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俺だけ使える1万円で超能力を買える怪しいサイトを見つけたら人生が変わった件  作者: 黒飛清兎
第一章 『1日1回1万円で超能力が買えるサイト』
118/129

118話 成果無し




夜、何とか寝たあとはまたいつもの通りに『ドリーマー』を使っての拷問だ。

流石にここまでされると心に来たのか、拷問を受ける側も従順になってきたように感じる。


とりあえず今までの襲撃に関わってきた奴らを片っ端から探す勢いでそいつらから話を聞いているんだが、やはり有力な情報は得られない。


ナイトシティーはやはり少し宗教的な存在になりつつあったようで、俺の拷問を受けた者たちの精神的支柱になっていたようだ。

そのナイトシティーの死は警察を通してそいつらにも知らされているらしく、そいつらはみんな絶望してしまっていた。

ま、自業自得なんだがな。


とにかく、あまりにも情報が無かった為、逆に少し不気味であった。

そこにいた人間の数もこの前と比べると少し少ないようにも感じたし、寝る時間をずらして夢を見ないようにしているのかあるいは……死んでしまったか。

とにかく、いちばん何か知っていそうなナイトシティーは死んでしまっていて話を聞くことは出来ないし、もう手は尽くしてしまった。


警察官の人に話を聞こうにも面識が無い以上そんな事も出来ないし、万策尽きたと言った感じだ。


そんな調子で少し飽きてきた拷問を続け、そのまま夢から覚めたのであった。



朝起きると、何やらベットの横の椅子に座り、何やらゴソゴソと動いている人物がいた。

……紫恵パパだ、どうやらメイクをしているようだった。

昨日の会話を聞いてしまった以上、なんだか気まずさを感じずにはいられない。


「……やぁ、おはよう」

「っ、おはようございます」


紫恵パパは俺が起きたことに気がつくといつもの調子でそう挨拶してくる。

それがなんだか少し俺には不気味に思えていた。


紫恵パパはそんな様子を知っているのか、知らないのか、特に俺と会話したりはせずにただ黙々と慣れた手つきでメイクを済ませていく。

その少しの手間だけで顔の印象が一気に変わるのだから凄いもんだ。

『ビューティーコンサルタント』さんもびっくりだ。


「……じゃ、とりあえず僕は顔でも洗ってきますね」

「あぁ、分かったよ、朝ご飯は昨日の残りとちょっとしたお味噌汁とか作ってあるから、好きに食べてね」

「あ、はい、ありがとうございます」


時計を見てみると、7時半を指している。

紫恵パパの理容室は9時開店なのでもうそろそろ準備をしなくてはいけないのだろう。

本当はそんな事せずにそのまま家にずっと籠っている方が安全なのだろうけど、流石に予約とかもあって開店しないという事は出来ないそうだ。


お金の問題もあるし、ずっとここに居る訳だがそういった事で文句を言うわけには行かない。

少しでもここに長く入れるよう、そういった行動に出る訳には行かないのだ。


紫恵パパはある程度経ち、メイクが終わると足早に自分の店へと向かっていった。

従業員もいる訳だし、紫恵パパは大丈夫だとは思う。

この家も理容室の真上にあるとはいえ外に階段がありそこから入るような構造になっているため理容室が襲われたからと言ってこちらにまで被害が及ぶということは無さそうだ。

逆も然りである。


紫恵パパが仕事をしている間は特に俺達もやることは無く、何か手伝おうにも下に行くのも怖い為本当に何もすることは無かった。

その間は幻星をやったり各々好きな事をやって過ごしたりしていた。


そして、時を見計らい俺は2人に声をかけた。


「2人とも……昨日あんなことがあったばっかだけれど…………今日も超能力を買おうと思う」


昨日少しバグったのもあって少し買おうかどうか迷っていたが、いつここから出なければならないか分からない。

その為、少しでも力をつけておきたいと考えての事だ。


俺がその事を二人に打ち明けると、やはりあまりいい顔はしなかった。


「…………まぁ、仕方ないのは分かるよ、力はあるに越したことは無いからね…………けど、やっぱり心配だな」

「うん……だけど、仕方ない……ね」


2人とも渋々といった様子ではあったが、了承をしてくれた。

ただ、了承してくれたと言ってもやはりその発言からも嫌そうなのが伺える。

もうこれは今回でとんでもなく強い超能力を獲得するしかないだろう。


「……あ、そういえばお金はどうするの? 電子決済でお支払いしてるみたいだけど、ここ最近は入金してないよね?」

「あぁ、もうどうせ使うと思って貯金の半分くらい入金しておいたからさ」

「うっわー、思い切るね」


紫恵はそういうが、実際俺的にはそんな風には思わない。

だって、ぶっちゃけ普通に電子マネーさえあれば大体の所で支払いが出来るし、大体そんなに外に出て買い物をしたりもしないのでそれだけで事足りるのだ。

逆に手元に置いておく方が不安なくらいだ。


「ま、とりあえず買おうと思う」

「うん、分かった、いいのが出るといいね」

「あぁ、そうだな」


というか、『幸運の恵み』とかいう超能力も持っている訳だし、ちゃんと出てくれなくては困る。

手に入れた時はとんでもなく幸運になったと思っていたが、最近はちょっと鳴りを潜めすぎじゃぁないか?


とにかく、俺は少し緊張しながらも超能力を買った。

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