夜、寝る前に「平和だな」とありがたく思った日
いつも有難うございます
よろしくお願いします
「おはようございま〜すっ」
朝、犬の散歩に行く途中、ラジオ体操帰りのおば様達に挨拶をする。
ここで会うおば様達は、皆さん上品な雰囲気を持っていて、軽く会釈しゆっくりと「おはようございます」と返してくれます。
「暑いですね〜。暑いのに毎日体操お元気ですね〜」
「おほほ〜これくらいしかする事ないのよ〜」
「充分です!!では、行ってきます!」
私は犬を指差して言う。
「行ってらっしゃ〜い」
にこにこと言ってもらい、私もにこにこ。
にこにこしながら15歩くらい歩くと、足元に大きな青虫を発見した。
「ぎょえ〜」よろける私。
私がよろけたせいで、犬も引っ張られてよろけてしまい、青虫を踏む。
「ぎゃーーーーー」
犬に踏まれた青虫がうにうに動く。
おえっ…
私はその場から少し離れたところで、膝に手を乗せ項垂れる。
ちょい、ロープロープ…
青虫から受けたボディーブローが効きすぎた。
虫嫌いの私。怖すぎてガクガクと膝が笑ってる。
家から100メートル離れたか離れてないかなのに、今日一日分の全体力を使い果たしてしまった…
ヨロヨロになりながら散歩を続ける。
少し歩くと、犬が「もう歩けません」と、しゃがみ込む。
まだ全然歩いてないじゃん。
引っ張っても頑として動こうとしない。
ふ〜…
疲れた。
帰ろ。
ボディーブローが効いた腹に、犬を抱えて歩き出す。
犬が青虫踏んだ事を思い出して、またおぇっとなる。
いつもより5分の1程の距離しか散歩せずに戻ると、先程のおば様達にまた会った。
「あら?わんちゃん歩かないの?」
「はい。この犬は私をこき使うんです(泣」
「おほほ〜それは大変ね〜」
ええ、本当に。
夕方になり、まだ暑い日差しの中、二階ベランダに置いてある鉢植えの植物への水やりの為に、ベランダに出る。
夏場は毎日朝と夕方に水をあげないとすぐに萎れてしまう。
葉にも水がかかるようにと、ホースの口をシャワーにして水をあげていると、どこからか大泣きする声が聞こえて来た。
何か叫んでいるが、一緒に鳴く蝉の声に消されてなんだかわからない。
声のする方を見ると、小さな男の子がランドセルを手に持ち、他にも大荷物を持ち、力一杯泣きながら歩いていた。
そうか…終業式だ。
夏休みに入るんだね。荷物多いよね。
ヨタヨタと歩く男の子を「可愛いなぁ」と思って見ていたら、荷物の隙間からポトリと黄色い帽子が落ちた。
気付かず歩き続ける男の子。
私は大声で「帽子落ちたよーっ!」と二階から叫ぶ。
ベランダから男の子まで距離もあるし、泣く事に夢中の男の子には私の声が聞こえないみたい。
「帽子、帽子〜帽子落ちてる〜!」何度か叫ぶとやっと声が届いたようで、泣くのをやめて声の主を探そうとキョロキョロしている。
「こっちこっち〜」
私は、ホースを持っていない方の手を大きく振る。
私を見つけた男の子はこちらを見てびっくりしている。
二階から呼ばれるとは思っていなかったよね。
「帽子、帽子!帽子落ちてる!」
聞こえないのかポカンとする男の子。
ジェスチャーを加えて「帽子落ちてるよ〜」と叫ぶ私。
やっと伝わり、荷物を抱えながらも帽子を拾う。
「頑張れ頑張れ!あと少しでおうちだよ〜!お家まで頑張れ!」
チラチラとこちら見ながら歩く男の子が見えなくなるまで、手を振ってあげた。
暑い中、小さな体でたくさんの荷物運ぶのは大変だよね。
頑張れ。
男の子の後ろ姿を見て、かるがも助けた時の事を思い出してほっこりした一日でした。
多くの地域の子どもたちが夏休みに入りましたね。
夏は水の事故が増えると思います。
自分達が子どもの頃にたくさん遊んで慣れ親しんだ川や海も、長年の侵食などで流れが変わっている場合もあるかもしれません。
気をつけてあげて下さい。
大人も子どもも安全に、事故などない様お過ごし下さい。
拙い文章、最後までお読み下さりありがとうございます。