトポーチ』は俺が持っている袋でなかったとしても効果を発揮してくれるみたいだ。


「え、すごい、綾瀬君こんなこと出来たんだね」

「まぁね、それはあげるから」

「え〜」


俺がこの飲み物をあげると言った瞬間、命が明らかに嫌そうな顔をした。

俺はドキッとしてすぐさま土下座でもなんでもしなければと思い体勢を低くした。


「あ、いや、違うんだよ、アニメとのコラボですごいいっぱい飲んでたから……えっとこれだけくれるとありがたいな」


そう言って命は飲み物の上のところについていたシールだけを剥がして手のひらの甲の部分に貼り付けた。


「あぁ、大丈夫だよ」

「うん、ごめんね綾瀬君、ありがと」


そう言って命はニコッと笑った。


あっ、やばい、惚れますこれ。


命ちゃんは可愛いよ、何故なら僕の癖を詰め込んでるから。

命ちゃんが可愛いと思ったらブクマ評価その為etc、思わなくてもブクマ評価その為etcをお願しいますね!

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― 新着の感想 ―
設定かなり面白いけどちょい主人公のすぐ土下座でもなんでもみたいなノリしんどいな
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