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きつねの嫁入り  作者: みずたまりこ
8/14

覚醒

『わたしはもう大丈夫。大丈夫だから』


 遠くの方で幸の声が聞こえた。

 バカだなーー。

 暗闇の底から浮かび上がりながら、俺は思考している。

 そんな泣いた声でどこが大丈夫なんだ。

 俺がいないところで泣くなよ。俺が笑わせてやるから。一生幸せにするから。


 天井の蛍光灯の白い明かりが目の奥に差しこんで、実像を結んでいく。

 長い間眠っていたような気分だった。実際眠っていたのだろう。頭を動かすとひどい頭痛を覚えた。


 幸を探しかけた時、するすると記憶の糸がほどけるように、自分が幸に何をしたかを思い出した。

 幸を十二年もの間待たせたこと。痛がる幸に乱暴したこと。幸を忘れて傷つけたこと。そして、幸に別れを告げたことを。


「うわあああああああああああ!!」

 全てを思い出した俺は、病室のベッドの上で絶叫した。

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