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俺だけ使える1万円で超能力を買える怪しいサイトを見つけたら人生が変わった件  作者: 黒飛清兎
第一章 『1日1回1万円で超能力が買えるサイト』
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41話 筋トレ



「ぐぐぐぅ…………っ、はぁ、はぁ、なんだこれ、きちぃ…………」


俺は床に寝転び、上体起こしをやってみていた。

しかし、体は思ったように動かない。

長年の運動不足がたたってか俺の筋肉は非常にまずい状態である。

何がまずいって、腹筋が出来ないのだ。


ジムに行くためにはお金がかかるので、まずはとりあえずお金をかけずに出来ることだけでもやっておこうと思っての行動だ。

ちょっと悲しいこともあったしそれを原動力にして動こうと思ったのだが、いくら燃料が多くても元のスペックが低ければ良いパフォーマンスなどできるわけが無い、よってこんな醜態を晒しているのである。


「ってか、腹筋出来てすらいないのになんでこんなに腹痛てぇんだよ…………」


何回か力を込めて起き上がろうとしてみただけなのに俺の腹筋は悲鳴をあげている。

コンビニバイトでも力を使う事はあるはずなのになんで俺にはこんなに筋肉がついてないんだよ…………いてぇよ………。


俺は他の筋トレもしてみるが、どれも全然ちゃんとやることが出来ない。

おい、『ボディートレーナー』さんよぉ、ジム行けとか言ってくるんだったら助けてくれよ、つれぇんだが…………。



━━━━━━━━━━━━━━━━━━


えっと、まぁ、うん…………ハッ!


━━━━━━━━━━━━━━━━━━



なんだコイツ、脳筋みたいな喋り方したがって…………。

いや、ジム行けとか言ってるわけだし本当に脳筋なんだろうか?


「はぁ……マジで情けねぇな……」


床に寝転んだまま、俺は天井を見上げて嘆息した。

まさか腹筋ひとつ満足にできないとは。

思っていたよりも自分の身体はずっと怠けきっていたらしい。


「くっそ……もう1回……!」


などと一人で気合を入れてみたものの、現実は甘くない。

腹筋はできない、腕立てもロクにできない、スクワットですら太ももが悲鳴を上げる始末だ。



「……っしゃ! 明日はもうちょいできるようにしてやる……!」


まぁ、筋トレってのは一朝一夕で効果が出るものでもない。

何ヶ月も辛い筋トレを続けてそうしてやっとほんの少しだけ筋肉が付くのである。


俺は廃棄のプロテインドリンクを飲んだ。

なんかネット情報だったらちゃんと筋トレしてない人が飲んだらただ太るだけだとか何とか書いてあったけれど、俺には『潤いの恵み』がある。

これの力によって俺は飲み物の効果を増加させることが出来る。

逆に太るという悪影響は半減する、そうすると俺はプロテインドリンクをほぼノーリスクでしかも絶大な効果を得ることが出来る。


「味は微妙だけど…………まぁ、筋肉が付くなら我慢出来る…………」


昔と比べたら美味しくなっているらしいけど、その昔を知らない俺からしたらただの変な味のする飲み物だ、だがその効果を知っている以上それを飲まないという選択肢は無い。

これから毎日筋トレを続ければきっと少しづつだけでも筋肉はついて行くと思う。

それに、俺には『ボディートレーナー』が居る、だから筋トレをして筋肉が着いたらそれが目に見えて()()として現れてくれる。

筋トレで挫折してしまう一番の要因は恐らく自分に本当に筋肉が着いているのか分からないからだろう。


俺はその後シャワーを浴びさっさと寝ることにした。



◇ ◆ ◇ ◆ ◇




…………よし、今日こそは命と話すぞ!


俺はそう決意し家を出た。

今日は超能力を買うお金も無いのでさっさと家を出た、だからさっさと行けば命と話す時間はあるはずだ。

昨日は色々考えていたが、やっぱりなぜ俺が避けられているのかは結局命にしか分からない。


…………少し強引かもしれないが、ある程度長い時間入れば流石の命でも避けることは出来ない筈だ。

今日みたいに俺が来た時にトイレに行ったりしても俺が事務所で命が戻ってくるまで待ち、その時話しかければ良い。


俺みたいな男がそういった待ち伏せみたいな事をするのは少し人聞きが悪いが、あの時あんなに仲良くしてくれていたのにいきなり避けられるなんておかしい。

何か誤解があったのだとしたら解きたい、仲直りしてまた少なくとも以前のようにほんの少しだけでも話すことができるような仲に戻りたい。

それに、今後似たような状況にならないとも限らない。

今回の件が100%俺に非があったとして、その場合それを繰り返してしまっては良くない。

これからはもっと友達を作ったりもしようとこの前決意したのだし、人に嫌がられるような事をやっているのだったら極力治していきたい。


「…………よしっ!」


俺は頬を軽く叩いて気を引き締め、店に入る。


「いらっしゃいませー」


出迎えてきたのは知らない女の人の声だ。

レジには知らない女の人がいた。

…………どうしてだ?

いつもは命がいるはずの立ち位置には見たことも無い人がたっている。

話しかけるのは少し気まずいので極力その人の視線に入らないように事務所へ行く。

事務所ではいつも通り店長が仕事をしている。


「あの、店長、志賀さんはどうしたんですか? 姿が見えないんですけど…………」

「あぁ……彼女、昨日から体調不良みたいで…………」

「え…………」



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