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神社の学校  作者: 碧蜜柑
7/8

【ある雨の日の昼下がり】


ここは、神社横の公民館を利用したフリースクール。


霊力の強さゆえに問題のある子供たちが、勉強と玉の磨き方を教わっている。


「うわぁ、降ってきた!午後は自習だね。」


龍姫(たつき)が外を見ながら言った。


普段は、午前中は勉強で、午後は外の公園で玉を磨く練習をするのだが、雨の日は午後も自習に切り替わる。


「読みたい本があったから、ちょうどよかった。」


神子(かみこ)が、鞄の中から、分厚い本を取り出した。


「え、それ、辞書?」


あまりの分厚さに龍姫が思わず言った。


「小説だよ。面白いよ。」


「なるほど、それを読むなら、時間はたくさんほしいよね。」


愛子(あいこ)が話しかけると、神子は照れ臭そうにふふふと笑った。


「私は困るなぁ。卒業まで一年もないのに・・・・・・。」


龍姫はこちらでのお役目が見つからないと、龍神(りゅうじん)の嫁にされてしまう。


それは、この世ならざるものになる、つまりはこの世界での死を意味する。


「焦ってもしょうがないですよ。焦ったからと言って結果がついてくるわけじゃありませんから。」


唐突に3人のそばに田中先生が立っていた。


3人ともびくっとして目を見開いた。


「田中先生!気配消してそばに来るのやめてください!心臓止まるかと思いました!」


龍姫が言うと、田中先生は、おかっぱ髪を手の甲でかきあげながら


「田中先生程度の気配も悟れないようではまだまだですね、龍姫さん。」


と誇らしげに言った。


龍姫は何も反論できずにぐぬうと席に着いた。




その頃、公民館の横の神社に客神(かくじん)の姿があった。


「あの子はどうだ?」


長く黒く美しいみどり髪を持ち、金色の瞳に縦長の瞳孔を持った、その男神(おがみ)は龍姫を妻にすると言った龍神であった。


「順調ですよ。彼女はもともと心根が美しく、飲み込みもいいので、立派に育ってくれるでしょう、ただ、やはりそろそろ、人間の社会に馴染ませないと、本当に嫁に取らないといけなくなりますよ。」


神社の神の言葉に、龍神はうーんと頭を抱えた。


「さすがにもう嫁はいらんのだ。」


「かわいそうな子を見るとすぐに妻にするって言って庇護下(ひごか)に置こうとするからこういうことになるんですよ。」


「わかっておる、だが、捨て置けというのか?あんなに御霊(みたま)の美しい女性(にょしょう)がみすみすほかの同族たちに潰されていくのを黙ってみていろと!?」


「その結果、どのくらいの妻を(めと)られましたか?」


「せんはちじゅう・・・・・・に・・・・・・。」


「1083番目にあの子がならないように尽力しますよ。」


神社の神はあきれながら、自分よりはるかに位の高いこの龍神を慰めた。





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