11話 健康志向
とぼとぼと家に帰り、とりあえずもう一度カメラを起動して自分の事を見る。
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目:目つきが悪いが、それもまた良い 35/100
眉:綺麗に整っており清潔感がある 65/100
鼻:普通 45/100
口:血色が悪い 25/100
輪郭:痩せ型 46/100
肌:色白 52/100
髪:とても可愛く整っている 72/100
総評:中性的な青年 48/100
ポテンシャル:60/100
まぁ、悪くは無いです。
もっと健康的な生活を続ければもっと良くなるでしょう。
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何だと?
ものすごく良くなっているじゃないか。
や、美容院に行って顔剃りもして貰ったんだしかなり良くなるのは分かっていた。
だが、ここまでとは……。
そうだ、もうひとつの方はどうなったんだ?
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子供ウケ:△
大人ウケ:×
女性ウケ:△
男性ウケ:〇
ポテンシャル:男性ウケ
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ふむ、男性ウケが〇になりましたか…………。
まぁ、どっちかって言うと可愛い感じになったし男性ウケが良くなるのは分かる。
だが、よく見たらポテンシャルの部分が男性ウケになっているのはどういう事だ?
もしや、俺は女の子のような顔になった方が良いという事なのか?
確かに背も低い方だし、かっこいいとは言われたことがなかったが、小さい頃に可愛いと言われた記憶はある。
だからといってこれは違くないか!?
確かに総評は上がった。
だがそれは恐らくかっこよさがあがった訳ではなく、ただ単に可愛くなっただけである!
どちらかと言えばかっこよくなりたかったんだが…………。
まぁ、もう過ぎてしまったことは仕方がない、こうなってしまった以上何とかこれでも違和感のないように過ごさなくては。
『ビューティーコンサルタント』のアドバイスの通りに健康的な生活を続けていれば肌や血色の悪さは改善していくだろう。
だが、それをやる為にはどう考えてもお金がかかる。
体にいい添加物の少ない食材を買うお金なんて無い。
食事はほぼ全て廃棄で済ませているため、廃棄が少ない日はかなり少ない量の食事しかしない時だってある。
そうなるとどうやっても健康的な食事は出来ない。
とりあえず時間もあることだし俺はネットで健康に良い事を調べてみることにした。
調べて直ぐに出てくるのはやはり食生活だ。
コンビニ弁当ばかり食べていたり同じものばかり食べていたら栄養が偏って健康には良くないとの事だ。
一旦それは読み飛ばし、ほかのページを見る。
ほかのページには運動や睡眠などが出てきた。
また、美容関係であればスキンケアをちゃんとやるべきということであった。
運動はまぁ……機会があればやるとして睡眠か……。
俺は今左手に持っている1つの缶を見た。
…………やっぱりこれを寝る前に飲むのは良くないか。
家に帰ったらとりあえずネットを開きながらエナジードリンクを飲み、眠くなってきたら寝るというのが俺の日課だ。
今までは健康とかそういったことについては一切考えていなかったが、今回いきなりこういう事になり考えてみた。
そうしたらやはりこれはかなり睡眠の質を落とす原因となってしまうだろうという事に気がついた。
それに、寝る前にスマホを触るというのも良くない。
言ってもただ眠たくなるまでの暇な時間を潰す為にやっている行動だし、やめろと言われればやめることは容易い。
これを機に少しづつでも健康に気を使っていくのは悪くないかもしれないな。
スキンケアに関してはよく分からないけど、新たにお金がかかる様なものをやる気は無い。
洗顔料などは一応前々から持ってはいたが毎日洗うような事はあまりしていなかった。
そのせいか肌は少し荒れているし、これを機に毎日洗うようにすればもしかしたら治るかもしれない。
いいシャンプーとコンディショナーを使ってくれたのかとてもサラサラになっている髪の毛を手ぐしで梳かしてみる。
俺の物はスーパーで売っていた一番安いヤツを使っているし同じぐらいサラサラになるとは思えない。
「うーん、美容って難しいんだな……」
世の中の人達はこれにプラスでメイクやその他の健康に繋がるものを色々やっているのだろうか?
ううむ、俺には到底理解できない世界だ。
ただ、今の俺はその世界に足を1歩踏み入れているのだ。
今まで顔は悪く、頭も悪い、オマケにコミュ力も無い、クラスの中ではいつも端っこで誰とも話さずいにた俺だが、これを機にもしかしたら最初の部分の顔は悪くの部分だけでも改善されるかもしれない。
俺が超能力サイトを使っているのは単に面白そうだったからと言う訳では無い。
これを使うことによって、俺の人生が変わるかもしれない、そう思ったからだ。
現に今の俺はこの超能力サイトを使うという目的が出来たことによって日々の生活が楽しくなっているのを感じる。
ここはターニングポイントなんだ、ここで行動を起こさないでいつ起こすんだ。
俺は決意した。
これからは、俺の力で人生を変えていくんだ、と。




