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俺だけ使える1万円で超能力を買える怪しいサイトを見つけたら人生が変わった件  作者: 黒飛清兎
第一章 『1日1回1万円で超能力が買えるサイト』
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5話 『ウェイトポーチ』


いやいや、なんだこれ、おかしくないか?

この口座は昨日作ったばかりで、そのデータを他のところに伝えたりは一切していない。

それどころか、俺が入金をしたりすることすらしていない。

そう、一切誰にも触れられていない口座なのだ。

なのに、この口座には百円が入れられている。

アプリでその時刻を見てみるときっかり0時00分であった。


「っ! そ、そうだ、前の口座は!?」


昨日見た時には確かに前の口座に百円が入金されていた。

だが、今見てみると違う様子が違った。


「入金が……無い?」


そんなこと、できるはずがない。

それが出来るとすれば銀行の人ぐらいしか居ないはずだ、だが、銀行の人がそんな事をするとも考えられない。


となると…………。


「ま、まさかこれって、本当に超能力なのか?」


あのサイトには1万円投資すれば毎日100円が帰ってきますとかそういう事が書いてあった訳では無い。

あくまで、超能力を手に入れられると書かれていたのだ。


俺の手は勝手に銀行のカードに伸び、それをATMの中に差し込んでいた。

そして、暗証番号を素早く打ち込み、1万円を取り出す。


そして、すぐそこにあるコンビニへ行き、コンビニのATMの前に立つ。

そして、少し操作をすると、QRコードを表示される。

俺は素早くアプリを立ち上げ、それを読み込む。


あぁ、わかってるさ。

あんなことがあったとしてもあのサイトの信憑性はほとんど上がってない。


だけどな、よく考えてみてくれ。

友達も居ない、好きな人も居ない、なんなら同僚の子とも上手く喋れない。

親には育児放棄をされ、ご飯を作ったりするのもめんどくさいから自炊はせず、大した趣味も無いので家の中でごろごろするだけの毎日。


本当にこんな人生で良いのか?


昨日超能力を買った時にはよく分からないものだった。

『潤いの恵み』とかいう効果があるのかどうかすら分からないものだ。

だが、つまりはあのサイトで手に入る能力というのはランダムだという事だ。

この前引いた2つの超能力がどれくらい()()()なのかは分からない。

が、これだけは分かる。


()()()


昨日エナジードリンクを飲んだ時、なんだかいつもよりも集中出来た気がする。

あの時の俺はどうせプラシーボ効果か何かだと思ってなんとも思っていなかったが、今になればよく分かる。

流石にあれは効きすぎて居たと。


それに、栄養ドリンクなどを飲んで元気を出したあとは大体虚脱感がやってきたりしてどんよりした気分になるので、そうなっていない以上エナジードリンクの効果ではないと思っていた。

だが、それもあの『潤いの恵み』の効果だとしたらどうだろうか?


確かあの紹介文にはデメリットを半減するとかとも書いてあった。

エナジードリンクを飲んだくらいで体調が悪くなったりはしないが、あれだけの効果があってその後に何も無いというのも少し不思議だ。


つまり、これらの事象を総合して判断すると…………。


これは()()()によって引き起こされた事象である。


と、言っても過言では無いのではないだろうか?


今、俺の電子決済アプリの中には1万円が入金された。

これがあれば、またあのサイトで超能力を買うことが出来る。


このまま様々な超能力が手に入ればもしかしたらもっと良い超能力も手に入るかもしれない。


超能力って言えばテレパシーだとかサイコキネシス、瞬間移動みたいなものを思い浮かべる。

もしかしたらそういったものが手に入ったりもするかもしれない。


「…………やってみる価値はある、な」


人生を変える一手になるかもしれない。

これを逃してはならない、と脳が訴えかけているのか、それに呼応して心臓がバクバクと拍動する。

家までの帰り道、涼しい空気も俺の頭を冷やすまでは至らない。


家に到着してすぐにサイトを開く。


奇妙な音楽に胡散臭い文。

これが()()だなんて気づける人は少ないかもしれない。

だが、俺はこれを見つけた。

見つけることが出来た。


QRコードを読み取り、決済を完了する。


すると、画面が変化していき、新たな文が出てくる。



━━━━━━━━━━━━━━━━━━


『ウェイトポーチ』

袋に入れた物の重さを倍増、又は半減まで増減させることが出来る。

ささやかながら頼れる相棒。


━━━━━━━━━━━━━━━━━━




さて、これはどう言った超能力なんだろうか。

重さが増減する…………という事は、今までよりもはっきりと超能力として分かりやすいものだな。


俺はとりあえず袋を探すことにした。


家にはゴミ袋くらいしか無かったが、その中には明日の朝出すはずのゴミがいっぱいいっぱいに入っているため、検証にピッタリだろう。


一旦俺はそれを持ち上げてみる。


「……うん、普通だ」


多分、これはまだ超能力が使われていないという事なのだろう。

今までのものは何もしなくても超能力が発動したので、気にしていなかったが、よく考えたら発動方法とかそういったものは一切分からない。


1度サイトの中の文を確認してみるが、そういった事は一切書かれていない。


さぁ、どうしたものか…………。

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